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中国の賃貸マンション、広い部屋のメリットとデメリット

中国では日本ほど1LDKの賃貸マンションは見つかりません。日本人駐在員の多くは単身者にもかかわらず、3LDKの部屋に住んでいる人も少なくないでしょう。では広い部屋のメリットとデメリットはどのようなものが考えられるでしょうか。

1.コンパクトなアパートが少ない

中国では1LDKの高級マンションが少ない

日本人駐在員が中国でアパートを探すときに困ってしまうことに、1LDKの高級マンションが少ないことをよく耳にします。北京、上海、広州などの一線都市とよばれる大都市では見つけることもできますが、地方都市になると1LDKの高級マンションを見つけることは難しいでしょう。

一線都市とは?
一線都市とは、中国のなかで不動産価格や所得水準などの生活レベルや物価の高い大都市のことを言います。明確な定義はありません。中国語では「一線城市」 と書きます。「第一財経週刊」という雑誌は2014年、19都市を指定しています。北京、上海、広州、深センなどは一線都市の代表。

中国人にとって重要な不動産の面積

日本人がマンションを購入するときには、2LDKまたは3LDKなどのマンションの部屋数にこだわることが多いでしょう。あまり面積(または坪数)を意識している人はいないはずです。

いっぽう、中国人は不動産の面積に日本人以上にこだわります。中国では多くのマンションは「毛坯(マオピー)」とよばれる内装工事されていない状態のモノを購入します。そのため、2LDKにするか3LDKにするかは変更も可能です。重要なのはなるべく広い面積です。

そのような不動産売買の商習慣もあり、新築にしろ中古にしろ不動産価格は1㎡あたりという意識があります。かりに同じマンションの部屋を売却する場合、1㎡でも広い面積のほうが高く売れることが多いでしょう。1LDKやワンルームなどの狭いマンションは投資価値が低くなってしまいます。

シェアハウスという方法

日本では核家族化や独身率が高くなり、単身者の世帯数がふえて1LDKやワンルームのマンションのニーズが以前よりも高くなってきているでしょう。中国でも核家族化や晩婚化が進んでいますが、中国人は友人や知らない人とマンションのお部屋をシェアします。そのため、中国人は日本のようにワンルームマンションがなくても困りません。

地方都市はより見つからない!

中国不動産の商習慣や中国人のライフスタイルにより、中国では1LDKやワンルームはそれほど多くありません。そのうえ、高級マンションの1LDKやワンルームとなると、ホテルやサービスアパートメントくらいしかないかもしれません。中国の地方都市にいけばいくほど、残念ながら高級マンションの1LDKやワンルームマンションは見つからないでしょう。

2.広い部屋を借りてしまったら?

広い部屋のメリットは?

日本から単身で中国に赴任した場合、ひとり暮しにマッチした賃貸マンションが見つからずに2LDKや3LDKに住んでいる日本人は少なくないでしょう。しかし、広い部屋にはそれなりのメリットもあります。

部屋が広いためか、となりの部屋からの雑音があまり聞こえてきません。中国のワンルームに住んでいると、隣の部屋からだけでなく上下から雑音が聞こえてきます。ホテルに滞在していても同じです。

いっぽうで、3LDKの部屋に住んでいると、あまり雑音が聞こえてこない傾向があります。しかし、単身者が広い部屋に住んでいても、それほどメリットはないのが実情ではないでしょうか。

メリットよりもデメリットが多い

じつはデメリットが多いのです。日本のマンション管理費にあたる物業管理費は、部屋の面積におうじて設定されています。広い部屋に住むほど、マンション管理費は高くなってしまいます。

中国の物業管理費とは?
中国の物業管理費は日本のマンション管理費に該当します。部屋の建築面積に単価をかけて決められることが一般的です。たとえば、建築面積100㎡で単価2.0元/㎡であれば毎月200元(約3,300円)の物業管理費が発生します。

単身で3LDKに住んでいると掃除も大変です。おそらく、ほとんどの単身者はリビングとメインベッドルームくらいしか利用せず、のこり2つの部屋は物置きになっていることでしょう。(了)

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