革製品で有名な海寧市、業者(問屋)向けの卸売市場は駅前に!
中国で革製品の製造や販売と言えば浙江省の海寧市(ハイニン)という都市。上海や杭州から約1時間のところに位置する。海寧市は総人口80万人の小さな街であるものの、衣類、カバン、靴などのレザー製品では圧倒的な知名度をもっている。
1.レザー製品で有名な海寧市
海寧市といえば、巨大ショッピングモール「海寧皮革城」
上海から普通列車で約1時間15分のところに位置する浙江省の海寧市(ハイニン)。この海寧市は、中国のなかでも革製品(レザー製品)の生産や販売で有名な都市。とくに海寧駅からタクシーで10分程度のところにある革製品の大型専門ショッピングモール「海寧皮革城(HaiNing China Leather City)」は100万㎡も床面積があり、一般消費者向けの衣服、カバン、ブーツなどの革製品の販売百貨店として有名だ。
この「海寧皮革城」の100万㎡という広さは、東京ドームに換算すると約20個分。日本で有名な展示会場である東京国際展示場(東京ビックサイト)の床面積は23万㎡、大阪南港にあるアジア太平洋トレードセンター(大阪南港ATC)は33万㎡なので、その数倍もの規模。日本では同規模の専門ショッピングモールはなかなかないだろう。
業者向けの卸売市場は海寧駅前に!
その「海寧皮革城」は一般消費者を主なターゲットとしているものの、もちろん小売業者もたくさん訪れている。しかし、業者(問屋)の人には海寧駅前にある革製品の卸売市場もおススメ。こちらの卸売市場では基本的には一般消費者向けの商売をしていないので、ちょっと上海や杭州から革製品(衣服やブーツなど)の買い物に来た人にはおススメできない。
- 浙江省の海寧市とは?
- 浙江省の海寧市とは、中国のなかでも革製品の製造・販売で有名な都市。海寧皮革城という巨大な販売マーケットには、中国全土からバイヤーがやってくる。総人口は81万人(2010年末)。総面積は668k㎡(東京23区とほぼ同じ)。浙江省嘉興市(地級市)に所属する県級市。上海市から列車で約1時間15分。杭州市から列車で約1時間。
2.卸売市場のなかは?
すべて革製品の販売店!
この卸売市場のなかを覗いてみると、まさに業者向けの販売店といった雰囲気。卸売市場で有名な浙江省の義烏(イーウー)や七浦路服装批発市場(上海市閘北区)と同じような雰囲気がでている。中国の卸売市場は意外にも清潔に保たれていて、この海寧駅前の卸売市場もかなりキレイな店内になっている。
革のスカート専門店
この卸売市場の販売店に話を聞いてみると、「継続取引できるような小売販売店を探している」とのこと。すでに取引している業者があるので、販売地域が重ならないようにしたいようだ。日本の業者とは取引していないので、日本での販売は問題ないようだ。日本では最近、レザースカートの女性をあまり見ないものの、数年に一度くらいは流行するだろう。中国では春や秋ごろにレザースカートを履いている女性は多い。
女性向けのレザーコート
この卸売市場のなかにはレザーコートを販売している店舗が数多く出店している。直営の工場があるようで、希望すればOEM生産で自社ブランドの製造を頼むこともできるようだ。中国工場の加工技術は向上していて、サンプル製品があれば同じような製品は作れるようだ。
- OEM生産とは?
- OEM生産は、外部の工場に自社製品を作ってもらう生産方法。original equipment manufacturingの頭文字からOEMとよばれる。OEM生産を活用すれば、自社工場を持たずに自社ブランドを立ち上げることも可能。
卸売市場の前、革ブーツの路上販売
この海寧駅前の卸売市場の前には路上販売している人も少なくない。この路上で販売されている革のブーツは30元(約600円)くらいで販売されている。
この海寧市は総人口80万人くらいの小さな地方都市。上海や杭州などと比べると、大通りでも人通りは限られていて、すこし寂しい雰囲気の街であるものの、「海寧皮革城」を代表とする革製品の販売ではとても有名な都市。日本で目にしたことのない超巨大な専門ショッピングモールを見るだけでも訪れる価値はあるかもしれない。(了)