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上海市で理解する中国の退役兵士の教育サポート政策!

中国では中国人民解放軍や人民武装警察部隊が18歳以上の男性を徴兵している。日本と違って一旦入隊しても基本的には2年間で退役する制度。毎年多くの退役兵士が生まれているが、その社会復帰である就職のためのサポートも行われている。

1.学費補助で退役兵士の学歴底上げのサポート

兵歴12年未満は人民政府が就職サポート

上海市は退役した兵士に対して、退役後2年以内に学歴を取得するための教育を受ける場合、規定にもとづいて学費をサポートする政策を打ち出している。中国では中国人民解放軍または中国人民武装警察部隊に入隊していた人の退役後の一般社会への復帰政策としておこなわれている。

中国の徴兵制度は?
中国の徴兵制度は、毎年12月末時点で満18歳になる男性が対象。身体検査をうけて合格すると徴兵される。基本2年間の兵役につく。就学などの理由で満18歳で徴兵されなかったものは22歳まで徴兵される権利がある(大学卒のものは24歳まで可能)。女性も必要に応じて募集される。

これは退役士兵安置条例(2011年11月施行)の第18条によって、12年未満の入隊歴の退役兵士に対しては人民政府が就職をサポートすると明記されているからだ。

学費補助の支給金額は?

この学費補助の支給標準は、高考を通した入学する普通大学の場合は最高6千元。成人大学(社会人大学)の場合は最高3千元。中専と呼ばれる中等職業学校の場合は最高1,500元。このようにどのレベルの学校に入学するかによって教育サポートの補助金が異なっている。より高い学歴ほど補助金の金額は高くなっている。

中国の高考とは?
高考は毎年6月に行われている中国の大学入試。正式名称は普通高等学校招生全国統一考試という。受験科目は国語、数学、外国語、総合科目(または選択科目)の4科目が多い。地域によって配点や科目に違いがある。

2.具体的にどんなサポート?

学費補助の支給期間は?

毎年、実際に支払う学費が学費補助の上限を上回る場合、学費補助の上限額を支給する。実際に支払う学費が学費補助の上限より少ない場合は、実際に支払う金額を支給する。就学期間中に支払う学費が毎年異なる場合、就学期間に支払う学費を平均して計算する。

すこし複雑に書いているが、基本的には学費以上の補助金はでない制度になっているということ。これらの退役兵士の学費補助は、退役後はじめて通う学校に対して適用される。退役後に2つや3つの学校に通っても補助金が支給されるのは一度だけ。在学中に休学していた者は、復学後の残りの期間に対して適用する。

農村戸籍の退役軍人には生活補助金も

上海市は農村戸籍の退役軍人に対しては民政部門の学費補助支給だけでない。農村戸籍の退役軍人が学歴を取得するために学校に入った場合、就学している間は生活に必要になる生活補助金も支給される。

この生活補助金は上海市の最低生活標準に相当する金額が支給される。これにより農村から人民解放軍に入って、退役した人も安心して学歴の取得を行うことができるようになっている。この生活補助金の支給期間は、学費補助期間と同じ期間支払われる。

ただし、正当な理由なく中途退学したり、卒業証書を取得できなかった場合、規定にもとづいて学費補助を返還しなければならないことになっている。もともと学費免除されている退役軍人には学費補助は支給されない。(了)

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