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IKEA(イケア)製品、日本と中国どちらが安いか?

広州市(広東省)にある大型の家具販売店イケア(以下、補足)を見学。ふと気になったのは、日本と中国のイケアの販売価格に大きな違いはあるのか?販売価格をくらべてみた。

(補足)IKEA(イケア)は、スウェーデンで1943年に発祥した大型の家具販売店。ヨーロッパをはじめ、北米、アジア、オセアニアなどに展開している。日本では、関東、関西、九州に8店舗。中国では北京、上海などの大都市を中心に15店舗を展開している。

1.イケアの同一製品の価格比較(まとめ)

テーブルやベットなどの大型家具から旅行バックなどの小物まで、日本と中国の同じ製品の販売価格をくらべた。イケアでは、商品コードが日本と中国ともに統一されていて比較しやすい。ピックアップした一部の商品の結果であるが、大型家具は中国のほうが安い傾向にある。小物に関しては、日本のほうが安い。

日本と中国のイケアの同一製品の価格

日本と中国のイケアで、同じ商品に大きな値段の差があれば、運送費があまり発生しない小物商品を転売する業者や個人が出てきてもおかしくない。日本と中国の価格をみると、小物商品の転売は儲からない。大型家具は飛行機の手荷物として運ぶことができないので、運送費や労力を考えると、転売で利益を出すのは難しそうだ。

そもそも、日本と中国における家具のマーケット環境が異なれば、大きな価格の違いがでるのは当然。ただ、データが少なく分析できないので、マーケット環境の違いについて、ここでは触れないでおこう。

2.回転チェアの販売価格、ほぼ同じくらい

MARKUS(マークス)という回転チェア(写真1)は、日本では22,526円(消費税8%込み)で販売されているのに対して、中国では1,299元(約21,433円、増値税17%込み)で販売されている。中国のほうが大体1000円くらい安いだけ。それほど大きな違いはない。

(補足)中国の店頭価格(小売り)には、増値税という税金が17%含まれる。中国の増値税は、日本の消費税に相当する。小規模企業であれば3%、一部の業種では低税率の13%と、日本と異なり税率は全て一律というわけではない。

(写真1)MARKUSの回転チェア、日本でも中国でも販売されている
(写真1)MARKUSの回転チェア、日本でも中国でも販売されている
(出所)IKEAのホームページより

日本でも中国でも販売されているSTORNAS(ストーナス)というダイニングテーブル(写真2)を見ると、日本では61,611円(消費税8%込み)、中国では2,999元(約49,500円、増値税17%込み)で販売されていて、約12,000円も中国のほうが安い。

(写真2)STORNASのダイニングテーブル(6~8人用)
(写真2)STORNASのダイニングテーブル(6~8人用)
(出所)IKEAのホームページより

(写真3)広州で販売されていたMARKUSの回転チェア、座り心地がイイ
(写真3)広州で販売されていたMARKUSの回転チェア、座り心地がイイ

3.イケア製品はどこで作っている?

イケアのホームページによると、イケア製品の生産国はヨーロッパが64%、アジア33%、北米3%となっている。中国の生産シェアは、全体の22%となっている(イケアのホームページ「よくある質問」より)。中国で製造している商品は、全体の4分の1程度。

今回くらべた商品が中国産(made in China)であるか、ホームページの商品紹介からは確認できなかった。比較した大型家具が中国で作られていて、中国のほうが日本よりも安いなら、運送費などの点より納得できる。

日本では、輸入した商品を販売するとき、生産国(原産国)を一般的に表記する(以下、補足)。イケアのホームページに掲載されている商品には、生産国の表記がなく、ホームページだけでは生産国を確認できない。

(補足)日本の「景品表記法」では、輸入品について消費者に誤解を与える表記を禁止している。輸入品の生産国表記は義務ではないが、業界ごとの基準などで一般的に生産国を表記することが多い。

イケアのホームページは、ネット通販をおこなっておらず、あくまでも「商品カタログ」という位置づけなのだろう。実際に店舗で購入する商品には、生産国が記載されている(イケアのホームページ「よくある質問」より)。

(了)
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