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上海マンション賃貸の物件見学から契約、仲介会社は必要か?

上海のマンション賃貸をあまく考えていた。日本人が納得できる賃貸物件は、予想していたよりも少ない。どうにかマンション賃貸を契約できたので、今回のマンション物件の見学から契約まで紹介しよう。

1.長期滞在するマンション、ようやく契約

なんとか納得できるマンションを見つけて、契約することができた。築10年くらいの24階建てマンションの19階にある1室。もちろんエレベーターは付いている。中国の老房子(ラオファンズ)と呼ばれる古いアパートであれば、6階建てでエレベーターがないのは一般的だ。

(写真1)契約したマンションのリビング、窓から光が入って明るい

(写真1)契約したマンションのリビング、窓から光が入って明るい

1ヶ月の家賃は4,000元(約66,000円)で、なんとか予算内におさまった。もともと、この物件の家賃は4,500元(約74,000円)と掲載されていたが、物件オーナー(いわゆる大家さん)と相談のうえ、ベッド・テーブル・椅子・本棚などの家電以外の家具を自分で購入することを条件に、500元(約8,000円)安くしてもらった。

(写真2)契約した上海市内のマンション、寝室になる部屋

(写真2)契約した上海市内のマンション、寝室になる部屋

この部屋は内装をリフォームしたばかり。壁も床もキレイで、日本人の私も大満足の部屋だ。物件オーナーの肖正義さん(66歳)によると、マナーの悪い人には住んでほしくないという。外国人でも欧米人は、物事の考え方や生活習慣がわからないから、同じアジア人の日本人に貸すほうがよいと話してくれた。

2.契約したマンション、どうやって見つけたか?

長期滞在できるマンションを見学するため、多くの賃貸仲介会社を訪問した。中国の賃貸仲介会社は日本と同じように、実店舗の近辺の物件について、たくさんの空き物件情報をもっている。自分が住みたい場所の近くの賃貸仲介会社を訪問すると、その附近の物件を見学することができる。

(写真3)契約した上海市内のマンションのキッチン、ガスコンロは新品

(写真3)契約した上海市内のマンションのキッチン、ガスコンロは新品

実は今回契約したマンションは賃貸仲介会社を通して見つけたわけではない。実店舗の賃貸仲介会社を訪問する一方で、インターネット上の賃貸物件情報をみていた。有名な賃貸物件さがしのインターネットサイトであれば、捜房(SouFun)や58.同城.com、趕集(GanJi)などの中国の多くの地域をカバーする不動産紹介サイトがある。

今回契約したマンションは、実店舗の担当者から「○○マンションで1LDKのエレベーター付きの空き物件がある。内装も悪くないけど見学しませんか?」と電話がかかってきた。そこで「○○マンションって、どんなところかインターネットで調べてから、見学するか決める」と回答。

インターネットの物件紹介サイトで○○マンションをみると、外観は悪くない。そのままインターネットで物件情報をみると、「○○マンション、1LDK、家電新品、リフォーム済、家賃4,500元、単身のホワイトカラー・留学生募集、賃貸仲介会社お断り」との個人募集の物件を発見。

それが、今回契約した肖さんの1室だ。賃貸仲介会社が紹介しようとしていた物件も4,500元だったので、もしかして肖さんの物件を紹介しようとしていたのか・・・?客をみつけてから、無理やり物件オーナーに見学をせまるのだろうか。

(写真4)今回のマンションさがしで訪問した賃貸仲介会社の名刺

(写真4)今回のマンションさがしで訪問した賃貸仲介会社の名刺

インターネット上に出ていた肖さんの携帯に電話すると、次のようなやりとり。

(肖さん)だれですか?
(私)家を探している日本人です。インターネットで物件を見たんですが、まだ空いていますか?
(肖さん)何人か見にきて、検討している人はいるよ。まだ決まってない。
(私)いまから見学に行ってもいいですか?
(肖さん)場所はわかるか?今、ちょうど部屋にいるよ。
(私)いまから1時間後に行きます。場所がわからなかったら、携帯に電話しますね。

3.なぜ肖さんは賃貸仲介会社を嫌がるのか?

肖さんが賃貸仲介会社を避ける理由は、仲介手数料が発生するからだ。賃貸仲介会社を通して契約すると、家を貸す人も、借りる人も1ヶ月分の家賃の最高35%(上海市の正規の業者の場合)の手数料を双方が負担することになる。

4,000元(約66,000円)の家賃であれば、各1,400元(約23,000円)の合計2,800元を仲介会社に支払うことになる。

(写真5)左側に「最高収費標準(手数料)」で最高35%と記載されている

(写真5)左側に「最高収費標準(手数料)」で最高35%と記載されている

上海市の場合、あくまでも最大手数料が35%なので、賃貸仲介会社によっては30%のところもある。法規で賃貸仲介会社に規制をかけていないと、都会の事情を知らない農村から出てきた人をはじめ、トラブルが多発しそうだ。

上海市の賃貸仲介手数料
「关于规范上海市居住房屋买卖、租赁中介经纪服务收费的通知(上海市の住居部屋の売買および賃貸の仲介紹介サービス料金をルール化することに関する通知)」(2003年10月施行)の第2条2項に明記されている。

肖さんによると「賃貸仲介会社に頼まなくても毎日たくさん物件見学の問い合わせがくるよ。仲介業者なんて要らないね」という。中国の経済大都市である上海では、マンション賃貸の需要は根強い。貸し手が強気な状況はいつまで続くのだろうか。(了)

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