中国で賃貸マンション契約満了、継続には書面が必要?
中国でアパートを借りるときには、中国の一般的な商慣習を理解しておいたほうがいいでしょう。すこしでも商慣習を理解することで、契約後に発生するトラブルを防ぐことができます。中国では賃貸契約の延長には書面契約が必要でしょうか?
1.当初の賃貸契約が満了したら?
書面での再契約を結んだほうがいい?
中国でアパートを見つけて1年契約の賃貸契約を締結しました。その1年後にさらに賃貸を継続したいと思ったとき、書面で賃貸契約を締結する必要はあるのでしょうか?結論から言うと、中国では書面で締結しておくことでトラブルに遭遇するリスクを下げることができます。
中国の契約法(合同法)の第215条では、「賃貸期間が6ヶ月以上の場合、書面形式を採用しなければならない。当事者が書面形式を採用しない場合、不定期の賃貸(契約)とみなす」と明記されています。つまり、口頭での継続も有効であるけれど、不定期の賃貸契約になってしまいます。
- 中国の契約法(合同法)とは?
- 中国の契約法(合同法)は、贈与、賃貸、金銭契約、請負など広範囲の契約について規定している法律。1999年10月より施行。中国の契約に関する基本的なことを定めている。
不定期の賃貸契約とは?
そもそも、中国の不定期の賃貸契約とは一体どのようなものでしょうか?不定期の賃貸契約とは、契約の期限(期間)を定めない契約です。これは永久的な契約というわけではなく、いつでも解約できる契約という意味です。
もし、大家さんから「来週には出て行ってほしい」と言われた場合、何も補償をうけることなく出ていかなければなりません。いっぽうで、借り主はいつでも退去することができます。
2.日本の賃貸契約は?
日本はどうなっている?
日本の賃貸契約はどうなっているでしょうか?日本で賃貸マンションを借りる場合も書面で契約書を作成します。その書面には多くの場合、「契約期限の1ヶ月前までに解約の申し出がなければ、さらに1年間契約を自動継続する」というような内容になっていることは少なくないでしょう。
日本では契約書をあらためて作成すると印紙代(1万円~10万円未満の契約で200円)も発生しますので、上記のような文言で自動契約にしている場合がよく見られます。中国でも同じような文言で締結していれば「書面の契約がない」ということにはなりません。ただし、中国では自動更新という契約内容はあまり見かけません。日本と中国の商慣習の違いでしょうか?(了)