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中国のマンションの広さ、表示の面積ほど広くない?

中国の賃貸マンションを見学したとき、仲介会社の担当者が話す面積はイメージしていたよりも広いと感じたことはないでしょうか?じつは日本と中国ではマンションの面積の定義が大きく異なります。面積の定義の違いには注意が必要です。

1.中国の分譲マンションの広さ

どのように面積は決まっているのか?

中国の賃貸マンションを見にいったときに、仲介会社の担当者から聞く面積は日本人の想像よりも大幅に広いという印象はないでしょうか?じつは日本と中国では部屋の広さを定義する面積の考え方が大きく異なります。

日本のマンションは専有面積という考え方が一般的ですが、中国では建築面積という定義でマンションの広さを語ります。この2つの面積の含まれている違いにより、中国に来た日本人が感じる部屋の広さに対する違和感が発生してしまいます。

さきに結論を言いますと、中国の建築面積のほうが専有面積(日本)よりも広くなります。だいだい中国の建築面積に70%~80%を勘案した広さが専有面積になります。計算式で簡易的に表すと、次のようになります。

  • 専有面積=建築面積ー共有部分(廊下、階段他)ーバルコニー(ベランダ)

2.具体的な面積の違いは?

日本の専有面積とは?

日本の専有面積は、区分所有マンション(いわゆる分譲マンション)で所有者が単独で所有している室内の床面積を指します。マンションの壁を上からみて半分のところから計算する壁芯(へきしん)で計算されることが一般的です。トイレや収納スペースは専有面積に含まれていますが、バルコニー(ベランダ)は含まれていない。

日本の専有面積とは、まさに室内の面積にあたります。バルコニー(ベランダ)部分も含まれていても違和感はありませんが、日本ではバルコニー部分は除かれています。日本の専有面積は、純粋な居住する建物のなかの広さと言えるでしょう。

中国の建築面積とは?

中国の商品房(分譲住宅)に関する面積は、「商品房銷售計算および公用建築面積分灘規則」(1995年12月施行)という規則に規定されています。

中国の分譲マンションの房屋産権登記証(不動産登記証明)に記載されているのは建築面積というものです。不動産売買の契約書にも、この建築面積が記載されます。上記の規則に則ると、中国の建築面積は次のとおりです。

  • 商品房(分譲住宅)の建築面積=室内建築面積+分配される共有建築面積

この室内建築面積には、具体的に何が入っているのでしょうか?この規則によると、室内の面積(バルコニー含む)と室内の壁の部分(部屋を区分けする壁)です。

もうひとつの分配される共有建築面積には、マンションのエントランス部分、共有廊下、エレベーターホール、階段、公共トイレ、エレベーター部分、ゴミ置き場、消防コントロール室、配電室、ポンプ室、警備員の待合室など。個人の所有が特定される駐車場などは除かれます。

(写真1)広々とした敷地内の共有スペースは建築面積に配分されている

(写真1)広々とした敷地内の共有スペースは建築面積に配分されている

このような室内の広さとはまったく関係ない敷地内の面積は、決められた分配率によって各部屋に分配されていきます。北京市では各棟ごとに分配計算が行われるようです。中国の建築面積と日本の専有面積はまったく異なる面積であり、この2つを比べることはできません。

3.面積の定義の違いに注意!

100㎡の部屋には誤解がひそむ!

日本人のなかには中国で働いていたときは100㎡の部屋に住んでいたと話す人も少なくありません。たしかに中国の建築面積として100㎡ですが、日本の専有面積100㎡ではありませんので誤解がないよう注意が必要です。

もちろん、中国で生活する日本人のなかには専有面積に換算しても100㎡以上の広い部屋に住んでいる人もいるでしょう。あくまでも面積という言葉の定義が違うだけです。

反対に、中国人に日本に住んでいたときはワンルームマンションで25㎡の広さだったと話すとビックリされることもあります。日本人があまりにも狭い部屋に住んでいてビックリされてしまいます。この面積はあくまでも専有面積25㎡ですので、建築面積に換算したらもう少し広くなるでしょう。(了)

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