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中国の普通住房と非普通住房、売却時の税金が異なる?!

中国の住宅には新築や中古という分類以外にも、普通住房と非普通住房という分類もあります。この住宅区分により、中国で住宅不動産を売却するときや、契約税とよばれる所有権の変更時に発生する税金に大きな違いが発生します。

1.中国の住宅種類

普通住房と非普通住房という区分

中国の住宅にはいろいろな区分があります。新築と中古という区分や、一般住宅と低所得者限定住宅など。そのなかの住宅区分のひとつに、普通住房と非普通住房という分類があります。この普通住房と非普通住房は具体的にどのように異なるのでしょうか?じつは、この普通住房と非普通住房の違いにより不動産売買をするときの税金が大きく変わります。

北京市の場合は?

北京市の普通住房の基準は、建築面積140㎡以内の広さの住宅(マンション)で、一般住宅相場の1.2倍以内の住宅価格と定められています。この一般住宅相場には具体的な限度額が設定されていて、ある地区では1㎡あたり34,560元~38,880元(約69万円~78万円)となっています。

もし140㎡のマンションであれば、484万元~544万元(約9,680万円~1億880万円)よりも低い住宅価格であれば普通住房になります。これ以上の住宅価格であれば非普通住房になります。

上海市の場合は?

上海市も同じように、建築面積140㎡以内で、地区によって230万元~450万元(約4,600万円~9,000万円)よりも低い住宅価格であれば普通住房になります。普通住房は名称のとおり一般的な住宅不動産、非普通住房は高級住宅不動産というように中国では区分されています。

中国の建築面積とは?
建築面積とは、実際に利用できる部屋の面積に敷地内の共有スペース(配電室、共有廊下、エレベーターホールなど)の分配された面積です。中国の高層マンションでは建築面積の70%~80%が使用面積(部屋の面積)といわれています。

2.住宅売却時の税金

中国の住宅売却で発生する営業税

中国では住宅不動産の売買による価格高騰を抑制するため、2005年頃から段階的に住宅の売却利益に対する課税が強化されています。住宅売買によりマンション価格がどんどん高騰していき、一般庶民がマイホームを買えないような状況に対する打開策として課税強化を行ってきました。

現在では住宅不動産を購入してから5年以内に転売する場合は、売却額に対して5%の営業税が課税されます。2011年1月までは非普通住房のみ対象でしたが、現在では普通住房も5年以内に売却する場合は同様の課税になります。北京市の非普通住房は1億円以上しますので、上記に該当すると500万円以上の営業税を負担しなければなりません。

非普通住房を購入してから5年以上経過している場合は、売却価格から購入時の取得価格を控除し、その差額に対して営業税5%が課税されます。いっぽう、購入してから5年を経過している普通住房は営業税が発生しません。

中国の契約税(契税)にも違いが!

中国には土地使用権や不動産などの所有権の変更時には契約税(中国語では契税)という税金が発生します。中国の地域によって税率が異なり、3%~5%で設置されています。住宅不動産の場合は3%が一般的です。

中国で住宅を購入するときには、この契約税が発生します。この契約税を計算するとき、普通住房は標準税率の半分、高級住宅に該当する非普通住房は標準税率で課税されます。こちらも1億円の住宅であれば、契約税3%とすると150万円の違いが発生します。

北京市や上海市の場合は、建築面積90㎡未満は契約税1%、90㎡~140㎡は1.5%、140㎡以上は3.0%となっています。住宅不動産の規制は強化されていて、2つ以上の住宅不動産の場合は建築面積に関係なく契約税3.0%になっています。

日本も保有期間によって異なる税金

中国だけでなく日本でも保有期間によって譲渡所得に対する税率に違いを設けています。日本では住宅不動産を売却した年の1月1日時点から5年を経過している場合は、長期譲渡所得として税率20%(所得税15%、住民税5%)になっています。売却した年の1月1日時点から5年が経過していない場合は、短期譲渡所得として税率39%(所得税30%、住民税9%)になっています。

日本でも中国でも住宅不動産の転売により、住宅価格相場が高騰しすぎないよう税金によって抑制しようと税率を調整しています。中国では保有期間だけでなく、建築面積(広さ)もキーポイントになります。(了)

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