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AUX(奥克斯)の電気湯沸しポット、安くて使いやすい

上海で生活をはじめてから約9ヶ月。ようやく電気湯沸し器を購入。購入したのは中国メーカーのAUX(奥克斯)製で、価格はたった69元(約1,380円)。中国製品はなぜ安いのか?その理由は余分な機能を徹底的に削減しているからだ。

1.電気湯沸かしポット

中国ブランドのAUX(奥克斯)

中国のネット通販大手の1号店(yhd.com)でAUX(奥克斯)の電気湯沸しポット(HX-128K5)を購入。購入価格はたった69元(約1,380円)。もっとも安い電気湯沸かしポットは29元(約580円)で販売されているものの、1号店の商品評価の状況をみてAUX(奥克斯)の2リットルタイプを購入。

ちなみに、日本メーカーの象印の電気湯沸しポットも販売されているものの、もっとも安いもので599元(約1万2,000円)。もうひとつの日本製ポットの有力メーカーであるタイガー(Tiger)の場合は、もっとも安いもので689元(約1万3,800円)。10倍近い価格差をみると、多くの消費者は価格の安い中国ブランドを選んでしまうだろう。

(写真1)AUX(奥克斯)の電気湯沸しポット(HX-128K5)、使いやすい

(写真1)AUX(奥克斯)の電気湯沸しポット(HX-128K5)、使いやすい

ネット通販大手の1号店とは?
1号店は2008年7月にスタートしたネット通販サイト。中国最大の食料品ネットスーパーと言われている。創業者の于剛(ユ・ガン)は武漢大学、ペンシルベニア州立大学卒。1号店を創業する前にアマゾン、デル(DELL)に勤務。

大容量の2リットルタイプ

このAUX(奥克斯)の電気湯沸しポットは2リットルタイプと大容量。じつは睡眠時に利用している湯タンポのお湯を沸かすために購入した。使い方は簡単で、水を入れてコンセントにプラグをさし、スイッチをオンにするだけ。ちなみに、日本でよく知られている湯タンポは中国語で「湯婆子(タンポーズ)」という。もともとは、中国の唐の時代に中国で発明されたものらしい。

AUX(奥克斯)とは?
AUX(奥克斯)は電力関係、家電、通信、不動産などの事業を行う中国企業。1986年設立。2014年の年間売上高は552億元(約1.1兆円)で、従業員はグループ全体で約2万人。子会社の三星電気は2011年に上海証券取引所に上場。
(写真2)シンプルなデザインのAUX(奥克斯)の湯沸かしポット

(写真2)シンプルなデザインのAUX(奥克斯)の湯沸かしポット

2.問題点は何か?

保温機能が付いていない

やはり低価格のものには足らない部分がある。まず、このAUX(奥克斯)の電気湯沸しポットには保温機能がついていない。スイッチを入れて湯が沸いてから、自動的に保温機能が作動するわけではない。もともと、この電気湯沸かしポットには、お湯を沸かすことしかできず、保温するような機能はついていない。

もうひとつは、日本でよく見る通常のポットであると、お湯が沸騰しても外側の湯沸し器自体は熱くなることはない。水筒と同じ保温性の高い魔法瓶の仕組みになっているからだ。このAUX(奥克斯)の電気湯沸しポットは見た目のとおり、まる裸(はだか)の状態でシルバーのステンレスの部分は熱くて触ることはできない。まさに、「湯を沸かす」という最低限の機能だけ残して、コスト低減を実現している製品だ。

(写真3)保温機能がついていない湯沸かしポット、まさに電気式やかん

(写真3)保温機能がついていない湯沸かしポット、まさに電気式やかん

中国のホテルにもある湯沸し器

中国人にとっては電気湯沸しポットというと、全体がシルバーのコップ型の形状をイメージするだろう。日本人と中国人のあいだでは電気湯沸かしポットのイメージはまったく違っている。

中国の200元(約4,000円)未満の格安ホテル(中国語では快捷酒店とよばれる)でも、最近では電気湯沸しポットは常備されている。中国人はあまりコーヒーを飲まないので、お茶やカップラーメンのお湯に利用されているだろう。

(写真4)如家連鎖酒店(浙江省海寧市)に設定されている湯沸かしポット

(写真4)如家連鎖酒店(浙江省海寧市)に設定されている湯沸かしポット

中国で電気湯沸かしポットを購入するときは、日本のような保温機能が必要かどうか検討してみると良いだろう。常に熱いお湯をポットに常備しておきたい人にとっては、低価格の電気湯沸かしポットを購入するとニーズを満たすことができない。いっぽう、それほど利用しない人にとっては低価格の電気湯沸かしで十分だろう。(了)

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