東莞市の歩行者天国(南城富民歩行街)、若者たちの憩いの場!
中国で若者たちが集まる人気スポットと言えば歩行者天国(中国語では歩行街)。広東省の東莞市(南城区)には、南城富民歩行街とよばれる全長1.8kmにおよぶ巨大な歩行者天国がある。中国の歩行街を知らずに中国は語れないだろう。
1.東莞市南城区の歩行者天国
若い出稼ぎ労働者たちのショッピングセンター!
中国の若者たちの出稼ぎ労働といえば広東省の東莞市(とうがんし)が有名だ。東莞市は深セン市(広東省)とならんで労働集約型の工場があつまり、中国の巨大な労働人口を吸収している工業都市。その東莞市中心部の南城区には、出稼ぎ労働に来ている若者たちの憩いの場、南城富民歩行街とよばれる歩行者天国がある。
出稼ぎ労働に来ている若者たちは収入が高いわけではない。彼らは高級な巨大ショッピングモールや百貨店で時間を過ごすよりも、歩行者天国で驚くような安い値段で売られているアパレル商品や雑貨を見ることのほうを好む。本当の中国人の動向を知るためには、歩行者天国のウォッチは欠かせない。
- 広東省の東莞市
- 東莞市は、広東省にある地方都市。広州市と深セン市のあいだに位置する。日本人のあいだで東莞(とうがん)や中国語読みのドンガン(Gongguan)と呼ばれている。2013年末の総人口は831万人。東莞市は自動車、電子部品などの製造業が多く、日系企業も多く進出している。中国のなかでも出稼ぎ労働にくる若者が多いことで有名。
2.南城富民歩行街の様子
朝イチは人通りが少ない、11時以降は人だかり!
朝9時くらいに南城富民歩行街を訪れると、残念ながら営業しているお店はまばらな様子。それでも、こんな朝早くから南城富民歩行街を散歩している若者たちもちらほら見かける。
2003年1月に開業した南城富民歩行街は全長1.8kmで、歩行者専用の大きな道の両端にはアパレルショップや飲食店が立ち並んでいる。南城富民歩行街は全長1.8kmで、上海市の有名な南京東路よりも200m長い。
人気急騰中の名創優品(MINISOU)も進出している!
いま中国で話題を集めるお店は雑貨・インテリア専門店の名創優品(MINISOU)。2013年9月に広州市(広東省)に初出店してから、約2年間でなんと1,100店舗以上まで拡大した急成長中の雑貨ショップだ。
たしかに、中国の街中で名創優品の袋をもっている人を見かける機会が増えている。名創優品の商品は10元~50元(約200円~1,000円)の価格帯が中心で、農村から出てきている出稼ぎ労働者でも購入できる値段だ。
- 雑貨・インテリア専門店の名創優品
- 名創優品(MINISO)は、日本人の三宅順也氏が首席統括デザイナーをしている10元ショップ。あくまでも日本品質を主張しており、ほとんどの製品は中国で生産されている。驚くような低価格で雑貨を販売しており、中国の若者に大人気。2014年末には中国本土で370店舗あまり展開されている。
スマホ部品から液晶保護シールの貼り付けまで!
中国の歩行者天国は、中国にある大型ショッピングモールと異なり、個人が経営する露店を目にすることも少なくない。スマートフォン用の液晶保護シールを貼りつける「貼膜(Tie mo)」業者を発見。日本では1,000円以上する液晶保護シールも、中国では10元~15元(約200円~300円)と格安だ。販売員は無料で貼りつけまでしてくれる。
中国で初めて見たベルトの専門店!
中国ではじめて見かけたベルト専門店。「特別生産と流行が共存している」と大きく標榜してるお店。予想外に繁盛しているようで、お客さんも集まっている。
中国には色々な顔がある。高級な巨大ショッピングモールでにぎわう様子や昔ながらの小売り店があつまる商店街まで。若者のあつまる歩行者天国も現在の中国を反映した姿のひとつ。日本人駐在員で中国の歩行者天国に行ったことがある人はそれほど多くないはずだ。
せっかく中国で生活しているので、週末に南城富民歩行街をブラブラしてみると新しい発見があるかもしれない。日本では見ることのない流行と昔ながらの中国が混ざり合った混沌とした世界もまた新鮮なはずだ。(了)