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中国の出前サービスは3社争い!美団外卖、餓了么、百度外卖

中国の大都市中心に利用者が増えている飲食店の出前サービス。現在、美団外卖、餓了么、百度外卖の3社で市場シェアの70%を占める。ビジネス街のランチ時間の飲食店に利用者が殺到するため、ゆっくり昼休憩をしたい人たちに大人気だ。

1.中国で人気の出前サービス

美団外卖、餓了么、百度外卖で市場シェア70%!

上海の街中で見かける機会が増えてきた出前サービスの配達バイク。中国の出前サービスは日本では見かけない新しいビジネスモデルだ。出前サービス会社が提供している専用アプリを使って、いろいろな飲食店の宅配メニューを注文することができる。その配達を出前サービス会社の配達スタッフが顧客に届け、顧客から配達料(2元~5元)を上乗せして徴収し、お店から売上高の10%~15%を徴収するというビジネスモデル。

現在、中国では美団外卖、餓了么、百度外卖の3社で市場シェアの70%以上を占めている。21CN科技の2016年5月12日の報道記事によると、美団外卖は32.3%の市場シェア、餓了么は27.1%、百度外卖は12.6%。上海の飲食店には、この3社のステッカーや看板が貼られているお店が少なくない。最近では、ひとつのレストランで3社すべてのサービスを利用しているお店もよく見かけるほど、熾烈な飲食店の獲得競争になっている。

(写真1)上海の街中でよく見かける美団外卖の専用バイク

(写真1)上海の街中でよく見かける美団外卖の専用バイク

中国の出前サービス「饿了么」
出前アプリ「饿了么」は、2009年4月に設立された上海拉扎斯信息科技有限公司が展開中。2013年の売上高は約12億元(約240億円)。ファーストフード店や食堂の出前仲介をベースに、レストランとのつながりを活用してクーポン活用による集客支援事業を展開している。

2.どこでも見かける出前サービスのバイク

上海など経済大都市中心に広がる出前サービス!

いまのところ、中国全土で出前サービスを利用できるわけではない。現在、北京、上海、広州、深セン、蘇州など一線・二線都市とよばれる大都市中心に中国の100都市くらいで事業展開されている。

上海では出前サービスの配達バイクをどこでも見かけるような状態だ。マクドナルドやケンタッキー、スターバックスコーヒーでも、出前サービスのスタッフが顧客から発注のあった商品を仕入れる姿が見られる。

(写真2)美団外卖の出前スタッフたち、毎朝、朝礼をしている

(写真2)美団外卖の出前スタッフたち、毎朝、朝礼をしている

中国の一線都市とは?
一線都市とは、中国のなかで不動産価格や所得水準などの生活レベルや物価の高い大都市のことを言う。明確な定義はない。中国語では「一線城市」 と書く。「第一財経週刊」という雑誌は2014年、一線都市に19都市を指定している。北京、上海、広州、深センなどは一線都市の代表。

いつのまにかトップシェア交代?

1年ほど前までは上海で出前サービスといえば餓了么だった。ところが、半年くらい前から美団外卖のスタッフの姿のほうを見かける機会が増えてきた。2009年4月にスタートした餓了么に対して、美団外卖は2013年11月は出前サービスに進出。百度外卖はさらに遅れた2014年5月から市場参入している。

美団外卖は親会社の美団網が飲食店やマッサージ店など向けの広告・仲介事業を行っているため、派生ビジネスとしての出前サービスの拡大がうまく行ったようだ。

(写真3)美団外卖に首位を奪われた出前サービスの餓了么

(写真3)美団外卖に首位を奪われた出前サービスの餓了么

中国人はなぜ出前サービスを利用するのか?

中国では、たとえ上海などの大都市であっても、日本ほどコンビニなどの持ち帰り弁当が普及していない。最近では、ローソン、ファミリーマートなどが弁当の販売に力を入れているものの、それらのコンビニ以外で弁当を購入できるお店はそれほど多くない。

そこで、昼食時には少し離れた飲食店からでもオフィスに届けてくれる出前サービスが人気を集めているというわけだ。以前は飲食店ごとに配達スタッフを抱えていたものの、出前サービスの登場で各飲食店は配達スタッフを雇用しなくてもよくなったというわけだ。一部、ケンタッキーやマクドナルドなどは自社で配達スタッフを抱えているお店も残る。(了)

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