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ラーメンもある中国の食其家(すき家)、低価格でじわり人気!

ラーメン、カレーライスなんでもありの食其家(すき家)。中国のローカルチェーン店を驚かせる低価格路線で、出店攻勢をかける。北京に注力する吉野家に対して、上海市・江蘇省に力をいれる食其家(すき家)。今後の展開は?

1.華東地区中心に展開する食其家(すき家)

中国国内で130店舗を展開!低価格で人気を集める

上海、蘇州、無錫などの華東地区を中心に見かけることが多い食其家(すき家)。北京、天津、広州などでも出店しているものの、店舗分布をみると圧倒的に華東地区にかたよっている。食其家(すき家)は、すでに中国国内で130店舗を展開している。

いっぽう、ライバルの吉野家は中国で300店舗以上を展開しているものの、北京214店舗、遼寧省(大連ほか)72店舗と圧倒的に北京周辺に集中して出店している。食其家(すき家)の多い上海市内では、吉野家はたった9店舗しか出店していない。まさに、北京周辺に注力する吉野家と上海周辺に強い食其家(すき家)という構図だ。

(写真1)蘇州の大きなショッピングモールでは、すき家を見かけることが多い

(写真1)蘇州の大きなショッピングモールでは、すき家を見かけることが多い

2.中国の食其家(すき家)の柔軟なメニュー

日本でも定番のカレー!

中国の食其家(すき家)にはカレーライス・メニューが用意されている。食其家(すき家)の店内にいると、カレーを注文している人が多いことに気が付くだろう。中国で日本風のカレーライスを20元(約350円)前後で食べれる店は食其家(すき家)しかない。

ちなみに、カレー専門店のCoCo壱番屋も中国で54店舗を出店している。CoCo壱番屋のカレーライスの一人前は35元(約600円)前後だ。CoCo壱番屋は40元を超えるメニューも豊富で、顧客単価の低い食其家(すき家)とターゲット層は少し異なる。

(写真2)食其家(すき家)のカレーライス・メニュー

(写真2)食其家(すき家)のカレーライス・メニュー

日本のカレーとは味が少し違う!

食其家(すき家)のカレーライスの味は日本で食べるものと少し異なる。中国人向けにアレンジされているためか、日本のカレーよりも水分が多い。

(写真3)食其家(すき家)のカレーライス、あまりドロッとしていない

(写真3)食其家(すき家)のカレーライス、あまりドロッとしていない

中国の食其家(すき家)にはラーメンがある!

食其家(すき家)にはラーメンも用意されている。中国で牛丼、カレーライス、ラーメンを1つの店舗で提供している大型チェーン店は食其家(すき家)しかないだろう。

中国では味千拉麺(ラーメン)という日式ラーメンを中心とした大型チェーン店があるものの、価格面では圧倒的に食其家(すき家)のほうが安い。

(写真4)食其家(すき家)ではラーメンも提供している

(写真4)食其家(すき家)ではラーメンも提供している

トムヤンクンのようなラーメンが中国人には人気!

食其家(すき家)のラーメンは中国風だ。日本風のラーメンではなく、中国人が好みそうなトムヤンクンのようなスープのラーメンとなっている。食其家(すき家)の牛丼メニューをみても、ローカライズされたものが並ぶ。

中国のファミリーマートやローソンで販売されている、おでん(関東煮)を見ても、日本の味をそのまま持ってきたら流行するというわけではないことがわかる。中国人としては日本のコンビニで販売されている、おでんの味は口に合わないようだ。中国では火鍋(中国式の鍋料理)のスープで煮込んだような、おでん(関東煮)の味になっている。

(写真5)食其家(すき家)のトムヤンクンのようなラーメン

(写真5)食其家(すき家)のトムヤンクンのようなラーメン

3.食其家(すき家)の店内のようす

カウンターよりもテーブル席が多いのが特長!

中国の食其家(すき家)では、カウンター席よりもテーブル席が多い。中国人はあまりカウンター席になれていないので、テーブル席を増やしたのだろうか。食其家(すき家)の店員は座席まで注文を取りに来てくれる。日本の食其家(すき家)のような効率を重視した店舗デザインには、いまのところなっていない。

(写真6)食其家(すき家)の店舗のようす(蘇州市)

(写真6)食其家(すき家)の店舗のようす(蘇州市)

中国の外食料金はどんどん上昇していて、20元(約350円)以内で食べれるお店はそれほど多くない。とくに、北京、上海、広州などのビジネス街では15元くらいで昼食を食べれるレストランは見つからないのが現状だ。

そのような状況下、イタリアン(洋食)のサイゼリヤや食其家(すき家)が登場し、中国人のあいだでじわり人気になっている。中国の大都市では住宅価格が上昇したことにより、ショッピングモールや百貨店のテナント料はびっくりするほど高くなっている。

ほかのレストランは30元~40元(約500円~700円)ほどでランチを提供しているので、なおさら食其家(すき家)の低料金は魅力的に見える。このまま食其家(すき家)の快進撃は続くのだろうか。(了)

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