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蘇州市中心部の賃貸住宅、改めて考える賃貸時の注意点!

北京、上海、広州、深センなどの大都市を中心に驚くほどの住宅価格になっている中国。これらの都市では1か月の家賃をみても日本以上の物件も少なくない。ただ、これらの超大都市を除くと、まだまだ現実的な住宅価格の都市も少なくない。

1.中国の不動産は高騰しているのか?

蘇州市なら繁華街近く2500元~3000元で2DK賃貸!

中国の住宅価格が高騰していると言われているものの、すべての都市で驚くような価格をつけているわけではない。北京、上海、広州、深センなどの一線都市とよばれる超大都市であれば、日本の3LDKに相当するマンションで1億円を超える物件も少なくない。それらの都市を除くと、まだまだ3,000万円以下で3LDKのマンションの一室が購入できる状況だ。

上海市のとなりにある蘇州市では、繁華街の近くでもそれほど高騰した住宅価格にはなっていない。高速鉄道が停車する蘇州駅から2駅はなれた石路駅(石路歩行街という歩行者天国が有名)から徒歩10分くらいの住宅街では1,500万円~2,000万円くらいで2LDKの中古住宅が販売されている。

賃貸であれば2DKで1か月家賃2,500元~3,000元が相場だ。かりに上海の同じような立地の物件であれば、5,000元~6,000元(8.5万円~10万円)くらいしてもおかしくない。高速鉄道で約30分移動するだけで、驚くほど住宅価格(含む賃貸価格)に違いがでるのが今の中国の姿だ。

(写真1)蘇州市の石路駅周辺の賃貸住宅、家賃は月2,200元程度

(写真1)蘇州市の石路駅周辺の賃貸住宅、家賃は月2,200元程度

江蘇省の蘇州市
江蘇省の蘇州市は、5つの市轄区である呉中区、相城区、姑蘇区、虎丘区、呉江区と、4つの県級市である常熟市、昆山市、張家港市、大倉市を管轄している。蘇州市全体(含む県級市)の総人口は1,046万人(2013年末)。蘇州市の総面積は8,488k㎡で広島県(8,478k㎡)と同等で、東京都の約4倍。日本人滞在者数は約1万人。

2.築年数の古い建物は格安

しっかりした内装であれば築年数が古くても問題なし!

蘇州市の石路駅周辺の賃貸物件をのぞいてみると、1か月あたり2,000元(約3万2000円)前後で2DKの住宅も賃貸可能だ。ただし、築年数が古い階段式の住宅だ。中国では古い住宅であっても、内装工事が新しければ不自由を感じることはない。

むしろ、新築物件であっても適切な内装工事でなければ、水漏れから電気不具合までトラブルが続出してしまう。ほとんどの古い建物でもインターネット回線が通じており、基本的なインフラ整備はすべて整っている。

(写真2)中国の賃貸物件では家具付きが一般的(蘇州市)

(写真2)中国の賃貸物件では家具付きが一般的(蘇州市)

契約前に大家(オーナー)に確認と交渉!

中国で気に入った賃貸物件を契約する場合、まずは大家(オーナー)に不動産登記資料(房産証)を見せてもらおう。大家の身分証と不動産登記資料の名義人の名前が一致していることを確認しないと、ニセ大家が又貸しして差額を自己の利益として徴収している違法賃貸のケースがあるからだ。このような違法賃貸の場合、ニセ大家が徴収した保証金(敷金)が戻ってこないリスクもあるので注意が必要だ。

また、賃貸契約をする前に、エアコン、洗濯機、冷蔵庫などの家電製品に問題ないか確認することを忘れてはいけない。念のため、居住しはじめて家電製品に不具合があれば、すぐに大家に連絡をいれて修理を要請したほうがよい。その他、カーテンなど必要な備品を無料で設置してくれるか交渉することも可能だ。

(写真3)カーテンなどは交渉次第で設置してくれる

(写真3)カーテンなどは交渉次第で設置してくれる

賃貸物件を探すときは仲介手数料の確認を忘れずに!

中国で賃貸物件を探す場合、ポータルサイトの58同城、百姓網、捜房網などのインターネットサイトで個人(物件オーナー本人)が募集する賃貸物件を見つけることも可能だ。

ただ、圧倒的に多いのは賃貸物件を紹介する仲介業者を通して探す方法。希望する住宅街の近くで仲介業者を見つけ、希望する住宅に空き部屋がないか確認する。中国ではこの方法がもっとも効率的に希望する場所で空き部屋を見つけれるはずだ。

その際、仲介業者に仲介手数料の料率確認を忘れてはならない。蘇州市内の場合、貸主と借主で1か月分の家賃の手数料を折半(50%ずつ負担)する方法が一般的であるが、賃料の低い物件であれば借主が全額負担するケースも少なくない。仲介手数料の減額を交渉するよりも、むしろ、仲介業者に大家との家賃の減額を交渉してもらったほうがいい。仲介業者のモチベーションを維持した上で、1年くらいの期間で考えると費用減になるはずだ。

(写真4)築年数が古い物件でも内装は新しい(蘇州市)

(写真4)築年数が古い物件でも内装は新しい(蘇州市)

日本から駐在員として赴任している人は賃料で悩むことは少ない。いっぽう、中小企業や個人事業主として中国で奮闘する人にとっては住宅探しが中国生活のスタート。日本人は築年数が古い物件を避けがちかもしれないが、コストパフォーマンスの高さを考えると無視できないはずだ。(了)

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