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中国の分譲マンションの管理組合、業主委員会とは?

中国の区分所有建物(いわゆる分譲マンション)にも、日本の管理組合に相当する組織があります。業主委員会という組織です。では、中国で耳にする物業管理会社(または物業服務会社)と業主委員会の関係はどうなっているのでしょうか?

1.中国の分譲マンション所有者の組織

管理組合に相当する業主委員会

日本で分譲マンションである区分所有建物を購入すると、通常は所有者で組織される団体、いわゆる管理組合がつくられます。これは日本の区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)の第3条で定められています。

中国にも日本と同じように区分所有建物である分譲マンションにおいて、所有者によって組織される管理組合に相当する組織があります。中国語では業主委員会(业主委员会)と呼ばれています。

業主大会という総会

中国の区分所有である分譲マンションでは、物業管理条例(2007年10月改正施行)にもとづいて管理組合の運営が規定されています。中国の分譲マンションの所有者による組織では、業主大会という呼ばれるマンション所有者の総会が最高機関として設定されています。この業主大会のなかで、分譲マンションの管理規定などが定められる仕組みになっています。

この業主大会は定期大会と臨時大会の2つに分かれています。この分譲マンションに住んでいる人は自動的に業主大会に参加する権利があります。臨時大会は全体の20%以上の人が臨時大会の開催を提起すると開催される仕組みになっています。

業主委員会という理事会組織

この業主大会は言ってみれば企業の株主総会のようなものです。大きな方針を多数決で決めたり、分譲マンション管理の重要なことに関する議題を決議します。日常的な運営に関しては、理事会組織に相当する業主委員会とよばれる組織がおこないます。

まさに日本の分譲マンションにある総会と理事会の関係と同じです。中国でも分譲マンションの共有部分を維持修理するための修繕積立金がありますので、業主委員会が日常的な管理を行っています。

2.業主委員会と物業管理会社

日本のマンション管理人に相当する物業管理会社

日本で分譲マンションに住んでいるとマンション管理人がいるところも少なくないでしょう。中国のマンションに住んでいると、物業管理会社とよばれる組織にマンション管理費を支払うことが一般的です。では、分譲マンションの所有者の代表で組織される業主委員会と物業管理会社の関係はどうなっているのでしょうか?

中国の業主委員会はあくまでも分譲マンションの所有者の代表組織です。日常的な共有部分の管理や治安管理のための保安員などの手配は、マンション管理会社である物業管理会社が行っています。この日常管理のために支払う費用が物業管理費とよばれる毎月の費用です。

中国の物業管理費とは?
中国の物業管理費は日本のマンション管理費に該当します。部屋の建築面積に単価をかけて決められることが一般的です。たとえば、建築面積100㎡で単価2.0元/㎡であれば毎月200元(約3,300円)の物業管理費が発生します。

もし分譲マンションに住んでいる人が物業管理会社のサービスに不満をもっている場合、業主大会で物業管理会社の変更を行うことも可能です。しかし、なかなか実務的には変更は難しいようです。(了)

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