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中国の分校とよばれる大学、どのような大学なのか?

中国で教育をうけたことがない日本人にとっては中国の教育や学校システムを理解する機会はなかなかない。中国の高校や大学入試、そして大学のシステム。ときどき目にする中国の有名大学の「分校」。一体どのような位置づけなのだろうか?

1.中国には分校という名の大学がある

分校と校区(キャンパス)の違い

中国には分校とよばれる大学がある。たとえば、北京師範大学珠海分校や華中師範大学漢口分校などの有名大学の学校名がついた分校。中国にある分校は、どのような位置づけの大学なのだろうか?

中国にある分校という名称の大学は、日本人のイメージからすると別の校区(キャンパス)の大学を考えてしまう。しかし、中国の分校は別の校区(キャンパス)という位置づけではなく、本校から完全に独立した大学だ。

これらの分校は、有名大学である本校とパートナー関係をもち、本校のノウハウや教員を活用している展開していることが多い。この分校の形態は、中国では独立学院とよばれている。このような独立学院は2012年末時点で全国に303校が存在している。

分校の卒業証書はどうなるのか?

この分校を卒業すると卒業証書はどうなるのだろうか?本校の卒業証書がもらえるのだろうか?この独立学院とよばれる大学運営は1999年からスタートしており、2002年入学の学生までは本校の卒業証書がもらえていた。

しかし、教育部の規定により、2003年に入学した学生から卒業証書は独立学院、学士学位証は母体大学が発行することに変更になった。2008年4月からは卒業証書と学士学位証ともに独立学院が発行することとなっている。

2.どのような分校がある?

北京師範大学珠海分校

北京師範大学珠海分校は2001年に広東省珠海市に北京師範大学と広東省珠海市が提携して設立された大学。北京師範大学は211プロジェクトとよばれる中国の一流大学にも選ばれている。

ただし、北京師範大学と分校は学生募集から学校運営まで完全に独立した運営をおこなっている。つまり、独立学院として運営されている。

北京師範大学と分校では入学時にもとめられる学力が異なっている。中国の大学に入学するには、日本の大学センター入試に相当する普通高等学校招生全国統一考試(以下、高考)とよばれる大学入試を受験しなければならない。

中国の高考とは?
高考は毎年6月に行われている中国の大学入試。正式名称は普通高等学校招生全国統一考試という。受験科目は国語、数学、外国語、総合科目(または選択科目)の4科目が多い。地域によって配点や科目に違いがある。

中国の受験生は高考の点数により志願できる大学が制限されている。北京師範大学は第一批本科とよばれる最低足切り点数を上回らなければならないが、独立学院である珠海分校は第二批本科とよばれる足切り点数を上回れば志願することができる。

華中師範大学漢口分校(現在は漢口学院)

華中師範大学漢口分校は2000年に湖北省武漢市に設立された大学。2011年に漢口学院と大学名を変更している。この大学も北京師範大学珠海分校と同じで、中国で独立学院とよばれる大学に相当する。

ここ数年は有名大学の名称をつかった独立学院が民営大学に変換するケースがでている。この華中師範大学漢口分校もそのひとつ。現在では漢口学院という大学になっている。(了)

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