中国の大学受験の高考、一体どんな仕組みなのか?
中国では毎年6月に大学入試である高考とよばれる大学受験が行われている。中国では、どのようなタイミングで受験申請したり、志願する大学を選んでいるのだろうか。上海市を例にして、その流れをたどって理解を深めていく。
1.高考の受験スケジュールは?
半年も前から受験登録をする
中国の大学に入学するためには、毎年6月に行われている高考とよばれる大学入試を受験する必要がある。高考の正式名称は普通高等学校招生全国統一考試。日本の大学入試センター試験に相当する試験だ。
中国の高考の受験手続きはどのようになっているのだろうか?2014年6月7日と8日に行われた上海市の高考をみると、つぎのスケジュールになっている。
- 2013年11月25日から26日、インターネットで受験登録をおこなう。
- インターネットでの手続きが完了した受験生は2013年12月2日から4日のあいだ、各地区に設置された申込み場で、受験登録の再確認と受験料の支払いをする。
- 高考を受験するまえの2014年5月中旬、受験生は入学を希望する大学本科、大学専科(大専)を志願順位をつけて申し込む。
- 6月7日、8日に高考を受験する。
- 6月26日午後20時にインターネット上でテスト結果(点数)が公表される。
- 2014年7月下旬、1回目の志願で合格できなかった受験生は、追加募集を出している大学専科(大専)を選んで再志願をおこなう。
上海の高考の受験費用は、受験登録費の25元(約410円)に加えて、受験1科目あたり26元(約430円)の受験料が必要になる。
上海では高考を受験する前に志願先を決めなければならない
中国の高考は、中国の各省(自治区、直轄市)によって大学の志願方法に違いがある。「受験のまえの志願(考前)」「受験のあとの点数が公表される前の志願(考後估分)」「受験のあとの点数が公表された後の志願(考後出分)」の3つの方法がある。
上海で採用されているのは「受験のまえの志願(考前)」。6月の高考を受験するまえの5月中旬には、どの大学を志願するか決めなければならない。
本番の高考で実際に何点とれるか事前の模試試験などで予測しておき、高考の本番試験のまえに希望の大学を志願しなければならない。上海市内すべてで採用されている方法で、上海市内の受験生のあいだに不公平は発生しない仕組み。
2.大学受験のテスト内容は?
上海の文系も理系も4科目
中国では大学受験で何の科目を求められるのか?上海の文系の学生は、国語、文系数学、外国語、文系選択科目(政治、歴史、地理から1科目選択)の合計4科目を受験する。
国語150点、文系数学150点、外国語150点、文系選択150点の満点600点のテストになっている。中国では文系の学生であっても、数学の試験は必須になっている。北京などでは文系選択科目ではなく、文系総合という300点の科目をくわえた満点750点の試験になっている。
上海の理系はどうか?上海の理系の学生は、国語、理系数学、外国語、理系選択科目(物理、科学、生物から1科目選択)の合計4科目の試験となっている。中国では日本と違って理系の学生のほうが多い。理系の学生はほとんどの学部・専攻(文系の学部など含めて)を志願することができるので文系よりも競争が少しおだやかだと言われている。(了)