中国の住宅販売の必須資料、5つの証明と2つの書類(五証二書)
中国の住宅マンションを購入する場合、いくつか理解しておくべきポイントがあります。もっとも重要なポイントは、中国の法律で求められている行政許可証や証明書を取得している不動産開発会社・住宅物件であるか見極めることです。
1.中国の住宅販売
住宅販売で必要になる資料とは?
中国で法律に基づいて住宅の建設販売を行う場合、不動産開発業者にとって五証二書とよばれる合計7つの資料が必要になります。中国で分譲マンションを購入する側にたって考えると、五証二書をしっかりと確認することで違法な不動産物件に関わってしまうリスクを抑えることができます。具体的にこの五証二書とは、どのような資料でしょうか?
2.住宅販売の5つの証明書
日本と中国で住宅売買の商習慣は異なる
中国では未完成マンションと完成済みマンションの大きく2種類の分譲マンションが販売されています。日本で新築の分譲マンションを購入するときは、完成前から不動産売買契約を締結して手付金を支払いますが、不動産開発業者への住宅購入代の支払いは現物物件の引渡し時になります。日本には未完成の段階でマンションを引き渡すという商習慣・法律はありません。
いっぽう、中国では期房または預售房とよばれる未完成マンションの売買は合法的に可能です。完成済みの分譲マンションは現房とよばれ、大都市の人気物件であれば完成前の期房の段階で完売してしまいます。
未完成物件を販売するために必要な5つの証明書
中国で合法的な住宅建設・販売を行うためには、次の5つの証明書(五証)が必要になります。
- 建設用地規劃許可証(建设用地规划许可证)
- 建設工程規劃許可証(建设工程规划许可证)
- 建築工程施工許可証(建筑工程施工许可证)
- 国有土地使用証(国有土地使用证)
- 商品房銷售許可証/預售許可証(商品房销售/预售许可证)
中国では建設用地規劃許可証と建設工程規劃許可証がなければ、国有土地使用証は取得できません。商品房銷售許可証(または預售許可証)は、建設用地規劃許可証、建設工程規劃許可証、建築工程施工許可証の3つの証明書がなければ取得できません。
中国で合法的な分譲マンションを購入する者としては、国有土地使用証と商品房銷售許可証(または預售許可証)の2つの証明書を確認しておけば問題ないでしょう。この2つの証明書が取得できていない分譲マンションはあとで問題が発生して建設中止または建設延期になる可能性もゼロではありません。
3.重要な2つの書類
不動産売買契約の補足資料になる2つの書類
中国で分譲マンションを購入するときは、日本と同じように不動産売買契約を締結します。五証二書のうち、二書に該当する2つの書類は不動産売買契約の補足資料とも言われています。「住宅質量保証書」と「住宅使用説明書」の2つです。
この2つの書類は、分譲マンションの物件引渡し時に不動産会社から必ず受け取るようにしましょう。「不動産質量保証書」は、不動産開発会社の販売物件の品質に対する法律的な効力のある保証書です。この保証書に書かれている内容に従って、不動産開発会社の販売物件に対する品質の保証責任が発生します。この保証書のなかに、外壁や床などの保証責任期間も明記されていることが一般的です。
もうひとつの「住宅使用説明書」は、分譲マンションの購入した部屋の具体的な仕様概要が記載されています。購入した分譲マンションは、「住宅使用説明書」と同じ設計になっていなければなりません。(了)