中国本土と香港の自動通関(eチャンネル)の現状は?
中国本土と香港を行き来するときに自動通関(eチャンネル)を利用すると出入境手続きは大変便利。この出入境手続きは中国本土側と香港側で2回行われる。現在、一定の条件を満たす日本人の対象者は香港側のみ自動通関の手続きが可能だ。
1.中国本土と香港のあいだの自動通関
香港国際空港のフリークエントビジターカードは不要?!
広東省の中国本土と香港を行き来するときに厄介なのは出入国管理局(イミグレーション)の手続き。じつは3年ほど前に香港国際空港で取得したフリークエントビジターカード(HKIA Frequent Visitor Card、FVC)をつかって、香港側の出入国管理局で利用できるeチャンネル(e-Channel)を登録して、自動ゲートを通ることができるようになっている。
このフリークエントビジターカード(FVC)の取得方法は、12ヶ月のあいだに香港国際空港を3回以上利用した実績があれば申請することができる。香港政府のホームページによると、現在はフリークエントビジターカードを取得していなくても、12ヶ月間に香港国際空港を3回以上利用した実績があれば直接eチャンネル(e-Channel)を香港の出入国管理局で申請できるようになっている。
フリークエントビジターカードを取得する必要がなくなり、以前よりも手続きが1つ少なくなっている。香港国際空港のホームページの解説によると、香港の出入国管理局はフリークエントビジターカードがなくても、12ヶ月間に香港国際空港から3回以上の入国を確認できる体制(システム)になったからだと思われる。2012年6月8日からフリークエントビジターカードの受付・発行を終了(中止)と公表されている。
香港側のeチャンネル、いろいろな取得方法
これまで説明してきたのは、あくまでも中国本土と香港の自動通関(eチャンネル)で、中国本土側ではなく香港側の自動通関の話。中国本土から香港に行く場合、中国本土側で出国(正確には香港は国ではないので出境)の手続きをして、香港側で入国の手続きをする。中国本土側のeチャンネルではないので誤解しないように。
香港側のeチャンネル(e-Channel)を登録するためには、香港国際空港の利用(12ヶ月に3回以上)だけでなく、ANAやJALなどの航空会社のプレミアムメンバーになっていても手続きができる。
2.中国本土側のeチャンネル
日本人は自動通関(eチャンネル)を登録できるのか?
ここからは中国本土側の出国・入国時のeチャンネル(e-Channel)の話。日本人はeチャンネルの手続きができるのだろうか?結論から言うと、99%以上の日本人は中国本土側のeチャンネルを利用できない。
おっ、もしかしてここで手続きできる?
中国本土側の出入国管理局がある羅湖口岸で、自動通関(eチャンネル)が登録できそうな自助査験信息採集中心(センター)という場所を発見。もしかして、外国人である日本人も自動通関(eチャンネル)が利用できるようになっていないだろうか?
手続き条件を見てみると?
ここにある自動通関(eチャンネル)の適用できる人の条件を見てみると、「外国パスポートを持っている人」と記載が?!手続きの受付に言ってみると、「外国人はダメだよ」と担当者に言われる。
もう一度よく条件を見てみると、「8.外国パスポートと中国の永久居留証を持っている外国人」と書かれている。中国の永久居留証(つまり永住権)を持っている外国人しか申請できない。中国で永住居留証をもっている日本人は、中国人と結婚して永住居留証の取得条件を満たしている少数の対象者だけだろう。
中国本土側のシステムがもう少し整ってきたら、中国で居留許可証を持っている人は自動通関(eチャンネル)を利用できるようにしてほしい。いまのところ、日本人にとっては中国本土側では窓口に並んで、香港側ではeチャンネルを利用するというのが一番効率的な方法のようだ。
ちなみに、香港側でeチャンネルを利用するメリットは自動で手続きをできるだけでなく、パスポート(旅券)に香港側の判子が増えないのでパスポートの捺印スペースの節約になることもメリット。この利点は成田空港や関西空港などで導入されている自動ゲートと同じだ。(了)