中国の少数民族、どんなことで漢族より優遇されているのか?
中国は56の民族が集まっている。中国全体の人口の90%以上を占める漢族をはじめ、そのほかの55の民族は少数民族と言われている。じつは中国の少数民族は漢族よりも多くの点で優遇されている。具体的にどのような点で優遇されているのか?
1.中国の少数民族
どのような少数民族がいるのか?
中国には56の民族がいる。中国の人口の90%以上を占めている漢族をのぞいた55の民族を少数民族とよぶ。人口の大部分を占めている漢族に対して、少数であるという意味で少数民族とよばれている。少数民族のなかで、もっとも人口が多いのはチワン族。チワン族の人口は1,600万人以上もいる。
この少数民族は1980年後半に55の民族に確定するまで、民族分類の特定にかなり苦労したといわれている。1953年に行われた人口調査のときには400以上のことなる名称の民族をすこしずつルーツをたどりながら55の少数民族に集約された。
56の民族に識別されない民族も
ただし、現在でも55の少数民族に分類されない未分類の民族も存在する。2000年の人口調査のときには74万人が未識別民族とされている。そのうちの67万人は貴州省におおく住む「穿青人」とよばれる民族であるが、いまのところ未識別民族となっている。
どこに住んでいるのか?
中国の少数民族はどの辺に住んでいるのか?中国には少数民族の自治地域とよばれる行政区域があり、その自治地域に7割以上の少数民族住んでいる。
もっとも大きい自治地域の区分は自治区(省や直轄市に相当)とよばれる5つの地域がある。新疆ウイグル自治区、内モンゴル自治区、広西チワン族自治区、寧夏回族自治区、チベット自治区の5つ。この自治区よりも小さい行政区域である自治州や自治県とよばれる地域もある。
2.少数民族に対する優遇
進学や就職の優遇
中国の少数民族は進学において漢族よりも優遇されている。中国の高校入試である中考や大学入試である高考において、多くの地域で政策性加点とよばれる制度が設けられている。漢族と少数民族がおなじ点数だった場合、政策性加点がうけれる少数民族が有利になる。
少数民族は進学だけでなく、公務員試験でも地域によっては加点政策がとられている。
結婚の優遇
少数民族は漢民族よりも結婚のルールがゆるい。中国の婚姻法によると、中国人の結婚できる年齢は男性22歳、女性20歳となっている。少数民族の場合は、男性20歳、女性18歳で結婚することができる。
出産の優遇
中国は人口をコントロールするために計画生育制度をとっている。この計画生育制度は1971年よりはじまった。中国では法律できまっている結婚可能年齢よりも3年遅く結婚することを晩婚とよぶ。中国ではこの晩婚を奨励している。
1980年からは日本でよく知られている一人っ子政策がスタートした。この計画生育に関しても、少数民族は優遇されており2人以上の子どもを出産することができる。(了)