中国の生活、ビジネスに役立つ情報を発信するサイト

万達広場(東莞市東城区)、中国で成功し続けるショッピングモール!

中国で勝ち組のショッピングモールと言えば万達広場(WANDA PLAZA)。中国の不動産開発大手の大連万達集団が中国国内132か所で展開している複合施設。広東省の東莞市では、圧倒的な集客力により空きテナントがほぼゼロの活況ぶりだ。

1.失敗しない万達広場(WANDA PLAZA)

地域住民の憩いの場、顧客が集まる万達広場!

東莞市(広東省)の市内中心部の東城区にある万達広場(WANDA PLAZA)。中国の地方都市では現在、数多くのショッピングセンターや百貨店がテナント募集に苦戦しているなか、万達広場は週末になると朝から多くの顧客であふれ、空き店舗がほとんどない中国でめずらしい勝ち組のショッピングモールだ。

このショッピングモールを運営する大連万達集団は、中国国内に132の万達広場を出店している。なぜ、万達広場には顧客が集まるのだろうか?

(写真1)先進的な外観デザインの万達広場(広東省・東莞市)

(写真1)先進的な外観デザインの万達広場(広東省・東莞市)

大連万達集団
大連万達集団は、全国に130を超えるショッピングモール「万達広場(WANDA PLAZA)」を中心に、マンション、ホテル、映画館の事業を行う。2014年度の売上高は2,424億元(約4兆8千億円)。1988年に設立。董事長は王健林、1954年生まれ。

2.東莞市東城区の万達広場

豪華な外観と内装、ひと昔前の百貨店とは異なる!

万達広場は外観も内側も、これまでの中国で主流だった昔ながらの百貨店とはまったく異なる。万達広場の外観はオシャレなデザインで、店内には吹き抜けがあり広々とした雰囲気がつくられている。中国の昔からある百貨店の店内は暗い雰囲気があるだけでなく、衝動的なウインドウショッピングを呼び込むようなお店全体のワクワク感がまったくなかった。

いっぽう、万達広場はショッピングだけでなく、飲食から映画、ゲームセンターまでそろっていて、あっという間に半日くらい万達広場で過ごしてしまうだろう。とくにショッピングに来たわけでないのに、衝動的に気にいったモノを買ってしまう雰囲気がつくられている。

(写真2)吹き抜け設計の万達広場(東莞市東城店)、明るい店内

(写真2)吹き抜け設計の万達広場(東莞市東城店)、明るい店内

中国で勝ち続けるユニクロ、中所得層を狙う!

東莞市内の商業施設にはユニクロはそれほど多く出店されていない。いまのところ、東莞市中心部のここ万達広場(東城店)と南城区にある商業施設、そして少し離れた東莞市長安鎮の万達広場の3店舗にだけ出店している。中国人の平均所得の上昇にともない、ユニクロは東莞市内のほかの商業施設にも、さらに出店してくるものと思われる。

中国のユニクロの店内をみていると、日本国内ほどの混雑はない。現在のところ、中国人の中間層の所得とユニクロ製品の販売価格に少しギャップがあると考えている。いまのユニクロの販売価格をみると、中国ではちょっと高めのアパレル販売店という位置づけだ。この見方を変えると、ユニクロはまだまだ中国市場で成長する余地があると言えるだろう。

(写真3)万達広場(東莞市東城店)にあるユニクロのようす(広東省・東莞市)

(写真3)万達広場(東莞市東城店)にあるユニクロのようす(広東省・東莞市)

UNIQLO(ユニクロ)
UNIQLO(ユニクロ)は2015年8月末時点、中国国内で387店舗を展開している(日本国内は841店舗)。中国語でユニクロは「優衣庫」という。中国のユニクロは、割安なアパレルショップというよりも、高品質を求める中間所得層がターゲットになっている。現在、為替レートや増値税(消費税に相当)を考慮すると、日本のユニクロのほうが同じ製品は安い。

ファミリー世帯もターゲット、リピートしたくなる仕組み

万達広場はたんなるショッピングセンター、百貨店ではない。映画館やゲームセンターをそなえ、週末になると来店したくなる施設がそろっている。また、万達広場には大型のスーパーマーケットも入店しており、周辺に住んでいる人たちは毎日利用する仕掛けになっている。

(写真4)小学生以下の子どもも楽しめるゲームセンター(広東省・東莞市)

(写真4)小学生以下の子どもも楽しめるゲームセンター(広東省・東莞市)

オープンテラスのお店も多い、万達広場の商業歩行者天国!

最近の万達広場では、周囲に商業歩行者天国が併設されている。そこには基本的に、オープンテラスの座席をそなえた飲食店が出店している。中国のショッピングセンターや百貨店のレストランといえば、外の様子がわからない地下階に飲食店エリアがあるところが少なくない。

万達広場も店内に飲食店エリア(フードコート)をそなえているものの、商業歩行者天国として開放感のあるオープンテラス型で出店できるエリアも用意している。万達広場はショッピングモールの勝ち組として、中国人にマッチしたビジネスモデルを引き続き成長させている。

(写真5)万達広場の商業歩行者天国のようす(広東省・東莞市)

(写真5)万達広場の商業歩行者天国のようす(広東省・東莞市)

中国では上海などの大都市であっても、テナント誘致に苦戦している商業施設や百貨店は少なくない。とくに、アパレル関連の実店舗はネット通販におされて、実店舗を出店してもなかなか採算がとれないのが実情だ。この10年くらいの中国の不動産価格の上昇にともない、店舗テナントの賃料も驚くほど高くなっている。

中国の地方都市には無理やり大型ショッピングセンターを建設した結果、半分くらいのテナントを誘致できていないところもある。いっぽう、万達広場はショッピングモールの周辺に居住用マンションやオフィスを建設も行い、かならず顧客が集める仕組みを導入している。万達広場のひとり勝ちはいつまで続くのか?(了)

top of page