北京や上海の中古住宅価格、ビックリするくらい高い!
北京や上海などの中国の大都市の住宅価格を知っていますか?市内中心部の3LDKになると、1億円以上するマンションは少なくありません。中国の建物はそれほどお金がかかっているように見えませんので、土地使用権の高騰でしょうか。
1.中国の大都市の住宅は高い!
中国指数研究院の不動産統計データより住宅価格を知る
中国の不動産価格は地域によって大きなバラツキがあります。中国の不動産価格の動向を知る場合、不動産関係のシンクタンクである中国指数研究院が発表している統計データが参考になります。
中国指数研究院が発表している2014年9月の「中国房地産指数系統百城価格指数報告」によると、2014年9月時点で中国で不動産価格が高い都市は北京市です。北京市の1㎡あたりの平均販売価格は32,281元(約53万円)です。もし100㎡のマンションを購入したとすると、なんと323万元(約5,330万円)もします。
- 中国指数研究院とは?
- 中国指数研究院とは、中国房地産協会と国務院発展研究センター(政府機関)などによって1994年に設立されたシンクタンク。中国の不動産や住宅に関する研究を専門的におこなっている。インターネット不動産仲介サイトの捜房網が運営する捜房研究院と2004年合併しており、捜房網と関係が深い。
さきほどの北京市の1㎡あたりの平均販売価格は32,281元(約53万円)というのは、あくまでもサンプリングされた販売住宅の「平均価格」です。北京市といっても郊外の辺鄙(へんぴ)なところもありますので、市内中心部であればビックリするような住宅価格になっているのが実態です。
北京市(1位)のつぎに上海市(2位)も住宅価格が高い
北京市のつぎに平均販売価格が高い上海市では2014年9月時点、1㎡あたりの平均販売価格は31,859元(約53万円)で北京市とほとんど変わりません。上海市内中心部の徐匯区にある2LDK(93㎡)のマンションですと、なんと575万元(約9,500万円)もしてしまいます。ほとんど1億円ですよ。
しかも、中国の面積はあくまでも建築面積です。室内面積ではありませんので、エレベーターホールなどの共有部分の配分される所有分も建築面積には含まれています。
- 建築面積とは?
- 建築面積とは、実際に利用できる部屋の面積に共有スペース(共有廊下、エレベーターホールなど)の分配された面積です。中国の高層マンションでは建築面積の70%~80%が使用面積(部屋の面積)といわれています。
2.中国は住宅バブルなのか?
中国の都市ごとに事情がことなる
中国の住宅価格が高い北京市、上海市、深セン市などの不動産価格をみるとビックリしてしまいますね。中国には住宅価格が高い都市を中心に一線都市という都市の分類があります。
- 中国の一線都市とは?
- 一線都市とは、中国のなかで不動産価格や所得水準などの生活レベルや物価の高い大都市のことを言います。明確な定義はありません。中国語では「一線城市」 と書きます。「第一財経週刊」という雑誌は2014年、19都市を指定しています。北京、上海、広州、深センなどは一線都市の代表。
これらの住宅価格が高騰している一線都市の住宅がバブル(実態以上に住宅価格が高騰しすぎている)かどうかは難しいところです。もし、その都市に住んでいる人の現在の平均所得から計算すると高騰しすぎている(つまりバブル)でしょうが、10年後や20年後の将来の平均所得から計算するとバブルかどうか判断が難しいところです。
つまり、バブルをどのように定義するか次第です。上海市であれば2030年ごろまでは人口増加の見込みのようですし、これからも当面の平均所得がますます上がっていくでしょう。これから住宅価格はどうなるのでしょうか。
北京市や上海市など日本のように特急や快速などの鉄道や電車が発展して、1時間半くらいで通勤できる郊外のベッドタウンがたくさんできれば住宅価格はさがってくるかもしれませんね。中国の地下鉄は各駅停車で遅いのが難点ですね。(了)