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外国人投資家は100兆円も日本株をもっていた!

財務省の統計データによると、外国人投資家は100兆円以上も日本株をもっている。400兆円規模の日本株式市場で、外国人の影響力はすさまじい。公表されているデータから、外国人投資家の利益を推計する。

1.日本の海外投資家の規模はどのくらいか?

日本経済新聞によると、2013年3月末の外国人投資家の日本株持ち株保有比率は28.0%。つまり、上場している株式企業の3割近くは、外国人投資家がもっている。

(2013年6月20日付、日本経済新聞電子版)

日本株、海外勢の保有比率が最高の28% 3月末
東京証券取引所などが20日発表した2012年度の株式分布状況調査によると、3月末時点の外国人の日本株の保有比率(金額ベース)は28.0%と最高になった。

東京証券取引所(以下、東証)が発表している株式時価総額(統計資料)によると、2013年3月末の株式時価総額は365兆円である。単純に推計すると、この365兆円の28%にあたる102兆円分の株式を、外国人投資家はもっていることになる。

株式時価総額
ここでの株式時価総額は、東証1部・2部、マザーズ、JASDAQの上場株式の合計額である。名古屋や福岡などにも株式市場があるが、取引規模は小さい。

財務省が公表している「対外資産・負債残高」というデータでは、2013年3月末の外国人の日本株保有残高は105兆円となっている。私の推計する102兆円と、公表されている105兆円に大きな差がないので、この105兆円を外国人投資家の日本株投資残高と考えてよいだろう。

2013年12月末の株式時価総額は478兆円で、同じ12月末の外国人の日本株保有残高は147兆円(以下、補足)なので、外国人保有比率は31%である。外国人の日本株保有比率は、2013年3月よりも増えている。

(補足)財務省の「対外資産・負債残高」(1次推計)より

【株式市場の国内投資家と海外投資家の状況】

①国内投資家 ②海外投資家 合計(①+②)
13年3月 260兆円
(72%)
105兆円
(28%)
365兆円
(100%)
13年12月 331兆円
(69%)
147兆円
(31%)
478兆円
(100%)

(出所)財務省および東証の公表データより作成

2.外国人投資家、42兆円の増えた内容は?

外国人の2013年12月末の日本株保有残高は、2013年3月末の105兆円から42兆円も増えて147兆円になっている。その内訳は、外国人投資家のさらなる株式の買い越しと、株式市場の相場上昇分である。

この株式相場の上昇は、アベノミクス(安倍政権による一連の経済政策)によって、投資家は株価が上がるという期待感をもった結果、みんなが儲かると思って日本株を買い増し、結果として株を買う人が(株を売る人よりも)多くなって株価は上昇した。

(2014年1月14日付、ブルームバーグ電子版)

13年海外勢の日本株買越額、15兆円超え最大-個人売りも記録
2013年の日本株市場で、海外投資家の買越額が年間で15兆円を超え、過去最大に膨らんだ。

ざっくり42兆円から買い越し額の15兆円(2013年)を差し引くと、差額27兆円も外国人投資家は日本株で含み益をだしたことになる(あくまでも、ざっくりとした計算)。2012年の日本の年間税収は44兆円。外国人投資家は、いつかは日本株を現金化して、自分の国にお金を持って帰りたいと思うのでは?そのとき、日本の株式市場はどうなっているだろうか。(了)

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