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上海市で有名な斜土東路、靴・シューズの卸売市場

上海市内で有名な靴の卸売市場をはじめて見学しました。上海市内中心部にある斜土東路(黄浦区)周辺に広がるマーケットです。広州(広東省)や温州(浙江省)にある巨大な靴や靴材料のマーケットを予想していたのですが・・・・。

1.上海で有名な斜土東路

靴・シューズの問屋街

上海市の黄浦区には斜土東路という靴やシューズの卸売販売で有名なところがあります。中国で靴の製造というと、広州市(広東省)、温州市(浙江省)、泉州市(福建省)が有名です。もしかして、上海市にも大きな靴の製造拠点があるのかと期待を持って見学に行ったのですが・・・。

実際のところ、この斜土東路にある上海大都鞋類批発市場などは、ほかの地域で製造された靴・シューズの販売代理店が集まったマーケットでした。

(写真1)上海市黄浦区にある斜土東路、靴の問屋市場が集まっている

(写真1)上海市黄浦区にある斜土東路、靴の問屋市場が集まっている

なかなか市場内で写真は撮れない

この斜土東路の近くには、上海大都鞋類批発市場や斜土鞋業批発市場などの集合マーケットがあります。この集合マーケットのなかに、小さな販売代理店がたくさん出店しています。これらの販売代理店のなかには製造工場を持っていると話す店舗もありましたが、詳しい話をしてみると工場をもっていない店舗も少なくありません。

中国の卸売市場などでは写真撮影は基本的に禁止されています。どうしても撮影したいときは店舗スタッフの許可を得てから撮影したほうが良いでしょう。一度、許可を得ずに撮影していると、店舗スタッフから画像を消去するようにきびしく要求されたこともあります。

(写真2)忙しそうな販売店、上海市郊外などから靴を買い付けに来ている

(写真2)忙しそうな販売店、上海市郊外などから靴を買い付けに来ている

2.上海は靴の製造拠点ではない

上海市周辺・郊外の小売への卸販売

上海には大きな靴の製造工場は集まっていません。やはり、広州、温州などが靴の製造で有力な場所です。上海市の嘉定区にある曹安公路には、曹安国際商城を中心にアパレル、靴、雑貨などの卸売市場が集まっていますが、あくまでも靴に関しては販売代理店という形で出店されています。

斜土東路にある販売代理店は、小売店への卸売販売だけでなく一般消費者への販売も行っています。紳士靴の場合、小売店などへの卸売価格が180元(約3,600円)であれば、一般消費者へは280元~300元(約5,600円~6,000円)で販売されています。すでに日本と比べて、中国で販売されているアパレル製品や靴・シューズはけっして格安とは言えなくなってきています。

(写真3)ネット通販の発展のなかで根強い問屋を通した卸売販売

(写真3)ネット通販の発展のなかで根強い問屋を通した卸売販売

これからどうなっていくのか?

中国の街中の衣類や靴の販売店はどうなっていくのでしょうか?日本でも20年ほど前までは商店街のなかに小さなアパレル販売店や靴屋がありましたが、今ではずいぶん少なくなってきています。

実店舗ではユニクロやZARAなどの大手チェーン店が、デザイン企画から製造販売までを行うSPA方式(speciality store retailer of private label apparel)により低価格で商品を販売されていますし、中間業者(問屋)を介さないインターネット通販も広まってきています。

(写真4)卸売市場のなかは顧客よりもスタッフのほうが多い(上海市黄浦区)

(写真4)卸売市場のなかは顧客よりもスタッフのほうが多い(上海市黄浦区)

上海では日本以上に街中の小さなアパレルショップや靴屋を目にしますが、それほどお客さんが買い物しているという印象はありません。中国でも製造工場~卸売市場~小売販売店という商流にも少しずつ変化が出ていることでしょう。実際によく見てみると空き店舗もチラホラ目につく状態です。(了)

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