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中国で中古マンション購入、手続きの基本的な流れは?

中国には新築マンションだけでなく、もちろん中古マンションも流通しています。新築マンションであれば不動産開発会社から購入しますが、中古マンションの場合は不動産仲介会社を通すだけでなく、個人間で売買をすることも可能です。

1.中国の中古分譲マンション

中国の中古マンションとは?

中国のマンションには新築マンションだけでなく、中古マンションも当然あります。中国の中古マンションは、不動産取引センター(房地産交易中心)とよばれる不動産登記を管理している公的機関ですでに初期登記という手続きが行われている住宅物件です。この初期登記とは、中国の分譲マンション(区分所有マンション)としての初めての不動産登記です。

中国で分譲マンション(区分所有マンション)が完成すると、その部屋を引き渡されてから90日以内に不動産登記を完了しなければなりません。これは「城市房地産開発経営管理条例」という条例の第33条に明記されています。この中古マンションには、日本で言う新古マンション(新築分譲マンションの売れ残り)も含まれています。中国で新古マンションは「存量房(ツンリャンファン)」と言われ、販売待ちの状態ですが不動産登記は完了されています。

2.中古住宅を購入するときの流れは?

気に入った中古物件を発見する

中国でも日本でも中古分譲マンションの売買手続きに大きな違いはありません。自分が気に入った物件を発見し、納得できる購入価格で売主(物件オーナー)と合意することです。中古マンションの探し方は、インターネットで中古不動産の紹介を行っている捜房網58同城百姓網などや中原地産などの不動産仲介会社のインターネットサイトで見つけることも可能です。

また、中国で不動産登記を行う不動産取引センター(房地産交易中心)でも中古マンション情報が掲載されています。上海などの不動産取引が活発な地域であれば、不動産仲介会社を介さずに個人間で中古マンションの売買を考える物件オーナーも少なくありません。上海の不動産取引センター(房地産交易中心)であれば、個人間での取引を希望する物件オーナーを見つけることもできます。

中古マンションの見学と「産調」、そして売買契約

中古マンションを購入するときは、もちろん物件自体の見学は欠かせません。物件見学を通して気に入った物件があれば、購入価格について物件オーナーと相談することになります。この物件見学をしたあとは、中国では「産調(チャンディアオ)」とよばれる不動産登記情報の確認が必須です。

この「産調」は、建物と土地使用権の所有権の確認をさす「産権調査」のことです。この「産調」は、対象となる分譲マンションの地域を主管している不動産取引センター(房地産交易中心)で行うことができます。ちなみに、不動産取引センターは中国の公的な機関で、日本の不動産関係の権利登記を扱っている法務局の役割を担っています。

この「産調」を行い、その中古マンションは合法的に売買できるか確認します。とくに問題なければ、物件オーナーと売買契約を締結することになります。

不動産取引センターで売買手続き、納税

物件オーナーと中古マンションの売買契約を締結すると、不動産取引センター(房地産交易中心)で売買手続きの審査を受けます。これは「城市房地産転譲管理規定」(2001年8月改正)という法律の第7条で明記されています。これは不動産登記の名義変更という手続きではなく、売買自体の妥当性や売買価格についての審査です。基本的に営業日7日以内に結果が通知されます。

この不動産取引センター(房地産交易中心)での審査で問題なければ、契約税など関連する税金を納税します。もし、不動産取引センターが売買価格が市場価格に対して不当に低すぎると判断した場合は、見なし評価額で売買された前提で納税することになります。

不動産登記の名義変更と支払い

中古マンションの売買に関する納税が完了すると、不動産登記の名義変更を行います。この名義変更を行う前に、住宅ローンの借入が必要な購入者は、金融機関に住宅ローンの申請を行います。もちろん、ここまでに金融機関と住宅ローンの可能限度額などを相談しておく必要があります。

中古マンションの建物と土地使用権の名義変更が完了すると、基本的に一括で購入代金を支払います。住宅ローンを申請した人は、名義変更完了のタイミングで、金融機関から売主に代金が振り込まれます。この名義変更により中古マンションの引き渡し完了となります。中古マンション代金の支払うタイミングは、日本の中古マンション売買と同じ引渡し時(名義変更時)となっています。(了)

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