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使い捨てカイロ「ホッカイロ」、中国で小林製薬に勝てるか?

中国の使い捨てカイロ分野で圧倒的な知名度を誇っているのは「ブルーレットおくだけ」や「熱さまシート」などで有名な小林製薬。じつは小林製薬の使い捨てカロだけでなく、日本で昔から有名な「ホッカイロ」も中国で販売されている。

1.中国の足裏カイロ

いまのところ小林製薬(桐灰化学)がリードか?!

上海の冬場はけっして暖かいものではない。足元から冷えてくる。日本を離れていた数年間のあいだで、日本では足裏に貼るカイロが一般的な商品として流通するようになっている。中国ではインターネット通販サイトの1号店(yhd.com)京東商城(JD.com)で足裏カイロは販売されている。

いまのところ、中国の足裏カイロという製品分野では、小林製薬の「暖宝宝(ヌアン・バオバオ)」はダントツの知名度になっている。そもそも、インターネット通販サイトにおいて、足裏カイロという商品分野名は「暖宝宝」という小林製薬の商品名で検索表示されるようになっている。中国語では「使い捨てカイロ=暖宝宝」という認識が広がっている。

「暖宝宝(ヌアン・バオバオ)」とは?
「暖宝宝(ヌアン・バオバオ)」とは、小林製薬が中国で展開している使い捨てカイロの商品名。小林製薬は2001年、使い捨てカイロ大手の桐灰化学(大阪市淀川区)を買収。2003年に中国市場に進出。使い捨てカイロの分野では世界シェアトップ。
(写真1)中国のローソン(LAWSON)で販売されている使い捨てカイロ(上海市)

(写真1)中国のローソン(LAWSON)で販売されている使い捨てカイロ(上海市)

2.興和(KOWA)も参入

「和快熱」というブランド名で展開

中国市場に先行している小林製薬以外にも、大々的なCMで胃腸薬のキャベジンコーワを製造販売している興和(KOWA)も中国の使い捨てカイロに参入している。興和(KOWA)は2014年1月、「ホッカイロ」(商品名)を展開していた日用品メーカーの白元(東京都台東区)の「使い捨てカイロ」の事業買収を行っている。

中国で展開している商品名は「和快熱(ハァー・クアイ・ラー)」。なんとなくだが「ホッカイロ」と同じような発音のような気もする。そもそも、「ホッカイロ」が商品名ということを知らない人も少なくないだろう。まだ参入が浅いためか、ネット通販の1号店や京東商城ではほとんど販売されていない。

(写真2)「ホッカイロ」の商品名で展開している興和(KOWA)の使い捨てカイロ

(写真2)「ホッカイロ」の商品名で展開している興和(KOWA)の使い捨てカイロ

ネット通販の1号店とは?
1号店は2008年7月にスタートしたネット通販サイト。中国最大の食料品ネットスーパーと言われている。創業者の于剛(ユ・ガン)は武漢大学、ペンシルベニア州立大学卒。1号店を創業する前にアマゾン、デル(DELL)に勤務。

日本で製造したものを輸入している

上海のローソン(LAWSON)で販売されている「ホッカイロ」の裏側を見てみると、日本から輸入していると書かれている。そもそも、「ホッカイロ」のパッケージ自体も日本で販売されているモノと同じ。パッケージの上から、最低限必要な部分だけ中国語表記のラベルを貼り付けている。

(写真3)上海で販売されている「ホッカイロ」の裏側の表示

(写真3)上海で販売されている「ホッカイロ」の裏側の表示

これから「ホッカイロ」はどうなるのか?

これから「ホッカイロ」は浸透していくのだろうか?悩ましいのは、中国の同業他社も日本語表記で商品を販売していて、残念ながら中国で日本製品という強みがあまり目立っていない。消費者としては「ホッカイロ」に頑張ってもらって、高騰している足裏カイロの価格を押し下げてほしい。

コンビニやネット通販を見るかぎり、小林製薬の「暖宝宝」が圧倒的シェアトップで販売価格においても重要な位置づけに立っている。現在の市況では3足セット(3回用)の「暖宝宝」はだいたい20元(約400円)。興和(KOWA)の5足セット(5回用)の「ホッカイロ」は25元(約500円)で販売されている。日本のドラッグストアの販売価格の2倍くらいだ。もう少し安くならないだろうか。(了)

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