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美的のオイルヒーター、10Aと16Aの異なるコンセント!

中国で美的(Midea)の暖房オイルヒーターを購入したところ、差込プラグと電源コンセントのサイズが一致しない。中国に5年以上住んでいて、はじめて電源コンセントには異なる規格があることを発見。中国の家電購入時には注意が必要だ。

1.上海の冬は寒い

エアコンの暖房とオイルヒーター、消費電力は?

中国の冬は寒い。1年ちょっと前まで住んでいた中国南部の広東省でも、12月~2月くらいまではけっこう寒くなる時がある。広東省の分譲マンションに設置されているほとんどのエアコンは、冷房機能しかなく、暖房機能はついていない。いっぽう、上海で賃貸したアパートのエアコンには暖房機能もついている。

エアコンの冷房や暖房を利用すると、その消費電力はけっして少なくない。夏場に冷房をつけていると、通常は1ヶ月あたり100元(約2,000円)以内の電気代が、夏場には400元(約8,000円)に跳ね上がっていた。もしかして、オイルヒーターのほうがエアコンの暖房よりも消費電力は少ないのではないだろうか?ちなみに、中国語でオイルヒーターは油汀(you ting)という。

(写真1)ネット通販サイトの京東商城(JD.com)で購入したオイルヒーター

(写真1)ネット通販サイトの京東商城(JD.com)で購入したオイルヒーター

美的(Midea)のオイルヒーター

インターネット通販のなかで家電販売に強いと言われている京東商城(JD.com)で、中国メーカーである美的(Midea)のオイルヒーター(NY2513-13E)を購入。価格は499元(約1万円)。重量はなんと16kgもある。日本のアマゾン(Amazon)でオイルヒーターの価格を見てみると、そもそも日本ではあまり販売されていない。中古品が1万円前後で販売されているものの、新品の商品はそれほど販売されていない。

ネット通販の京東商城とは?
京東商城は中国最大手の自社販売型のネット通販サイトを展開している。2013年の売上高は693億元(約1兆1,400億円)。創業者の劉強東(リュウ・チャンドン)が1998年に設立。2014年5月にベンチャー向け株式市場である米ナスダックに上場。
(写真2)美的(Midea)のオイルヒーター(NY2513-13E)、けっこう重い

(写真2)美的(Midea)のオイルヒーター(NY2513-13E)、けっこう重い

家電大手の美的集団とは?
美的集団は1968年に何亨健(ハ・シャンジエン)が広東省仏山市で創業。従業員は15万人。深セン証券取引所に2013年に上場。総合家電メーカーとして、冷蔵庫、テレビ、エアコン、洗濯機などを生産している。2013年の売上高は1,210億元(約2兆円)。製造拠点はベトナム工場をのぞいて、すべて中国国内で製造している

2.中国の電源コンセントのサイズ

差込プラグと電源コンセントが一致しない!?

この美的(Midea)のオイルヒーターは組み立てることもなく、梱包された箱から出すだけ。あとは電源コンセントにプラグを差すと稼働する。ところが、オイルヒーターのプラグと電源コンセントのサイズが一致せずに差し込むことができない。同じような3つの差し口(三極式)であるものの、プラグのほうが一回り大きくて、明らかに電源コンセントにはまらない。

(写真3)プラグとコンセントのサイズが一致しない

(写真3)プラグとコンセントのサイズが一致しない

中国の2つの差込プラグの規格、10Aと16A

このプラグと電源コンセントの不一致を調べてみると、中国の三極式(3つマタ)のコンセントには10Aと16Aという2つの規格があることがわかった。一般的に用いられているのは10Aという規格。これは中国の電圧220ボルトに電流10Aをかけて、最大2,200W(ワット)の出力容量を利用できる。もうひとつの16Aは、電圧220ボルトに電流16Aをかけて最大3,520W(ワット)と大容量で利用できる。

今回購入した美的(Midea)のオイルヒーターは最大2,500Wの出力容量と表示されているので、オイルヒーターのプラグはその出力容量にマッチした16Aになったようだ。中国で家電製品を購入するとき、2,200Wの出力容量を超えている家電製品のプラグは16Aになっている可能性が高いので注意が必要だ。

(写真4)購入した10Aから16Aに変換するコンセント(20元=約400円)

(写真4)購入した10Aから16Aに変換するコンセント(20元=約400円)

けっきょく、近くの雑貨店で10Aから16Aに変換するコンセントを20元(約400円)で購入。こんなことなら最初から10Aのプラグが利用できるオイルヒーターを買っておけばよかった。日本ではプラグとコンセントのサイズは統一された規格(JIS C 8303 2極コンセント 15A 125V)だけなので、購入時に迷うことはない。

快適に利用できない!?

1ヶ月ほど快適に利用していると、変換コンセントが壊れてしまった。もともと、10Aの電源コンセントに無理やり変換して出力容量の大きいオイルヒーターを利用しているので、過大な負荷がかかったのかもしれない。とにかく、火事など出火しなくてよかった。

(写真5)変換コンセントを使わないと利用できないオイルヒーター

(写真5)変換コンセントを使わないと利用できないオイルヒーター

中国の部屋にはなぜか電源コンセントが多い。ふと、いつも座っているところの後ろを見てみると、16Aのコンセントが隠れていた。日本と違って10Aと16Aというプラグ、コンセントの違いがあるので、家電購入前に利用する予定場所の電源コンセントの規格(サイズ)を確認したほうがよいだろう。(了)

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