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中国の事業単位とは何か?事業単位人事管理条例が施行

中国には現在、事業単位とよばれる団体に3,153万人が働いている。この事業単位は全国に111万団体あると言われている。この事業単位と密接に関係する2014年7月に施行された「事業単位人事管理条例」とは、どのような条例なのか?

1.事業単位の雇用契約は3年未満はダメ

中国の事業単位とは何か?

中国には事業単位(Institutional Organization)とよばれる団体が存在する。社会のために事業を行い、経済的利益の追求を行わない団体だ。おもに教育、科学技術、文化、衛生管理などの活動がおこなわれている。日本の独立行政法人や特殊法人に該当する組織。

有名な事業単位では、人民日報社、求是雑誌社、新華通信社、中国科学院、中国社会科学院、国務院発展研究中心などがある。

事業単位で働くひとの権利保証が手厚く

以前の「事業単位で行われる人事採用制度意見に関する通知」に比べて、新しい通知は事業単位で働く人の合法的権利の保障に力を入れている。一般募集を通して雇用された職員は、新しい条例の適用を受ける。事業単位と一般企業と同じように労働契約を締結して雇用された職員は、この新しい条例が適用されるのではなく労働契約法の適用を受ける。

事業単位が職員と締結する雇用契約の期間は、通常は3年を下回ってはいけないことになっている。はじめて就職する社会人は、事業単位と3年以上の雇用契約を締結する。試用期間は12ヶ月間とされている。

2.労働契約法と似ている人事管理条例

試用期間が設定される

はじめて就職する社会人とは、大学の新卒者を指していて使用期間を12ヶ月間としている。3年未満の雇用契約の試用期間について、この条例では明記されておらず、労働契約法にもとづいて1ヶ月から6ヶ月間で設置されることになる。

事業単位で10年以上勤務し、法定定年退職の年齢まで10年に満たない職員は、定年退職までの雇用契約を締結しなければならない。これは労働契約法の無期雇用労働契約に相当する。

事業単位で働く職員が15日間連続で欠勤したり、1年間の欠勤の累計日数が30日を超えば場合、事業単位は雇用契約を解除することができる。以前は10日間連続の欠勤や年間20日間の欠勤だったため、以前より解雇の条件が高くなっている。

3.事業単位と雇用者の雇用契約解除の明文規定

雇用解除の条件

事業単位は、(1)年度評価に不合格で配置転換に応じない雇用者(2)年度評価を2年間不合格の雇用者に対して、解雇する30日前に書面で通知することで解雇することができる。自由に評価する期間を設定できる企業と異なり、事業単位は1年間を評価期間としなければならない。

そのため、能力不足の職員を解雇するには、最低2年間は必要になる。30日前の書面通知は法定義務であり、金銭によって30日前の書面通知を省略することはできない。雇用者が離職する場合、別途取り決めがなければ、30日前に書面で事業単位に通知することで雇用契約を解除することができる。

雇用契約の解除や終了すると、事業単位は雇用者に経済補償金を支払わなければならない。1年につき1ヶ月分の標準給与を経済補償金として支払う。6ヶ月以上で1年未満の雇用期間は1年間として計算する。つまり1ヶ月分。6ヶ月未満は半月分として計算する。この標準給与は契約解除までの12ヶ月間の平均給与とする。(了)

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