上海市内から昆山市（江蘇省）への移動、高速鉄道の和諧号

江蘇省の昆山市をご存知でしょうか？上海市から高速鉄道の和諧号でたった20分足らずの場所にある都市です。あたらしく上海市に進出する企業にとって、上海市内よりも大幅にコストをおさえて投資できる有力な候補地のひとつでしょう。

１．上海から昆山は驚くほど近い

たった20分の距離で不動産価格が大きく下がる

上海市内から江蘇省昆山市まで高速鉄道の和諧号に乗ると、たった20分足らずで移動することができます。中国政府の政策によっては、住宅やオフィス賃料が高騰している上海から昆山市に企業が移ってきてもおかしくありません。

江蘇省の昆山市とは？

昆山市は、上海市と江蘇省蘇州市のあいだに位置する県級都市。昆山市は江蘇省蘇州市に所属。上海市と昆山市のあいだは高速鉄道の和諧号により20分弱で移動できる。上海虹橋空港から42km、上海浦東空港から92kmに位置する。人口は164万人。

賃貸マンションの家賃を比べると、上海市内で1.5万元（約25万円）くらいする３LDKの高級マンションであれば、昆山市中心部では4,500元（約7.4万円）くらいで借りることができます。

上海にくらべて大幅に不動産価格やその家賃が低くなるということは、中国人スタッフの住宅費の負担が少なくなります。これにより、中国人スタッフの給与相場を上海よりも低く抑えることもできるでしょう。

高速鉄道が到着するのは昆山南駅

昆山市には２つの列車の駅があります。１つは通常の列車用に使われている昆山駅。もう１つは高速鉄道用の昆山南駅です。この２つの駅自体もそれほど離れていません。タクシーで３分くらいの距離です。

日本人のあいだでは新幹線と呼ぶ人も

日本人のなかには和諧号のことを「新幹線」と呼ぶ人もいます。この高速鉄道である和諧号の最高時速は350kmと言われています。昆山から上海に戻るときに、車両内のスピード表示を見ていると時速168kmとでていました。あくまでも最高時速が350kmということでしょう。

日本の新幹線も最高時速は300kmと言われていますが、なかなか時速200km以上は出せないようです。この和諧号の速度から考えると、まさに中国版の「新幹線」と言われていても違和感はありません。実際に乗車した感覚として、日本の新幹線に乗っている感覚と大きな違いはありません。

中国の和諧号とは？

和諧号は2007年からスタートした中国の高速鉄道。CRH（China Railway High-speed）とも呼ばれ、日本語では「中国高速鉄道」。現在の中国高速鉄道は、シーメンス（ドイツ）、川崎重工（日本）などの海外技術をもとに、中国が独自開発したとされている。最高時速350km/h。

２．高速鉄道「和諧号」のチケット購入

和諧号のチケットはインターネットの購入が便利

この高速鉄道である和諧号のチケットにかぎらず、中国国内の列車チケットの購入はインターネットサイトの12306.comが便利です。中国の鉄道部門が運営している公式サイトです。ただし、このサイトを利用するためには中国国内の銀行でインターネットバンキングを開設している必要があります。

外国人は駅の窓口でチケットの受取が必要

インターネットサイトで購入しても、実際のチケットの受取りは列車の駅にあるチケット販売窓口か販売代理店になります。外国人は中国でカード式の居民身分証という身分証明書を持っていませんので、自動販売機（または自動チケット受取機）を利用できません。かならず窓口でパスポートをみせて、列車チケットの受取をおこなう必要があります。

３．高速鉄道「和諧号」の列車内は？

まさに日本の新幹線のような快適さ

この和諧号の座席は、日本の新幹線と同じように２座席用と３座席用の二列が並んでいます。座り心地も日本の新幹線と違いはほとんどありません。

走行速度が表示板に出ている

和諧号の座席にすわって前をみていると、表示板に走行速度が出ています。このときの走行速度は時速168km。上海市内の中心部から昆山市のあいだは50km～60kmくらい離れていますので、20分足らずで到着するというのも納得です。

上海市と昆山市の移動はたった20分ですが、利便性が改善されれば今以上に行き来が便利になるのですが。いまのシステムでは乗り遅れたら、そのチケットを使って次の和諧号に乗ることはできません。地下鉄のように気軽に乗車できるようになれば、昆山市の経済的地位は大幅にアップすることでしょう。（了）