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浙江省の温州市の様子は?都会と田舎の間の微妙な街なみ!

中国の浙江省にある温州市は、900万人の人口を持つ大都市と言えるだろう。ただし、温州市の中心部は、北京、上海、広州などの国際都市とくらべると、まだまだ田舎の雰囲気が残っている。いったい、街の様子はどのようなものだろうか?

1.総人口900万人の温州市

都会のような田舎のような街並み

浙江省の温州市とはどのような街なのだろうか?ときどきニュースなどで都市名を耳にすることはあるものの、実際に温州市を訪れたことがある日本人はそれほど多くないはずだ。この温州市の中心部を歩いてみると、都会のような雰囲気はあるものの、北京や上海などの大都市とくらべると10年くらいは遅れている街の雰囲気だ。

温州市内中心部にある高層ビルはどれも築20年くらいで、新しい近代的なシティではない。家電量販店の前を通ると、熱心に路上で家電を販売している人たち。販売員の数も多く、ひと昔まえの中国といった雰囲気が残っている。顔が黒く焼けた農村や郊外から出てきている出稼ぎの人の割合は、上海や広州よりも多い。

(写真1)温州市内の目抜き通りの人民中路の家電量販店の前の様子

(写真1)温州市内の目抜き通りの人民中路の家電量販店の前の様子

浙江省の温州市とは?
温州市は、浙江省の三大都市(杭州市、寧波市、温州市)のひとつ。総人口は919万人(2013年末)。中国のなかで商才に長けた温州人は「中国のユダヤ人」とも呼ばれる。世界各地に温州出身の華僑も多いと言われている。温州市内は大都会というわけでなく、中国の地方都市という雰囲気。上海から温州まで高速鉄道(新幹線に相当)で約4時間半。

中国でめずらしい2階建バス(ダブルデッカー)

温州市内には地下鉄は通っていないので、市内の移動は公共バスが中心となる。ふと通りをみると、中国で目にしたことのない2階建の公共バスが走っている。

(写真2)中国でめずらしい温州市内を走る2階建バス

(写真2)中国でめずらしい温州市内を走る2階建バス

2.温州市内のスターバックス

スターバックスは豪華な雰囲気!

温州市の中心部である鹿城区にはスターバックスコーヒーが3店舗あり、どの店も大人気だ。中国では地方都市であってもスターバックスコーヒーの人気は根強い。温州国際大酒店に隣接しているスターバックスコーヒー国際店に入ると、普通のスターバックスの店内よりも派手な内装になっている。

中国のスターバックスでは基本的にどの店舗でも無線LAN(WiFi)を無料で利用できる。中国の旅行中にインターネット回線を利用したいときはスターバックスに駆け込むとよいだろう。

(写真3)温州市にあるスターバックス国際店の様子、豪華な雰囲気

(写真3)温州市にあるスターバックス国際店の様子、豪華な雰囲気

中国のスターバックス
中国のスターバックスは1999年1月、北京の国際貿易センターに1号店をオープン。中国本土の60以上の都市で1,000店舗以上を展開している。なお、日本のスターバックスは1,034店舗(2014年3月末時点)。

3.温州市内の街路樹

中国でよく見られる石灰クリーム(消石灰)を塗った街路樹

温州市内を歩いていると、中国の他の都市でも見かける白く塗られた街路樹が目にとまる。だいたい1メートルくらいの高さまで白く塗られている。これは街路樹の防水や防虫(抗菌)のため、石灰クリーム(消石灰ともよばれる)が塗られている。石灰クリームはいわゆる風雨からの防水性を高めるための素材である漆喰(しっくい)に相当する。

難波蓮太郎工学院大学名誉教授(日本漆喰協会顧問)が消石灰を紹介するなかで、海外での利用事例として街路樹の適用を紹介している。この街路樹に石灰クリームで塗ることは、中国だけでなくベトナム、ヨーロッパ諸国でも行われている。

(写真4)日本で見ることのない石灰クリームが塗られた街路樹(温州市)

(写真4)日本で見ることのない石灰クリームが塗られた街路樹(温州市)

石灰クリームを塗るのは1メートルくらいまで!

ただ、中国のいくつかの都市では電柱まで白い石灰クリームで塗っているケースもあり、景観の統一や夜間の車道と歩道の境である目印としての効果もあると言われている。

(写真5)石灰クリームが塗られる高さはほぼ統一されている(温州市)

(写真5)石灰クリームが塗られる高さはほぼ統一されている(温州市)

中国の地方都市を見て回っていると、日本以上に公共事業として景観維持に力を入れていることがわかる。中国の総人口100万人以上の中規模都市では、いまでは街なかにゴミがあふれている状況を見ることは少ない。北京、上海、広州、深センなどの大都市の大通りでは、大量の清掃員が街並みの維持にあたっている。(了)

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