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中国で展開する「すき家」、価格も味もよいのに客が少ない!?

中国に進出している牛丼店は吉野家だけではない。すき家も進出している。すき家は中国国内で83店舗を展開し、多くの店舗は上海にある。上海以外で生活している日本人には進出していることを知っている人はそれほど多くないだろう。

1.中国で拡大する「すき家」

中国では「食其家」という店名で展開中!

中国で日系飲食店の「牛丼」といえば、1992年から中国で展開している「吉野家」が有名だ。しかしながら、よく注意して上海や蘇州の街なかを探してみると、日本でゼンショーホールディングスが展開している「すき家」も上海を中心に展開している。このすき家の看板を見てみると、日本で見かける看板と大きな違いはない。ちなみに、中国ですき家は「食其家(シーチージャー)」という店舗名で展開している。

(写真1)上海駅近くの太平洋百貨店の地下にあるすき家(上海市閘北区)

(写真1)上海駅近くの太平洋百貨店の地下にあるすき家(上海市閘北区)

すき家は2005年1月に上海に進出し、現在は北京、天津、蘇州、無錫、南京、上海、杭州、杭州などで83店舗を出店している。ただし、多くの店舗は上海に集まっており、その他の地区はこれから拡大していくものと思われる。いっぽう、吉野家(中国)のホームページによると、2013年末で304店舗も展開している。

2.中国の「すき家」のメニューは?

価格面で「吉野家」よりも安い!

中国のすき家は安い。吉野家の「牛丼」の並が17元(約340円)に対して、すき家では14元(約280円)で提供している。中国系で丼ぶりを提供しているファーストフード店の真功夫永和大王と比べても圧倒的な安さだ。中国ですき家が販売している「牛丼」は味も悪くない。日本人も満足できる味だ。

(写真2)中国のすき家のメニュー、日本では見かけないようなメニューも!

(写真2)中国のすき家のメニュー、日本では見かけないようなメニューも!

分かりやすいサイズ表示!

中国のすき家で販売されている「丼ぶりのサイズ」は、小碗(小盛り)、中碗(並盛り)、超値碗(大盛り)、超大碗(特盛り)の4つのサイズ。

(写真3)すき家の丼ぶりのサイズ、中碗(並盛り)の量も多い(上海市閘北区)

(写真3)すき家の丼ぶりのサイズ、中碗(並盛り)の量も多い(上海市閘北区)

3.なぜかお客さんは少ない!?

出店場所は悪いのだろうか?

中国で価格も味も悪くない「すき家」はかなり流行していると思いきや、店内にはまったくお客さんが入っていない状況。すき家に来たのは晩御飯時で、お客さんが満席であってもおかしくない時間帯。中国のマクドナルド、ケンタッキー(KFC)、真功夫、永和大王などの有名なファーストフード店とくらべると、すき家の店舗は目につきやすい場所にほとんど出店していない。

(写真4)すき家の麻婆茄子牛丼(並盛り、20元)、かなり美味しい

(写真4)すき家の麻婆茄子牛丼(並盛り、20元)、かなり美味しい

すき家が出店しているところをみると、それほど人気の高くないショッピングモールや百貨店の地下飲食街に入っていることも少なくない。中国に住んでいる日本人も、吉野家が中国に進出していることを知っていても、すき家が進出していることはあまり知らないだろう。

(写真5)晩御飯時にガランとしたすき家の店内、お客さんがいない

(写真5)晩御飯時にガランとしたすき家の店内、お客さんがいない

出前サイトを積極的に活用している!

すき家の店内には、出前サイトを積極的に活用している。出店している立地面でのマイナス点を出前アプリなどの販売促進ツールでカバーしているのだろうか。

(写真6)「すき家」の店内に貼られている出前サイト・アプリの広告

(写真6)「すき家」の店内に貼られている出前サイト・アプリの広告

中国で展開している日系のイタリア料理店のサイゼリアは低価格路線で中国顧客を集客している。すき家も中国系の同業のファーストフード店に価格や味で負けていないので、工夫次第で一気に拡大するかもしれない。

サイゼリヤ
サイゼリヤは2003年12月に中国上海に1号店を出店。これが同社の海外初展開。現在では香港、台湾、シンガポールなどにも展開している。2013年8月時点で中国で150店舗を展開している。日系外食チェーンが中国で苦戦するなか、サイゼリヤは4億円の営業利益(2013年8月期)と好調。

いまのところは、すき家の出店場所は地図アプリで積極的に探さないと、なかなか店舗が発見できない状態だ。中国で生活する日本人としては、すき家の中国でのさらなる拡大を期待したい。(了)

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