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常熟市(江蘇省)、人混みも少ない歩行者天国「方塔街」!

日系企業もたくさん進出している江蘇省の常熟市。常熟を代表する繁華街は「方塔街」という大通り。大きな百貨店からスターバックスコーヒー、そして上海の南京東路のような歩行者天国。日本人でもゆっくり生活できる中国の地方都市。

1.江蘇省の常熟市

繁華街の街中にも風光明媚な雰囲気!

上海市からバスで約1時間半のところに位置する常熟市(江蘇省)。常熟市は県級市という行政区分で、江蘇省随一の経済都市・蘇州市(地級市)に属する街。中国では行政区分の変更や再編が行われることも多く、もしかすると、いづれは蘇州市常熟区に変更される可能性もあるかもしれない。総人口は150万人で、中国では中規模都市に該当する。日本人のあいだでは常熟(じょうじゅく)と呼ばれている。

常熟市中心部には方塔園という庭園があり、そのなかには何重にも重ねられた中国的な塔がそびえたっている。この方塔園の入場料は30元(約600円)。入場時間は5月~10月のあいだは8時~16時30分、11月~4月のあいだは8時~16時までとなっている。

(写真1)常熟市のランドマーク的な存在の方塔園

(写真1)常熟市のランドマーク的な存在の方塔園

江蘇省の常熟市とは?
常熟市は、江蘇省の蘇州市に属する県級市。総人口は150万人(2013年末)、面積は1,264㎡(神奈川県の半分ほど)。上海市から車で1時間半くらいのところに位置している。外資企業の誘致に積極的で、日系企業ではシャープ、住友ゴム、富士電機など合計70社ほどが進出している。

2.若者たちの集まる常熟の人気スポット・方塔街

常熟の繁華街は方塔街(FangTa Jie)!

常熟市に住む若者たちは「方塔街(FangTa Jie)」という繁華街でショッピングを楽しんでいる。常熟市随一の繁華街と言って間違いないだろう。

(写真2)常熟市でもっとも大型百貨店の集まっている方塔街

(写真2)常熟市でもっとも大型百貨店の集まっている方塔街

中国っぽい百貨店も少なくない!

この方塔街の中心部には第一百貨商店という大きな百貨店がある。この百貨店のなかに入ってみると、ファーストフード店のケンタッキー(KFC)や化粧品販売店などが入り乱れている。あくまでもターゲット層は月収が3,000元~8,000元(約6万円~16万円)くらいの庶民を対象としていて、集客力のあるファーストフード店などでお客さんの流れを店内まで持ってくる仕組みだ。

(写真3)方塔街の中心にある第一百貨商店(常熟市)

(写真3)方塔街の中心にある第一百貨商店(常熟市)

中国の百貨店やショッピングセンターでは、店内に小学校低学年くらいまでが楽しめるアスレチック施設を設けているところも多い。ショッピング目的でなくても、店内まで来てもらうために色々工夫している。

PARKSON(百盛)も進出している!

この方塔街の隅のほうにはマレーシア系のThe Lion Group(金獅集団)が展開するPARKSON(百盛)が進出している。PARKSON(百盛)は中国本土の33都市に百貨店を展開している。さきほどの第一百貨商店にくらべると、高級感ある雰囲気になっていて、ターゲット層はやや所得が高い層を狙っている。

このPARKSON(百盛)の1階にはスターバックスコーヒーがテナントとして入っていて、店内はお客さんでいっぱい。中国のどの地域でも百貨店やショッピングモールはスターバックスの取り合いと言っても言い過ぎではないだろう。1杯30元(約600円)と高い価格設定であるものの、中国人は山のようにスターバックスに集まってくる。

(写真4)繁華街の隅っこにそびえる常熟のPARKSON(百盛)

(写真4)繁華街の隅っこにそびえる常熟のPARKSON(百盛)

それほど混み合っていない歩行者天国、方塔東街!

PARKSON(百盛)や第一百貨商店の反対方向に歩いていくと、方塔東街という歩行者天国が広がっている。上海の南京東路のような横幅の広い歩行者天国であるものの、週末にもかかわらず歩いている人はそれほど多くない。

中国の百貨店やショッピングモールでは過剰な新規出店によるテナント誘致の苦戦が伝えられることが少なくないが、歩行者天国をふくめた商業施設が過剰になっている。衣服や雑貨の販売店や飲食店が多すぎる。

(写真5)大きな歩行者天国、人通りはそれほど多くない(常熟市)

(写真5)大きな歩行者天国、人通りはそれほど多くない(常熟市)

中国で人気上昇中の名創(メイソウ)発見!

歩行者天国の方塔東街のなかで、低価格で雑貨を販売している名創優品(メイソウ)を発見。歩行者天国のほかの店にくらべて、名創優品(メイソウ)だけは高い集客力を発揮している。日本人のあいだで知名度は高くないものの、名創優品(メイソウ)は2013年ごろから急成長している雑貨専門店。オシャレなデザインと日本品質の商品を前面に打ち出し、中国の若者たちのあいだで大人気。

(写真6)名創優品(メイソウ)の店員が集まってミーティングをしている

(写真6)名創優品(メイソウ)の店員が集まってミーティングをしている

名創優品(MINISO)
名創優品(MINISO)は、日本人の三宅順也氏が首席統括デザイナーをしている10元ショップ。あくまでも日本品質を主張しており、ほとんどの製品は中国で生産されている。驚くような低価格で雑貨を販売しており、中国の若者に大人気。2014年末には中国本土で370店舗あまり展開されている。

常熟市は日系企業もたくさん進出している地方都市。日本料理店も多く、単身赴任の日本人にとっても生活のしやすい中国の地方都市のひとつ。北京や上海のような大都市も代表的な中国であるが、常熟のような落ち着いた地方都市も中国の姿のひとつ。中国をどのような角度から見るかにより、見える中国の様子はまったく異なってくる。(了)

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