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日本人が知らない中国の高校進学率、どのくらいの進学?

日本人にとって中国の教育レベルにどのようなイメージをもっているだろうか?中国の高校進学率を想像できるだろうか?中国の高校段階への進学率は、中国全土の平均で90%に近い。日本人のイメージ以上の進学率ではないだろうか?

1.中国の高校への進学率は?

中国の教育システムは?

そもそも中国の教育システムはどうなっているのだろうか?中国の教育制度は、小学校6年、日本の中学校に相当する初級中学3年の合計9年間を義務教育としている。ただし、地域によって少し異なる。上海市では小学校5年、初級中学4年の合計9年の教育制度になっている。

義務教育が終了すると、大部分のひとは日本の高等学校に相当する普通高級中学(高中)や中専と呼ばれる学校に進学する。この高中と中専をあわせて高中段階の学校とよばれている。

中国の高中段階の学校とは
高中段階の学校とは、普通高級中学(高中)や中専と呼ばれる職業高級中学(職高)、中等専業学校(中専)、技工学校(技校)をさす。中専の学生は三校生ともよばれる。中専は日本の工業高校や産業高校などの専門高等学校に相当する。

この高中段階を卒業すると、4年制の大学本科や大学専科(大専)と呼ばれる学校に進むひとも少なくない。中専の学校を卒業するひとも、普通高中の学生と同じように大学を受験することができる。

2.けっこう高い中国の進学率

中国の中学校から高校への進学率は?

中国の高校に進学する割合はどのくらいだろうか?中国の教育部(文部科学省に相当)が公表している統計データをみると、高中段階の学校に進学する割合は初級中学の卒業者のうち88.4%(2012年)となっている。

中国のなかでも経済発展がとくに進んだ上海市では、2014年の初級中学の卒業者のうち、96.9%の学生が次のステップである高中段階の学校に進学している。山東省の省都である済南市の2014年の進学率は上海より高く98.1%。ちなみに日本の高等学校への進学率は98%(2010年、定時制学校など含む)。

教育部が発表している2020年までの目標によると、中国全体の高中段階の学校への進学率を90%以上にすることを目指している。ちなみに、中国の高中段階の学校から大学(含む大専)への進学率は40%を目指している(2013年の実績は34.5%)。日本では大学(含む短大)と専門学校を合わせた進学率は70.2%(2013年)になっている。

3.中国の高校入学試験である中考

中国の中考とは何か?

中国の中学校に相当する初級中学3年の学生は、基本的に中考(または中考招生)とよばれる試験を受けなければならない。この中考という名称は、中国全体でつかわれている通称。中国の地域によって中考の正式名称は異なっている。中考は毎年6月におこなわれている。

中考の正式名称は、北京は北京市高級中等学校考試、上海市は初中卒業統一学業考試、広州市は初中卒業生学業考試となっている。教育部の通知により、中考で一定の成績をとらなければ初級中学の卒業証書を取得できないと規定されている。

ただし、上海市では卒業するための最低取得点数などは公表されておらず、試験の結果によって留年することはないようだ。現在では高中段階の学校に入学するための試験と考えられている。(了)

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