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中国人の住宅マンションの購入、その支払方法は?

中国人が住宅用のマンションを購入するとき、どのような方法で住宅購入代を支払っているのでしょうか?日本と異なり、竣工前(未完成)のマンションでも売買が可能な中国では、大きく3つの支払い方法で取引されています。

1.中国人の不動産購入の支払い

中国人にとってマンションは重要!

中国人にとってマンションはかならず購入したいモノです。とくに中国人が結婚をする場合には、中古でも良いので自分たち名義のマンションをとにかく手に入れたいと考えることが中国人の一般的な考え方になっています。

日本では一軒家やマンションなどの不動産を購入する場合、住宅購入ローン(住宅自体に抵当権を設定)を組むのが通常ですが、中国人はどのようにしているのでしょうか?不動産会社へは一般的に3つの支払い方法があると言われています。

2.不動産会社への典型的な3つの支払い方法

中国的な一括払い

中国人のなかには不動産を一括払いで購入する人もいるようです。一般的にマンションの購入契約である商品房売買合同または商品房預售合同を締結したときに全体の95%を支払います。そのマンションが実際に引き渡されたときに残り5%は支払います。この一括払いはもっとも購入時の値引率が大きいと言われています。

中国の商品房預售合同
中国の商品房預售合同とは、不動産会社と購入者が未完成のマンション購入時に締結する契約。中国の不動産会社は、マンションの土地使用権、施工許可書、工事費用の投入が全体の25%以上であれば未完成のマンションを販売することができる(城市商品房預售管理弁法)。

とくに中国独特の商習慣であるのは、未完成のマンションを販売することができることでしょう。このような未完成の売買されるマンションは中国語で期房または預售商品房と呼ばれます。日本であればマンションの引き渡しとマンション購入残金の支払いを同時に行います。

日本では実際にマンションの部屋を引き渡した段階で、ようやくマンションを購入したことになります。日本ではここから住宅ローンの返済もスタートします。日本ではそもそも引き渡しの前には、完成間近の部屋を購入者にチェックしてもらう内覧会もあります。

中国の預售商品房(または期房)とは?
中国の預售商品房(または期房)とは、中国独特の商習慣で未完成の状態で売買されるマンションなどの不動産取引。預售商品房の権利を購入後、再転売できるかどうかは地方政府により異なる(城市房地産管理法の第45条)。上海市では2004年4月から規定により完成前の再転売は禁止されている。

日本では見かけない分割払い

中国には分割払いという支払い方法があります。これは日本人がイメージする20年や30年の住宅ローンとは異なります。数年におよぶ建設中のマンションの施工段階に応じて、少しずつマンション購入代を支払っていく方法です。

マンションが引き渡されたときに全額支払い完了となります。中国では完成前の預售商品房は、完成後の不動産(中国では現房)よりも5%~10%ほど安いと言われています。大都市では価格だけの問題ではなく、完成時にはすでに完売になっている住宅マンションの市場状況も影響しています。

そして住宅ローン

そして住宅ローンもあります。住宅ローンは中国語で按掲(アンジエ)と言います。これは不動産会社と購入者で購入契約(商品房売買合同)を締結し、購入者と金融機関で住宅ローン契約を締結します。この住宅ローン契約を締結するときには、購入するマンションの抵当契約、または連帯保証人などの担保契約も締結します。

抵当権(ていとうけん)とは?
抵当権(ていとうけん)とは、借金などの債務の担保を設定して、借金が返済されないときにその担保によって弁済をうける権利。抵当権という担保を設定しても、引き続き利用することができる。中国語では抵押権(ディーヤーチュエン)という。

住宅ローンを貸し出す金融機関は、購入者に火災などの損害保険にも加入させるのが一般的です。その保険金の受取人は金融機関になります。(了)

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