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自分が働いている企業、いつのまにか外資企業に!?

外国人投資家が2013年、日本株を15兆円も買い越したことが大きな話題になった。こんなに外国人投資家が日本株を買っているなら、日本の上場企業の株主は外国人ばかりなのだろうか?

1.外国人投資家の日本株保有比率トップ100からピックアップ

日本の上場企業のなかで、3割くらいは外国人投資家が株主になっている。日本企業と思っていた有名企業が、じつは外国人が株式のほとんどを保有していたりする。

たとえば、日産自動車の外国人持ち株比率は、上場企業のなかで第7位だ。日産自動車の筆頭株主は、フランスのパリに本社をおいている自動車会社のルノー。そのルノーが日産自動車の43%の株式をもっていて、ほかの外国人投資家を含めると合計で73%の株式を外国人がもっている。

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リース大手のオリックスは第16位で、63%の株式を外国人投資家がもっている。オリックスはプロ野球球団をもち、伝統的な日本企業と思っていたら、いつのまにか外国人が支配する会社になっていた。自分の働く会社は、いつのまにか外資企業になっていないだろうか?

この外国人持ち株比率は、ストック・ウェザーで公表されているし、会社四季報や日経会社情報でみることができる。外国人投資家は、かなり多くの大企業の株主になっているのだ。

2.外国人投資家の持ち株比率が意味することは?

外国人投資家の持ち株比率が高いことは、日本全体や日本企業にとって良いことなのか、それとも良くないことなのか?

    【良いこと】

  • 海外から日本にお金が入ってきて、株式相場が上昇する。株式相場が上昇して、国内投資家が儲かる。
  • 日本の株価が上昇して、日本企業の資金調達が容易になる(以下、補足)。
株価と資金調達の関係は?
株価が上昇すると資金調達がしやすくなる。たとえば、第3者割当増資という資金の調達方法があり、特定の第3者に出資してもらう方法だ。株価によって1株あたりの価値が決まるため、高い株価であれば多くの資金を調達できる。
    【良くないこと】

  • 外国人投資家の意見で、企業の経営が左右されるかもしれない(必ずしも良くないことではないが)。
  • 外国人投資家の動向により、株価が大きく変動する。 たくさん持っている株式を大量に売却されると株価は下がるので。
  • 企業の配当金や株価上昇による値上がり利益が海外に流出する。 外国人が株主なので、その利益は彼らのもの。

3.そもそも日本における外資企業の定義は?

経済産業省が公表している「外資系企業動向調査」というものによると、次の基準に該当する企業は外資企業である。

  1. 外国投資家が株式又は持分の3分の1超を所有している企業
  2. 外国投資家が株式又は持分の3分の1超を所有している国内法人が出資する企業であって、外国投資家の直接出資比率及び間接出資比率の合計が、当該企業の株式又は持分の3分の1超となる企業
  3. 上記(1)、(2)いずれの場合も、外国側筆頭出資者の出資比率が10%以上である企業

3つ目の基準により、外資企業の数は少なく公表されてしまうだろう。外国人投資家の持ち株比率が40%であっても、もっとも多く出資している外国人投資家(筆頭出資者)の持ち株比率が10%未満であれば、経済産業省が定義する外資企業には該当しない。

中国では、外国資本が25%を超えて出資している企業を「外商投資企業」(いわゆる外資企業)という。外資企業の定義をどう決めるかで、日本にもたくさん外資企業ができるだろう。

トヨタ自動車の外国人持ち株比率は30%だ(2013年3月末時点)。中国と同じ定義であれば、トヨタ自動車も外資企業になってしまう。(了)

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