中国のマンション修繕積立金、日本とは仕組みが異なる
日本で分譲マンションを購入すると、ほとんどのマンションでは修繕積立金を毎月積み立てるのが一般的です。じつは中国にも修繕積立金という制度が存在します。マンションの共有部分の劣化が激しければ、そこから修理も可能です。
1.マンション修繕積立金とは?
そもそも修繕積立金とは何か?
日本で分譲マンションとよばれる区分所有建物のマンションを購入すると、修繕積立金という費用を毎月負担することが一般的です。この修繕積立金はマンションの共有部分の計画的な修繕や、10年~15年に一度おこなわれる大規模修繕の費用として使われます。
この修繕積立金はあくまでマンションの共有部分の修繕のために使われる費用です。この修繕積立金はマンションの管理組合が管理しています。
- 日本のマンション管理組合とは?
- 日本のマンションの管理組合は、分譲マンションを購入した所有者で構成される組織。管理組合の最高意思決定期間として総会がある。日常的には理事会が総会の決定にもとづいて組合運営を行う。別途、マンション管理人をおくことも多い。
2.日本と中国で異なるマンション修繕積立金
中国にもある区分所有建物の修繕積立金
じつは中国にも分譲マンションの修繕積立金があります。中国語では「住宅専項維修資金」または「房屋維修基金」とよばれています。中国の修繕積立金制度は1998年からはじまった新しい制度です。
もともと中国では1978年にスタートした改革開放から住宅制度改革の検討がはじまり、1988年から1998年までは住宅販売(商品住宅)の試験的な取り組みが行われていました。本格的に住宅販売がスタートした1998年から分譲マンションの修繕積立金の仕組みがはじまりました。現在では2008年2月から施行された「住宅専項維修資金管理弁法」が修繕積立金について定めています。
中国の修繕積立金は一時金方式
中国の分譲マンションの修繕積立金は一時金方式が一般的です。日本では月払いの修繕積立金の負担が一般的ですが、中国では分譲マンション購入時に一括して負担する仕組みになっています。
- 日本の修繕積立金
- 日本の修繕積立金の支払い方法は、月払い方式(均等積立方式、段階増額方式)、購入時の一時金支払い方式の2つある。日本では分譲マンションによっては、購入時に一時金支払いして、さらに毎月支払いをしていくケースも多い。
中国の分譲マンションであれば住宅専項維修資金管理弁法の第7条にて、所有する建築面積にかかるマンションの建設工事コストの5%~8%のあいだで徴収すると定められています。あくまでもマンションの購入代金ではなく、その建設工事コストに対して発生するので、100㎡の建築面積であれば1万元程度といわれています。
日本と同じように修繕積立金は管理組合のモノ
日本の分譲マンションでは通常は管理組合が組織されています。中国の分譲マンションでも日本のマンション管理業者にあたる物業服務会社(マンション管理会社)以外に、分譲マンションの所有者で組織される業主委員会とよばれる組織があります。
中国でマンション購入時に納付した修繕積立金は、この業主委員会の所有になります。これは日本においては管理組合の所有になることと同じ仕組みです。中国でもこの修繕積立金はあくまでも分譲マンションの共有部分の維持・修理費用として使われると規定されています。
ただ、日本以上にマンションの劣化がはやく、十分な維持修理ができていないように感じてしまいますが、マンション共有部分の修繕積立金としての仕組みは整備されています。(了)