上海で目にする中国式マーケティング、少しやり過ぎか?
上海にきてから2ヶ月が超過。すでに中国の現地の生活になじんできたようだ。中国人にとけ込んで生活していると、ときどき面白い場面をまの当たりにする。日本では見られない中国的な売りこみ方法だ。
1.ほぼ絶対に見てしまう「通知」方法
督促状方式
マンションのエレベーターを上がって部屋のまえに来ると、一枚の「通知」とかかれた紙がドアにはられている。わざわざ家のドアに貼って知らせるようなことだと、水、電気、ガスに関するトラブルか?または、何か費用を払っていなかったのだろうか?
通知の内容をみると「マンションのちかくにスポーツジムを新しくオープンする」という商業的な宣伝広告だった。マンションのなかに入ってきて家のドアの前に貼りつけていく方法は、日本では必ずクレームを受けてしまうだろう。
2.履歴書を装ったダイレクトメール
興味をそそる一通の封筒
日本と同じようにマンションの1階に設置されている自宅ポストをみると、茶色の封筒が送付されていた。宛先は自分宛ではなく、まったく知らない「上海君誠広告メディア有限公司」となっている。
ただ、送付先の住所はまちがっていない。送付元は北京石油学院という学校名になっており、なにより「履歴書在中」と書かれている。送付先の住所を間違ったのだろうか?
住所の記載をまちがえて送付されてきたと思いつつ、「履歴書在中」と書かれていることから中身がきになってしまう。送付住所を間違って送付された封筒を罪の意識をもちながら恐るおそる開けてみると、違法な領収書(中国の増値税発票)を販売している会社からのダイレクトメール(DM)だった。
- ダイレクトメールとは?
- ダイレクトメールは、DM(Direct Mail)と省略されることが多い。個人や法人に顧客名簿から商品案内やカタログを送付する仕組み。
このダイレクトメールを見てしまうポイントは、(1)実際に北京から切手をはって送付している。(2)「履歴書在中」と興味をもたせている。北京石油学院という名称の大学は、現在の中国には実在していない。
一流大学のひとつである中国石油大学の前身として1969年まで「北京石油学院」は実在していたが、いまは存在しない大学名だ。
わざわざ北京から切手をはり、郵便局から送付しているものの、中身は上海の会社のダイレクトメールだ。すこし違法性のある商売をしている会社(この会社は不正規の領収書の販売)にたいして、ダイレクトメールの反応をたかめる方法としてサービスを提供している会社があるのだろう。
3.煙と匂いを拡散する屋台
マーケティングというか迷惑行為
マンションのちかくを歩いていると、中国でよくみられる串焼き屋が商売をしている。この屋台のまえを通ると、串を焼いているおばちゃんのまえに煙とにおいを拡散する扇風機が設置されている。
これはにおいを拡散して集客するというより、焼いている自分に煙がむかないように歩道に煙を追いはらっているのかもしれない。
(了)