低価格で安心して宿泊できるチェーンホテル「海友酒店」とは?
最近、中国で見かける海友酒店(Hiinns)というホテル。2008年末ごろから展開が進み、現在では中国全土で200店舗ほど展開されている。宿泊料金は1泊90元~150元(約1,800円~3,000円)。これまで見たことのない価格帯のホテルだ。
1.海友酒店(Hiinns)とは?
漢庭酒店を運営するグループが展開する低価格ブランド
中国で最近見かけるようになった海友酒店(Hiinns)。かわいらしい緑色のロゴマークが特徴的。この海友酒店は1泊90元~150元(約1,800円~3,000円)で宿泊することができ、地方から出てきた若者を主なターゲットにしている格安ホテル。このホテルを展開しているのは漢庭酒店ブランドでも有名な華住酒店グループ。
もともと海友酒店は2008年9月に杭州市(浙江省)で1号店がオープンし、当初は漢庭客棧というホテル名で事業展開がスタートされている。ちなみに、客棧(カージャン)とは中国の昔(古代)のホテルの呼び名。2009年9月に海友客棧と改名され、2012年11月からは現在の海友酒店に変更されている。ときどき街なかで海友客棧という以前のホテル名を見かけることもある。現在、海友酒店は中国本土で約200店舗ほど展開されている。
- 漢庭酒店
- 漢庭酒店は、華住酒店集団(グループ)に属する格安ホテルチェーン。2014年9月末時点で1,547店舗。華住酒店集団は2005年設立。創業者の季琦は、1回目の起業で旅行予約サイトの携程旅行網(Ctrip)を創業。じつは同業の大手格安ホテルチェーンの如家快捷酒店も季琦が2回目の起業として創業している。漢庭酒店は季琦にとって3度目の起業。
2.海友酒店の客室
たった100元前後で宿泊できる格安ホテル!
この100元前後で宿泊できる海友酒店の客室は一体どのような作りだろうか?中国の格安ホテルのレベルは日本人が考える以上に改善されていて、この海友酒店のクオリティは決して悪いものではない。宿泊料金を考えると、海友酒店のコストパフォーマンスはかなり高いと言えるだろう。
液晶テレビ、デスクまで用意されている
海友酒店の客室には液晶テレビやデスクも完備されている。もちろん、エアコンもついている。「寝れればよい」と考えている顧客には設備としては問題ないだろう。
中国の自宅の洗面所のような設備!
ただ、海友酒店は中国でも低価格のホテルであり、ホテルに対して過大な設備やサービスの期待はしないほうがいい。洗面所をのぞいてみると、中国の普通マンションのような設備。トイレにシャワーと必要なものは揃っているものの、ゆっくり滞在したいというホテルではない。あくまでも格安で宿泊できるスペースと考えると良いだろう。
若者をターゲットにしたホテルブランド
この海友酒店を展開している華住酒店グループは、全季酒店、漢庭酒店などのホテルブランドも展開している。全季酒店は1泊あたり250元~400元(約5,000円~8,000円)の宿泊料金の設定で、すこし裕福な30代~50代をターゲットにしている。
主力ブランドである漢庭酒店は1泊あたり150元~250元(約3,000円~5,000円)で、若者から年配者まで幅広い年齢層の中間所得層を主なターゲットにしている。ただし、この1泊150元~250元の価格帯のホテルは、中国では七天連鎖酒店(7DaysInn)、如家快捷酒店(Homeinns)など競合の大手ホテルチェーン店と競争が激化している。
- 七天連鎖酒店(7DaysInn)とは?
- 七天連鎖酒店(7DaysInn)は、鉑涛集団(2005年設立)が中国で展開する格安ホテル。中国本土で300都市、3,000店舗を展開。ホテル会員の登録数は8,000万人を超えている。2009年11月にニューヨーク証券取引所に上場(2013年にMBOで非公開化)。創業者の鄭南雁は1968年生まれ、広東省スワトウ出身。
これまで150元(約3,000円)以下の安い宿泊施設といえば、旅館や招待所(簡易宿泊所)のような薄汚いところのみ。これまでは我慢して低価格の宿泊施設に泊まっていたり、すこし高いものの1泊150元~250元のホテルを利用していた若者を取り込むために海友酒店は展開されている。ホテル内はWiFi(無線LAN)も無料で利用できる。
日本人でも安心して宿泊できるものの、「内賓(中国人)」しか宿泊できない海友酒店もあるので宿泊前に外国人でも利用できるか確認しておいたほうが良いだろう。(了)