日本国内ではいつのまにか格安航空会社（LCC）が増えて、国内各地への飛行機での移動料金はずいぶん下がった。大阪-東京間の移動は、空港までの距離を気にしないならば、のぞみ（新幹線）よりも飛行機のほうが安いケースも少なくない。
１．格安航空会社（LCC）入門
いつの間にか国内線は格安航空会社（LCC）が主役？！
国内線で移動するなら従来の全日本空輸（ANA）や日本航空（JAL）ではなく、格安航空会社（LCC）のジェットスター・ジャパン（Jetstar）やスカイマーク（SKYMARK）、ピーチ（Peach）を利用する人も少なくないだろう。
関西空港のANAやJALの国内線カウンターを見ると、それほど多くの乗客がチェックイン手続きをしていない一方で、第１ターミナル２階（国内線）の端にあるジェットスターのチェックインカウンターはたくさんの搭乗予定者で混雑している。
（写真１）混雑するジェットスターのチェックインカウンター（関西空港２階）
上海-東京（成田、羽田）便は割高な運賃！
中国の上海から日本国内に移動するなら、春秋航空とジェットスター・ジャパンを組み合わせると割安で移動可能だ。中国の上海浦東国際空港を拠点にしている格安航空会社（LCC）の春秋航空は、茨城空港（茨城）、関西空港（大阪）、高松空港（香川）、佐賀空港（佐賀）に就航している。
その春秋航空の上海-日本便の航空料金を見ると、関東にある茨木空港は高めの航空料金で推移している。そもそも、ANAやJAL、そして中国国際航空（CA）や中国東方航空の航空会社各社は、上海-東京（成田、羽田）便は他の路線よりも割高な航空料金になっている。時間に余裕があるなら、上海からは他の空港を経由して東京（成田、羽田）に移動したほうが割安な場合も少なくない。
春秋航空の上海-茨城便は人気路線で割高！？
上海から茨城空港へは格安航空会社（LCC）の春秋航空が就航しているものの、搭乗者が多いため片道2.5万円～3.5万円くらいのチケット代になっている。上海-成田間を中国国際航空（CA）で移動すると、安い時期でも約６万円～７万円。全日空の場合は、かなり早期予約していないと10万円前後のチケット代になってしまう。ここ数年の中国からの訪日客増加の影響や日本円安による影響があるのだろう。
（写真２）上海-日本路線を就航する唯一の格安航空会社（LCC）の上海春秋航空
春秋航空は高松空港と佐賀空港にも就航しているものの、国内便への格安航空会社への乗り継ぎは時間的によくない。ケースによっては１泊しなければならない。もっともおススメなのは、国内線の格安航空会社（LCC）が充実している関西空港を利用する方法だ。
上海-関空便は春秋航空か吉祥航空を利用すると、通常時は往復で2.5万円～3.5万円くらい。ここから国内のジェットスターやピーチ航空を活用して移動すると良いだろう。
- 上海春秋航空とは？
- 上海春秋航空とは、上海を起点に就航している中国の格安航空会社（LCC、ローコストキャリア）。2004年5月に設立され、2005年7月に初就航。2010年から日本便（茨城便）の運航を開始。航空料金は安い一方で、機内食などのサービスは有料になっている。
２．格安航空会社（LCC）のチェックイン手続き
自分でチェックイン操作から受託荷物のラベル印刷まで！
格安航空会社（LCC）のジェットスターに搭乗する場合、なかなか慣れない手続きを自分自身でしなければならない。搭乗48時間前からインターネットチェックインはできるものの、航空会社に預ける荷物（受託荷物）があるときはチェックインカウンターの機械で荷物用ラベルを打ちださなければならない。ジェットスターでは乗客ができる作業は基本的に乗客自身で行うようになっている。
（写真３）オレンジ色が目立つジェットスターのカウンター（関西空港）
チケット購入時の支払い手数料とは？
ジェットスターだけでなく国内線の格安航空会社（LCC）で疑問に感じてしまうのはチケット購入時の支払い手数料。クレジットカードだけでなく、銀行振込であっても支払い手数料430円～550円（１区間の予約ごと）を徴収されてしまう。
「クレジットカード決済をするときに支払手数料を徴収してはいけなかったのでは？」と思ったものの、クレジットカード会社が禁止しているのは現金とクレジットカードの決済で金額差をつけること。ジェットスターではクレジット決済以外でも支払手数料を徴収しているのでクレジットカード会社の規定違反にならない。
３．乗り心地の良いジェットスター！
ジェットスターの機体はあたらしい！
実際にジェットスターに乗ってみると、ANAやJALなどの通常の航空会社と乗り心地は変わらない。ジェットスターの機体はあたらしく、新車の自動車に乗ったときと同じような新鮮な気分になる。
（写真４）格安航空会社の登場で国内線が利用しやすくなった
せまい座席、飛行時間１時間ならガマン可能！
ジェットスターの機内に入ると、通常の航空会社の座席よりも座席と座席の間隔はせまいように感じてしまう。ただ、国内線のフライト時間は１時間ほどのため、ガマンできないということはないだろう。
（写真５）大型ではないものの座席数の多いジェットスターの機内
とにかくアジアに近い関西空港は利用しやすい。関西空港にあるジェットスターは昔からある第１ターミナルにチェックインカウンターがあり利便性が高い。いっぽう、関西空港に就航しているピーチ航空は2012年10月にオープンした第２ターミナルまで行かなければならない。この第２ターミナルへの移動は徒歩では行けず、無料シャトルバスで移動しなければならないので大変だ。
最近の航空券のチケット代を見ていると、日本円が安くなっている影響のためか、3年～5年前くらいと比べるとずいぶん航空券が高くなっている。なるべく航空料金を割安に抑えたい人は、当面は関西空港の活用を検討してみると良いだろう（了）