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上海市内には824校の民営学校、資金不足の指摘も

中国には公営の学校ばかりではない。日本同様に私立にあたる民営学校も運営されている。上海市内には幼稚園を中心に合計824校の小学校から大学まで民間が運営している。最近では資金不足も指摘されていて今後の動向が注目されている。

1.上海市の民営学校の状況

上海では圧倒的に公営学校が多い

上海市教育委員会の統計データによると、2013年末までに上海には824校の民営学校があり、上海市内の5分の1にあたる約50万人が学生が在学している。反対に、上海市内の5分の4にあたる約200万人の学生は公営学校に通っている。

824校のうち、民営幼稚園は524校(在学数14.7万人)、民営小学校は178校(同16.7万人)、民営中学(初級中学と高級中学)は103校(同7.5万人)、民営大学は19校(同8.8万人)となっている。民営幼稚園の在校数は、上海市内にある全幼稚園の29.4%を占めている。

2.民営学校の資金不足の可能性も?

民営学校の資金源

上海市民営教育発展基金会の袁済理事長によると、私立教育が発展している地域や国家の状況をみると、私立学校の資金は(1)学費収入(2)社会からの寄付(3)政府からの財政支援の大きく3つにわかれる。そのうち、社会からの寄付は通常は全体の30%~40%を占めている。

上海の民営学校の多くは企業が運営している。その運営のためのおもな資金源は学費と過去から蓄積されてきた資金にわかれる。これからの民営学校を発展させる資金が不足しており、いまのところ社会から寄付をするというような雰囲気は形成されていない。

民営学校といっても財政支援されている

上海市の政府による民営大学に対する財政支援は学費収入の15%となっており、日本や米国などの民営教育とほぼ同じで、財政支援の仕組みは出来上がっている。ちなみに、日本の私立大学に対する国庫補助金の比率は減少してきている。日本私立大学団体連合会の資料によると、昭和54年の経常経費に対して22.5%から、2009年には11.2%まで減少している。

3.上海の民営学校は発展段階

これから民営学校はどうなっていくのか?

上海市民営教育発展基金会の袁済理事長によると「上海の民営教育は発展段階にあり、政府、民営学校、社会などの多くの関係者が協力して民営教育の新しい発展メカニズムを作っていかなければならない」と述べている。上海市民営教育発展基金会が設立されてから、法律に則って社会から寄付を募ったり、学費や財政補助金の不足を補填を行っている。

そのため、上海杉達学院、上海視覚芸術学院、上海東海職業技術学院、上海新橋職業技術学院、上海済光職業技術学院、禾佳民営教育聯盟、上海培佳双語学校など7つの団体が資金調達をおこない、上海市民営教育発展基金会として7,730万元(約12.8億円)の原資でスタートしている。(了)

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