南京市を代表する観光スポットの夫子廟（ふうしびょう）。中国らしい建造物が立ち並ぶ地区であり、たくさんの中国人観光客であふれる南京市の人気スポット。いまでは完全に観光地化されたものの、魅力的な場所であることに変わりはない。
１．南京市にある夫子廟（ふうしびょう）
南京市（江蘇省）を代表する観光スポット！
江蘇省の南京市の観光スポットといえば、孫文のお墓がある中山陵（ちゅうざんりょう）だけではない。南京市を代表する風情ある繁華街の夫子廟（ふうしびょう）だ。南京の夫子廟は儒教の始祖である孔子を祭っている場所。この夫子廟は特定の建物、寺院を指しているのではなく、夫子廟大成殿などがある地域一帯を指している。
夫子廟は南京市を代表する観光スポットになっており、たくさんの中国観光客が訪れる。夫子廟には伝統的な中国の建造物や街並みが再築されており、中国らしい雰囲気を感じることができる名所になっている。
（写真１）南京市中心部の夫子廟、飲食店やショッピング街が広がっている
- 江蘇省の南京市
- 南京市は、江蘇省の省都（県庁所在地に相当）。上海市から高速鉄道で約１時間15分の内陸側に位置する。南京市の総人口は821万人（2014年末）で、同じ江蘇省の蘇州市（1,060万人）よりも少ない。南京市には中山陵（ちゅうざんりょう）や夫子廟など観光スポットも多い。
２．繁華街となった夫子廟
夫子廟大成殿、入場チケットは30元（約600円）
南京の夫子廟を代表する夫子廟大成殿。この夫子廟大成殿に入るには入場チケット（30元）が必要だ。共同購入サイトの美団網を通して入場チケットを購入すると、24元（約480円）と6元引きで購入することが可能だ。
（写真２）南京夫子廟大成殿の入場チケット販売窓口（南京市）
- 中国の共同購買サイトとは？
- 中国の共同購買サイトは、テーマパークなどの入場券を割安で購入できたり、レストランの食事クーポンを割引価格で入手できる。前払いが前提だ。美団網、大衆点評網、百度糯米などの数社で市場シェアのほとんどを占める。
夫子廟大成殿、中国に深い興味を持っている人にはおススメ！
正直なところ、夫子廟大成殿の中は感動するような場所ではない。いろいろな展示品があるものの、中国文化、歴史に深い興味を持っている人しか満足できないようなものが多い。たとえば、科挙時代に使われたカンニング道具など展示されている。
（写真３）夫子廟大成殿にある銅像、孔子の姿を再現していると思われる
約30億円が投入された夫子廟のショッピング街！
夫子廟周辺には飲食店やショッピング街が広がっている。1997年に1.5億元（約30億円）が投入され、夫子廟周辺は観光スポットとして開発された経緯がある。中国らしい建造物が立ち並び、大手チェーン店のアパレルショップ、シューズ店などはテナントとして出店している。
この周辺は南京の地元の人も含めて、たくさんの観光客、地元の若者が集まる繁華街だ。蘇州市（江蘇省）にある観前街のような雰囲気になっている。
（写真４）南京夫子廟に広がる繁華街、中国らしい雰囲気が味わえる
魅力的な夫子廟をかざる秦淮河！
夫子廟の魅力を引き立てているのは秦淮河だ。夕方になるとライトアップされた小舟などが情緒あふれる雰囲気を出している。日本の観光ガイドブックなどでは秦淮河をバックとした夫子廟の写真が紹介されている。
（写真５）夫子廟の秦淮河、ライトアップされて雰囲気が出ている
３．夫子廟の小皿料理
200種類以上におよぶ伝統的な料理
夫子廟といえば、伝統的な小皿料理で有名だ。このような小皿料理を提供する飲食店がたくさん出店されている。たくさんの種類の料理があり、見ているだけでも楽しむことができるだろう。
（写真６）夫子廟のお店で提供されている伝統的な小皿料理（南京市）
南京市は上海市から中国高速鉄道（新幹線に相当）で約１時間10分のところにあるアクセスしやすい都市。しかし、南京市に観光で訪れる日本人はそれほど多くない。
南京事件（中国では南京大虐殺）の強いイメージがあり、日本人にとって南京は観光で訪れたい都市という印象がないからだ。ただし、南京市は歴史の古い都市で観光スポットも少なくない。上海、蘇州周辺で生活している日本人にはお勧めしたい観光都市のひとつだ。（了）
