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南京大虐殺記念館、日本人でも参観可能な追悼施設、博物館!

中国の南京市といえば、小学校の歴史教育でふれた南京事件の印象が残っているだろう。南京市には南京大虐殺記念館という立派な追悼施設、博物館がある。ここは日本人でも参観可能であり、南京市を訪れたら立ち寄ってみるとよいだろう。

1.南京市内にある南京大虐殺記念館

歴史教科書でふれる「南京事件」、歴史を残す博物館!

南京といえば、日本人がイメージするのは南京事件(中国では南京大虐殺)だろう。小学校の歴史教科書で南京事件が出てくるので、南京という都市名を知らない日本人はほとんどいないはずだ。

この南京市(江蘇省)には、南京大虐殺記念館という追悼施設、博物館が開設されている。ここの正式名称は「侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館」で、1985年8月にオープンしている。すでにオープンしてから30年ほど経っている記念館だ。南京大虐殺記念館の公式ホームページ(日本語)も用意されている。

(写真1)北京の故宮博物館に次ぐ参観者数をほこる南京大虐殺記念館(南京市)

(写真1)北京の故宮博物館に次ぐ参観者数をほこる南京大虐殺記念館(南京市)

予想以上に中国人参観者が多い!巨大な博物館

南京大虐殺記念館を訪れる中国人参観者は予想していたよりも多かった。平日にもかかわらず、記念館のなかにある博物館には、たくさんの中国人であふれている。2004年3月までは入場料10元(約200円)が徴収されていたが、それ以降は入場料が無料になり、一気に参観者が増えたと言われている。

いまでは南京大虐殺記念館に年間800万人(2014年)が訪れ、北京の故宮博物館に次ぐ、中国で2番目に多い参観者数の博物館になっている。世界有数の美術館・博物館の参観者数をみると、ルーブル美術館(フランス)は約930万人、大英博物館(イギリス)は約670万人、メトロポリタン博物館(アメリカ)は約620万人となっており、南京大虐殺記念館の来館者数の規模が想像できるだろう。

ほんとうに南京大虐殺記念館に年間800万人も訪れているのか疑問に思い、南京大虐殺記念館の公式ホームページをみると、国慶節である2015年10月2日の来場者数が9.3万人となっているので、1日あたり平均3万人くらい参観していてもおかしくないかもしれない。残念ながら公式な参観者数(年間)は公表されていない。

(写真2)南京大虐殺記念館にある「子どもをかかえる親」のオブジェ(南京市)

(写真2)南京大虐殺記念館にある「子どもをかかえる親」のオブジェ(南京市)

2.南京大虐殺記念館の施設内

博物館のなかは写真撮影不可、日本語の案内が充実している!

南京大虐殺記念館には日本語による解説が充実している。とくに展示物には中国語、英語、日本語の3つの言語で解説されているものが多い。南京大虐殺記念館では、日中友好、平和を重視する人の来館が歓迎されており、日本人の参観も問題ない。

南京大虐殺記念館の施設内では写真撮影できるものの、たくさんの展示品がある博物館のなかは撮影禁止となっている(ただし、中国人の多くの参観者は撮影禁止を気にせず写真撮影している)。

(写真3)南京大虐殺記念館のなかにあるお客様サービスセンター(南京市)

(写真3)南京大虐殺記念館のなかにあるお客様サービスセンター(南京市)

過去を振り返ることも必要!行く価値のある記念館

南京大虐殺記念館のなかには「犠牲者30万人」の表記が多い。犠牲者の人数が論争になることが多いが、南京で悲しい出来事が発生したことは間違いないだろう。

(写真4)南京大虐殺記念館の壁に表記された「犠牲者数30万人」

(写真4)南京大虐殺記念館の壁に表記された「犠牲者数30万人」

先進的で立派な記念館、中国でもめずらしい!

南京大虐殺記念館は1985年8月に完成し、2006年6月から2007年12月まで一旦閉館。その閉館されているあいだに、4.8億元(約96億円)が投入されて拡張工事(リニューアル)がおこなわれた。南京大虐殺記念館を参観すると、かなり資金をかけた立派な博物館であることに驚かされる。

(写真5)南京大虐殺記念館には追悼施設がたくさんある(南京市)

(写真5)南京大虐殺記念館には追悼施設がたくさんある(南京市)

施設内で見かけた「日中友好」の千羽鶴!

南京大虐殺記念館のなかで「村山談話を継承し、中日友好年とする訪問団」(2015年7月18日)の千羽鶴をみかけた。南京大虐殺記念館は中国の歴史教育(抗日教育)の目的ももった施設であるものの、日中友好や平和というメッセージも少なくない。

(写真6)「村山談話を継承し、中日友好年とする訪問団」の千羽鶴(南京市)

(写真6)「村山談話を継承し、中日友好年とする訪問団」の千羽鶴(南京市)

南京市は上海から中国高速鉄道(新幹線に相当)で約1時間10分のところに位置する大都市。中国高速鉄道が開通するまでは普通列車で約5時間ほどかかった内陸部の都市だったが、高速鉄道のおかげで、いまではアクセスのしやすい都市になった。

南京市は歴史の古い都市のひとつ。南京市内には観光名所も多く、観光として訪れたときに、南京大虐殺記念館にも立ち寄ってみるとよいだろう。(了)

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