中国の賃貸契約に必須の身分証、中国人の居民身分証とは?
中国で賃貸マンションを借りるとき、かならず家主さんの身分証明書を入手してください。中国では賃貸している人が家主を装って又貸し(転貸)することもあります。かならず不動産証の名義と身分証明書の名前を確認しましょう。
1.中国人にとって居民身分証とは?
中国人の大家(家主)はかならず居民身分証をもっている
中国で賃貸アパートを借りるとき、物件オーナーである大家の身分証明書のコピーを入手することは一般的です。このときの身分証明書は、16歳以上の中国人なら必ず持っている居民身分証になります。
中国国籍をもっていない外国人は中国で居民身分証を取得できませんので、通常はパスポートを身分証明書として中国国内で利用します。中国国内にある外国政府の大使館や総領事館に勤務している外交官や領事職員であれば、外交官証や領事館証をパスポートの代わりに身分証明書として中国国内で利用することも可能です。
中国では身分証の確認が多い!
中国の居民身分証は16歳以上の中国人はかならず持っている必需品。中国人が中国で何か手続きをする場合、かならず要求される身分証明書です。現在ではホテルの宿泊、インターネットカフェの利用、飛行機の搭乗、鉄道の切符の購入まで、ありとあらゆるところで居民身分証の提示が求められます。
上海市では電気代、ガス代、水道代などをインターネット上で支払う付費通(フーフェイトン)という便利なウェブサイトがあります。しかし、付費通で毎月一回、自動的に費用を口座引落してくれる付費宝(フーフェイバオ)を利用する場合、居民身分証がないと利用できません。
中国ではいろいろなサービスがインターネット上で手続きできますが、居民身分証という便利な証明書番号(国民に重複のない番号)が使われていて、その番号をもっていない外国人が利用できないことも少なくありません。
臨時居民身分証もある
中国でアパートを借りるときに、賃貸人である大家が「居民身分証を紛失しているから身分証明証のコピーを渡せない」と言われたらどうしたらいいでしょうか?そのような場合は、臨時居民身分証という最長3ヶ月有効である一時的な身分証もありますので、臨時居民身分証を手続きしてもらいましょう。
なぜ臨時居民身分証があるかというと、居民身分証の再発行には時間がかかります。居民身分証の発行(含む再発行)は60日以内に発行すると規定されており(居民身分証法の第12条)、交通が不便な地域ならば更に30日延長した90日以内に発行すればよいと規定されています。
そのような発行に時間がかかる居民身分証を保管する役目として、臨時居民身分証という証明書が存在しています。臨時居民身分証は3日以内に発行するように法律で定められています(臨時居民身分証管理弁法の第12条)。
2.中国の居民身分証を理解しよう!
中国のすべての16歳以上のひとは持っている
中国では16歳以上の中国国籍をもっている中国人はすべて居民身分証を取得しなければなりません。満16歳になった3ヶ月以内に、自分の戸籍がある地域の公安機関で居民身分証を申請することになります。16歳未満でも海外への出国などの手続きで必要な場合は取得することも可能です。
- 公安機関とは?
- 中国でよく見る「公安」は、警察の1つの分類である公安機関に所属している警察官のこと。公共の治安を守ることが役目です。中国の警察は人民警察といい、民警とよばれています。中国のメディア(新聞など)で警察官という意味で民警という言葉は出てきますが、警察官を指して公安とは出てきません。公安は公安機関や公安部という組織を表す場合に使われています。
有効期間は年齢により異なる
中国の居民身分証は年齢によって有効期間がことなります。16歳未満は有効期間5年、16歳から25歳は有効期間10年、26歳から45歳は有効期間20年、46歳以上は長期間有効とされています。
現在の第二代居民身分証は2004年1月から全国でスタートしています。そのため、2004年当時に16歳から25歳だった人はいっせいに更新しますので、2015年は各地の公安機関にとって居民身分証の更新にいそがしい年になると言われています。(了)