中国版の公衆無線LAN(WLAN)、中国移動のサービスは?
中国では日本と同様に公衆無線LANを利用することができる。有料と無料の公衆無線LANがある。スターバックスが提供している無料のものから、大手通信キャリアが提供している有料の公衆無線LANまで利用できる選択肢は多い。
1.中国にもある公衆無線LAN
よく見かける「CMCC」、これは何だ?
中国の空港、駅などの公共施設や街中のカフェでパソコンを開くと、ワイヤレスネットワークの接続先に「CMCC」「CMCC-AUTO」「China-net」が表示されることがある。これらの接続先の無線LANを使って、インターネットに無料で接続できるのか試してみると、ユーザー認証画面が表示されて接続できない。
これらの無線LANは一体どのようなものだろうか?これらは中国の大手通信キャリアが提供している公衆無線LAN。中国ではWLAN(Wireless Local Area Networks)と呼ばれており、基本的に有料で利用することができる。
日本の無料と有料の公衆無線LAN
日本には無料と有料の公衆無線LANがある。この公衆無線LANを使ってインターネットに接続できる場所は、WiFiスポットやフリースポットと呼ばれている。
有料の公衆無線LANには、BBモバイルポイント(ソフトバンクテレコム)、フレッツ・スポット(NTT東日本・西日本)がある。au、ドコモ(docomo)、ソフトバンク(softbank)などの大手通信キャリアが提供している公衆無線LANは、パケット定額サービスに加入しているユーザーは無料で利用することができる。
無料の公衆無線LANはスターバックスが提供している「at_STARBUKS_Wi2」という無料サービスが有名だ。
2.中国移動の提供している公衆無線LAN
中国移動が提供しているサービス
中国移動(チャイナ・モバイル)は、「CMCC」「CMCC-AUTO」というSSID(サービスID)で公衆無線LANを提供している。中国で最もよく目にする公衆無線LANの一つではないだろうか。「CMCC」はChina Mobile Communication Corporationの略称である。
中国移動の公衆無線LANは、対象者が大きく3つに分かれている。
- 中国移動のユーザーを対象
- 大学のキャンパスで使用することを対象
- すべてのユーザーを対象
この追加サービスを申し込むと、ノートパソコン、タブレット端末、スマートフォンから「CMCC」などの中国移動が提供している公衆無線LANを利用することができる。中国移動の公衆無線LANが使える場所は、公式ホームページで紹介されている。
中国移動のユーザーを対象としたサービス
中国移動のユーザーは、契約している料金パックに無線LANの追加サービスとして申し込むことができる。
追加サービス (パック) |
データ通信容量 |
5元 | 300MB(0.3G) |
10元 | 700MB(0.7G) |
20元 | 1.5GB |
30元 | 2.8GB |
50元 | 5.0GB |
100元 | 20.0GB |
追加サービスは5元(約82円)からスタートする。契約したデータ通信容量を超過した場合、1MBあたり0.1元の追加料金が発生する。毎月の利用限度は500元(約8,200円)または50GB。
大学のキャンパスで使用することを対象としたサービス
大学キャンパスに限定した料金パックもある。中国移動ユーザー以外も利用は可能。接続先のSSIDは「CMCC-EDU」。
料金パック | データ通信容量 |
10元 | 40時間/月 |
20元 | 100時間/月 |
40元 | 250時間/月 |
10元の料金パックの場合、1ヶ月間で40時間の接続が可能。1ヶ月の利用時間を超過したり、「CMCC-EDU」以外の中国移動のSSIDに接続した場合、1分間あたり0.02元が発生する。毎月の利用限度は500元または40GB。
すべてのユーザーを対象としたサービス
中国移動のユーザー以外でも利用できる料金パックもある。「WLAN時長卡」と呼ばれる料金パック。
料金パック | 利用可能時間 | 有効期限 |
30元 | 15時間 | 90日 |
50元 | 40時間 | 90日 |
100元 | 180時間 | 180日 |
この「WLAN時長卡」はインターネットから契約するのではなく、プリペイド式のカードを購入して利用する。利用開始日から有効期限の間、利用することができる。(了)