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無錫市で見つけた丸亀製麺!どこまで中国で拡大できるか?

中国の大型都市と中心に日系外食レストランを見る機会が増えている。もっとも勢いがあり中国人に支持を受けているのはイタリアン料理を格安で提供しているサイゼリヤ。江蘇省の無錫市では、讃岐うどん専門店で有名な丸亀製麺を発見した。

1.中国本土の丸亀製麺

上海を中心に35店舗を展開する讃岐うどん専門店!

中国の北京、上海、南京、天津などで35店舗を展開している讃岐うどん専門店の丸亀製麺。この丸亀製麺を運営しているのは東証一部に上場している株式会社トリドールだ。ちなみに、店名には丸亀製麺(まるがめせいめん)と濁点「が」になっているので読み間違いに注意が必要だ。

江蘇省の無錫市の大型高級ショッピングモールの恒隆広場B1階で丸亀製麺を発見。14時過ぎにもかかわらず、店内で食事をしている顧客はちらほらと活況の模様だ。

(写真1)落ち着いた雰囲気がただよう「丸亀製麺」(江蘇省・無錫市)

(写真1)落ち着いた雰囲気がただよう「丸亀製麺」(江蘇省・無錫市)

釜揚げうどん「丸亀製麺」
釜揚げうどん「丸亀製麺」は、株式会社トリドールが運営する讃岐うどん専門店。2015年9月の店舗数は約1,000店舗(海外含む)、売上高870億円。フランチャイズ方式をとらず直営方式で展開している。中国本土では35店舗を展開中。中国の「丸亀製麺」は大型ショッピングモールのフードコートに出店しているケースが多い。

2.日本ナンバーワンの丸亀製麺が中国を攻める!

ホワイトカラー層がストレスなく入れる絶妙な価格帯!

中国の丸亀製麺は、安すぎず、高すぎない価格設定をとっている。かけうどん中サイズは15元(約300円)で、うどんメニューは15元~40元(約300円~800円)で提供している。中国のファミリーマートで売られている弁当が12元~14元(約240円~280円)であることを考えると、少し高めの価格設定。ちなみに、中国でうどんは「烏冬面」と書き、WuDongMian(ウードンミエン)と読む。

中国の丸亀製麺は低価格戦略で顧客を獲得していくというお店ではない。現時点では高品質の讃岐うどんを中所得者向けに提供するというスタンスだ。日系外食チェーン店では、はなるまるうどん、吉野家、すき屋、カレーハウスCoCo壱番屋などが同じ価格帯の競合になる。

イタリア料理を提供するサイゼリヤは、1品あたり10元~20元(約200円~400円)で提供しており、ほかの外食チェーンとそれほど競合しないポジションだ。

(写真2)店頭にある丸亀製麺のメニュー一覧(江蘇省・無錫市)

(写真2)店頭にある丸亀製麺のメニュー一覧(江蘇省・無錫市)

中国ローカルには負けない丸亀製麺の内装デザイン!

丸亀製麺の店内は落ち着いた雰囲気になっている。日本で外食うどんチェーン店と言えば、すばやく食事をするお店が多いが、中国ではゆっくりできるファミリーレストランのようなものだ。もちろん、ひとりで食事をする中国人顧客も見かける。中国ローカルのお店では、このようなオシャレな内装デザインをなかなか提供できないだろう。

(写真3)落ち着いた雰囲気の丸亀製麺の店内のようす(江蘇省・無錫市)

(写真3)落ち着いた雰囲気の丸亀製麺の店内のようす(江蘇省・無錫市)

中国人にとって讃岐うどんは外国料理!

日本人にとっては普通のうどん。しかし、中国人にとって讃岐うどんは外国料理のひとつ。もちろん、中国にもさまざまな麺(めん)があるが、日本のうどんとは少し異なる。讃岐うどんの味にもっとも似ている中国の麺は、山西省の刀削面ではないだろうか。

(写真4)丸亀製麺で人気の牛肉うどん、いなり寿司も(江蘇省・無錫市)

(写真4)丸亀製麺で人気の牛肉うどん、いなり寿司も(江蘇省・無錫市)

3.丸亀製麺のマーケティング戦略

アリババ集団の支付宝(アリペイ)なら割引価格で提供!

丸亀製麺(無錫恒隆店)では阿里巴巴(アリババ)集団が提供している電子決済サービスの支付宝(アリペイ)の割引サービスを提供している。ここ数年のあいだに、中国では共同購買サイトの団購(グルーポン方式)などの割引クーポンによる販促活動が活発になっている。

飲食店の多くは積極的に、これらの販促ツールを活用している現況だ。丸亀製麺(無錫恒隆店)では、支付宝(アリペイ)の割引サービスを利用すると9.5折(5%引き)になる。

支付宝(アリペイ)とは?
支付宝(アリペイ)とは、阿里巴巴(アリババ)集団が展開している電子決済サービス。2004年からサービス開始。インターネット上で決済できるだけでなく、ファミリーマートや大手スーパーのカルフールなどの実店舗での利用も進んでいる。利用登録者は3億人超で、実際のアクティブユーザー数は2.7億人と公表されている。
(写真5)電子決済サービスの支付宝(アリペイ)による割引クーポン

(写真5)電子決済サービスの支付宝(アリペイ)による割引クーポン

中国の飲食店では激しい顧客の取り合いが行われている。これまで中国では浸透してこなかったコンビニの弁当も、昼食時にはファミリーマートやローソンなど日系コンビニが少しずつ顧客を獲得している。日系外食チェーンは中国本土で勝てるだろうか?

日系外食チェーンは品質や料理の味では魅力的であるものの、価格帯が割高に設定されているのが悩ましいところ。中国人のホワイトカラー層の平均所得が上昇するにつれて、日系外食チェーンの活躍する場が増えてくるはずだ。(了)

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