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浙江省最大級の百貨店「銀泰百貨」、飲食エリア以外は苦戦?

中国では大連万達グループが展開する万達広場というショッピングモールが大人気であるが、浙江省にかぎっては地元企業の銀泰集団が展開する百貨店やショッピングモールのほうが有名だ。銀泰集団は香港証券市場に上場する新興企業だ。

1.浙江省の巨大な百貨店グループ

杭州市発祥の銀泰百貨!

杭州市で見かける百貨店といえば銀泰百貨が有名だ。杭州市で1997年から営業をはじめた百貨店で、現在では浙江省を中心に他省でも百貨店やショッピングモールを展開している小売り企業だ。幅広い消費者向けの銀泰百貨と銀泰城(ショッピングモール)だけでなく、高級路線の銀泰中心もある。

銀泰集団の創業者は沈国軍(1962年生まれ)、1997年から事業展開し2007年には香港証券取引所に上場するほど事業拡大した新興企業。海寧市(浙江省)の銀泰城(ショッピングモール)を訪れたことがあるが、その超巨大な規模には驚かされる。

(写真1)杭州市の西湖文化広場駅近くにある銀泰百貨(浙江省・杭州市)

(写真1)杭州市の西湖文化広場駅近くにある銀泰百貨(浙江省・杭州市)

浙江省の杭州市
杭州市は、浙江省の省都(日本の県庁所在地に相当)。西湖を代表とする中国の観光名所としても有名。総人口は884万人(2013年末)。総面積は1万6,596k㎡で東京都の約8倍、蘇州市(江蘇省)の2倍の広さ。杭州市は8区、2県、2県級市(建徳市、臨安市)を管轄している。在留邦人数は約2,000人。

2.飲食エリア以外は苦戦する中国の百貨店

銀泰百貨も飲食エリア以外は苦戦中か!?

銀泰百貨に入ると、地下と最上階は飲食エリアになっている。ここ最近の中国の百貨店やショッピングモールでは、全体の25%~35%くらいは飲食エリアになっている。ネット通販の台頭により、アパレルや雑貨など実店舗の採算はきびしいため、飲食エリアに多くスペースを配分している。

中国の住宅価格(不動産)の上昇にともない、商業施設のテナント料は高騰している。実店舗は高騰したテナント料を販売価格に転嫁せざるえないため、テナントの販売価格はかなり割高にみえてしまう。このような状況下、中国の大都市、中規模都市にある百貨店やショッピングモールでは、テナント誘致に苦戦している。

テナント誘致に苦戦している百貨店やショッピングモールでは、「Coming Soon(もうすぐオープン)」と表示されたまま、半年以上も空きテナントになっているところも少なくない。

(写真2)飲食エリアが多くを占める銀泰百貨(浙江省・杭州市)

(写真2)飲食エリアが多くを占める銀泰百貨(浙江省・杭州市)

中国の百貨店で見られる特設スペース!

中国の百貨店では1階は化粧品専門店が出店しているケースが多いが、最近では特設販売スペースを設けているところも少なくない。かなりテナント誘致に苦戦しているのか、百貨店の雰囲気と特設スペースで販売されている商品自体に、場にそぐわないようなアンマッチが生じているケースも見られる。

このときは9割引と表示された冬用コート、ダウンジャケットが販売されていたが、どれも海外の有名ブランドのものではなく中国製のもの。お得感を出すためか、定価8万円~15万円の商品を9割引で大特価と表示しているものの、日本人ならその値段に怪しさを感じてしまうはずだ。

(写真3)中国の百貨店で見ることが増えた特設販売スペース

(写真3)中国の百貨店で見ることが増えた特設販売スペース

ファミリー層獲得のために子ども向けスペースは必須!

中国の百貨店やショッピングモールでは、ここ最近では子ども向けの遊びスペースは欠かせない。アパレル衣料品エリアの真ん中に遊びスペースがあり、なんとも異様な光景だ。ファミリー層を集客するため、多くの百貨店やショッピングモールで取り入れられている集客手法のひとつ。

(写真4)中国の百貨店でよく見られる子ども向けの遊戯スペース

(写真4)中国の百貨店でよく見られる子ども向けの遊戯スペース

最上階の飲食エリアは大人気!

銀泰百貨の最上階と地下には飲食エリアとなっている。この最上階(5階)に来るためにエスカレーターで移動する場合、各フロアをを大きく回ってエスカレーターに乗り継ぐ必要がある。たしかに消費者に店内を見せる工夫であるが、フロア移動が大変で不満に思っている人も少なくないだろう。

最上階の飲食エリアにつくと、多くのお客さんであふれている。中国の百貨店やショッピングモールでは飲食エリアはとにかく混雑している。日本では飲食店がたくさん入居した雑居ビルをよく見るが、中国ではあまり飲食店のあつまった雑居ビルは見られない。ある程度のしっかりした飲食店は百貨店やショッピングモールに集まっている。

(写真5)銀泰百貨の最上階にあるレストランエリア

(写真5)銀泰百貨の最上階にあるレストランエリア

超立派な銀泰百貨のビル!

1997年から急成長してきた銀泰集団。経済成長が続いてきた中国では、地元の不動産開発をおこなう企業が百貨店など他の事業に進出するケースが多い。銀泰集団もそのひとつ。中国経済の発展とともに、銀泰集団は杭州を代表する企業になった。

(写真6)超立派な銀泰集団のビル(浙江省・杭州市)

(写真6)超立派な銀泰集団のビル(浙江省・杭州市)

全国的には大連万達集団が展開する万達広場(Wanda Plaza)のほうが有名であるが、浙江省では銀泰集団のほうが知名度は高い。とくに銀泰城は超巨大なショッピングモールで日本では見られないほどの規模だ。銀泰城は杭州市、寧波市、海寧市、温州市などに出店している。(了)

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