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杭州にできたイオンモール!家具・雑貨専門店のニトリも出店

杭州市にはじめてできたイオンモール。ユニクロ、ニトリなど日系小売りメーカーもテナントとして出店しており、杭州市でひと際目立つショッピングモール。イオンモールの周囲が開発されれば、さらなる集客にもつながるだろう。

1.イオンモール杭州良渚新城

超巨大なショッピングモール、2015年11月オープン!

杭州市の余杭区に2015年11月、イオンモール杭州良渚新城がオープン。杭州市にはじめてできたイオンモール。イオンモール杭州良渚新城の敷地面積は9.8万㎡で、東京ドーム2つ分の広さ。日本で見慣れたピンク色のイオンのマークが目立つ。

イオンモール杭州良渚新城のある場所は杭州市中心部から少し離れている。市中心部から車で約45分くらいのところに位置している。公共バスで向かうと、だいたい1時間半ちかくかかる。イオンモール周りはいまのところ未開発の空き地が多く、これから新たに開発される期待の場所というわけだ。いまのところ、自家用車でイオンモールにやってくる人が中心だ。

(写真1)杭州初のイオンモール、江蘇省・浙江省で3番目のイオンモール

(写真1)杭州初のイオンモール、江蘇省・浙江省で3番目のイオンモール

浙江省の杭州市
杭州市は、浙江省の省都(日本の県庁所在地に相当)。西湖を代表とする中国の観光名所としても有名。総人口は884万人(2013年末)。総面積は1万6,596k㎡で東京都の約8倍、蘇州市(江蘇省)の2倍の広さ。杭州市は8区、2県、2県級市(建徳市、臨安市)を管轄している。在留邦人数は約2,000人。

2.イオンモールのなかの様子

斬新なデザインのモール内、順調な滑り出しか!?

週末にイオンモール杭州良渚新城を訪れたところ、昼すぎからはお客さんでいっぱいの状況。ただ、中国のほかのショッピングモールとくらべて客入りの状況で、超満員というわけではない。中国では現在、ネット通販の台頭により、百貨店やショッピングモールの実店舗は苦戦している。多くの商業施設ではテナントを埋めれないところも少なくない。

そのような状況下、イオンモール杭州良渚新城はテナント確保は問題ない。これから数年後にイオンモール周辺にたくさんのマンションが建設されれば、イオンモールは周辺住民にとって重要な生活インフラになるはずだ。イオンモールも今後の周辺開発を期待している(ニュースリリースより)。

(写真2)開放感あふれるイオンモール杭州(浙江省・杭州市)

(写真2)開放感あふれるイオンモール杭州(浙江省・杭州市)

日本を代表する中国進出の小売り企業が勢ぞろい!

イオンモール杭州良渚新城には日系小売り店もたくさん出店している。中国で勢いのある日系小売りのユニクロ。中国のユニクロは日本のお店と、店舗デザインや商品、サービス、どれも大きな違いはない。ただ、中国のユニクロは安いというイメージは薄く、良いモノを納得できる価格で提供している。

タオバオなどのネット通販サイトでは、驚くような安い価格で衣類が販売されている。ユニクロにとって中国では安値競争ではなく、良いモノを求める中間所得層をねらってファンを増やしているところ。

中国では月給(手取り)4,000元~1万元(約7万円~17万円)くらいの中間所得層は増加しており、この所得層が増えるにつれユニクロの売上高もますます増加しそうだ。いっぽう、月給(手取り)2,000元~3,000元(約3万円~5万円)くらいの所得の低い消費者はユニクロを選ぶことは少ないだろう。

(写真3)中国どこでも見かけるようになったユニクロ(浙江省・杭州市)

(写真3)中国どこでも見かけるようになったユニクロ(浙江省・杭州市)

ユニクロ
UNIQLO(ユニクロ)は2015年8月末時点、中国国内で387店舗を展開している(日本国内は841店舗)。中国語でユニクロは「優衣庫」という。中国のユニクロは、割安なアパレルショップというよりも、高品質を求める中間所得層がターゲットになっている。現在、為替レートや増値税(消費税に相当)を考慮すると、日本のユニクロのほうが同製品は安い。

じつは中国に果敢に進出しているearh music&ecology

宮崎あおいさんをブランドキャラクターにしたearh music&ecologyもイオンモール杭州良渚新城に出店している。日本とかわらず、中国でも宮崎あおいさんを前面に打ち出している。

(写真4)イオンモール杭州良渚新城にあるearh music&ecology

(写真4)イオンモール杭州良渚新城にあるearh music&ecology

イオンモール杭州良渚新城のニトリ!

イオンモール杭州良渚新城で家具・雑貨専門店のニトリを発見。単純に比較できないが、上海の中山公園駅にあるニトリ(2フロア)よりも大型ではないだろうか?「日本の有名な家具・インテリアブランド」と大きく看板に表記されている。

お店に入ると、けっこう多くの中国人顧客があつまっている。中国ではイケア(IKEA)が外資の家具・インテリアショップとして先行している。いっぽう、中国地場の家具・雑貨専門店はそれほど有名なところは多くない。

中国では家具城とよばれるビルのなかに、たくさんの小売り店・メーカー、代理店が入居する百貨店方式の家具屋が多い。単独の大きな家具メーカーとしては、外資系のIKEAやニトリくらい。あとはホームセンターのB&Q(英国、キングフィッシャーグループ)が有名だ。

(写真5)イオンモール杭州良渚新城にオープンしたニトリ

(写真5)イオンモール杭州良渚新城にオープンしたニトリ

家具・インテリアのニトリ
ニトリホールディングスは、日本国内に220店舗、台湾に17店舗を展開する家具やインテリア製品を扱う専門店を展開している。本社は北海道札幌市。2014年に中国進出。事業展開にあたってIKEA(イケア)を手本にしていると言われる。2014年の売上高は4,172億円。

3.イオンモール周辺の発展を期待

駐車場はいっぱい!まだ開発段階のイオン周辺

午前中は空きが目立った駐車場も、昼過ぎになるといっぱい。イオンモール杭州良渚新城の駐車場は約2,500台も収容可能。まだまだ周囲は未開発の状況で、いまのところ、自動車で訪れるお客さんが中心だ。

(写真6)イオンモール杭州良渚新城の駐車場、空きがないくらい

(写真6)イオンモール杭州良渚新城の駐車場、空きがないくらい

イオンモール杭州良渚新城は杭州市内中心部より離れている。最初は「イオンモール杭州良渚新城の集客は大丈夫かな?」と思ったものの、周囲にマンションが順調に建っていけば平日でも集客は問題ないだろう。

あとはネット通販との競合が課題。イオンモールだけでなく、中国では実店舗で販売されている商品はネット通販より当然、割高。いかに価格面以外で魅力を伝え、消費者を引き付けていくかはイオンモールだけでなく中国小売りの大きな課題だ。

ネット通販大手の京東商城(JD.com)は赤字であるものの、確実に売上高を増やしている。価格面でネット通販に勝つことはむずかしい。どこに突破口をみつけるか。(了)

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