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なるほど、これが日本と中国の経済の大きさか

2013年、中国の国内総生産(GDP)は、物価が高くなったことを除いた実質ベースの成長率は前年(2012年)から7.7%(実質ベース)のプラス成長だった。日本のGDP(2013年1月~12月)は、1.5%(実質ベース)のプラス成長にとどまっている(2014年3月10日、内閣府公表)。

経済成長率だけではよく分からない

新聞やテレビの報道で、中国や日本の経済成長率が何%だったという記事をよく目にする。中国に関しては、とくに経済成長が減速しているという論調の記事が多い。しかし、この経済成長率だけ見ていても、日本と中国の経済の大きさは分からない。

経済成長率とは?
経済成長率とは、前年と当年のGDPを比べて、どれだけ増えたかパーセントで表わしたもの。物価の変化を調整せず、そのまま比べる「名目経済成長率」と、物価の変化を調整する「実質経済成長率」がある。新聞やテレビのニュースで「経済成長率」という言葉がでてくる場合、「実質経済成長率」のことを指していることがほとんどだ。

日本と中国のGDP(名目ベース)

日本と中国のGDP実額(名目)を円建てで比べてみた。経済の大きさを比べる場合は、物価の変化を調整していない名目ベースのGDP実額がわかりやすい。

日本のGDPは、内閣府が発表しているGDP(名目ベース、円建て)を並べている。中国のGDPは、中国の国家統計局が発表しているGDP(名目ベース、人民元建て)を円建てに換算したもの。そのため、中国のGDPだけが為替レートの影響(人民元と日本円の為替レートの変動)をうけている。

たとえば、中国のGDPが2012年(約658兆円)から2013年(約908兆円)に大きく増えた。その理由は、安倍政権(2012年12月26日発足)になってから、日本円の為替レートが外貨に対して大きく下落したため。2012年に1元=12.66円(年平均レート)だったものが、2013年には1元=15.92円(同)と大きく円安になっている。円建てにそろえると、中国のGDPだけ為替レートの影響を受けるものの、同じ通貨建てにそろえることで経済の大きさが比較できる。

こうして数字を見ていると、いろいろ見えてくる。

  1. 日本の経済の大きさが変わっていない、というより小さくなっている。
  2. 中国の経済拡大はすさまじい。
  3. 2010年に日本と中国の経済規模が逆転している。

(了)

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