語学学習で休職するためのナマ提案書
外国語を学習してきて、時々もっと上手くなりたいと思う場面がある。同じ日本人で、同じように日本で育ち、学習して外国語を覚え、自分よりも圧倒的に中国語や英語がうまい人に会ったとき。一瞬で「この人スゴイ」と反応してしまう。目に見える形で自分よりもすぐれた能力を見てしまったからだ。自分もそうなりたいと思う、それが外国語学習の大きな魅力。
実は2年ほど前、当時働いていた会社に語学の学習のために3か月くらい休職できないか相談したことがある。当時は中国現地での仕事が忙しくて、なかなか学習時間を取れず、このままではダメだと思っていた。
なかなか他の人の提案書をみることは多くないと思う。せっかくなので、一部内容を伏せた上で紹介しよう。いま見てみると、次のことが気になる。
- 漢字が多すぎて読みにくい。
- この提案への強い意欲を表すため「私」を使い過ぎていて違和感がある。
- 高い役職の人に対するお願い語調(文章の口調)に違和感を持ってしまう。
「だ・である」調の文章で書くと、上から目線のような印象を与えてしまう。想定している50代の読む人に、「可愛げのあるヤツ」と思ってもらうように文章を意識している。この休職は実現しなかったものの、このような提案書を出すと、会社はしっかり検討してくれるものだ。
(以下、語学学習で休職するための提案書)
中国語能力の向上に向けた休職計画(3ヶ月)(2012年2月5日作成)
(要点)以下の考え方に基づき、業務を一旦離れ、中国語能力の向上に努めたいと考えております。
1.本計画の基本的な考え方(背景)
私は、自身の思い描く「なりたい自分(目標)」を目指したいと考えています。その目標に一歩でも近づくことが、会社への貢献につながると考えています。
(1)個人の観点より
現在の目標は「当社の中国ビジネスの中で、自分の存在価値を高め、業務成果を出し続けること」。
上記の目標に一歩でも近づくためには、中国語を継続的に向上させ、中国における情報収集力・発信力の強みを持ち、他人と差別化することが必要。結果として、中国における挑戦的な業務機会が増えると考えています。私は、人生は一日一日短くなり、必然的に自分自身の可能性も日々小さくなるため、目標には一日でも早く近づくことが重要と考えています。
(2)当社の観点より
グローバル企業である当社において、会社数・売上規模の観点より、既に中国拠点が非常に重要な位置づけとなっています。(2010年度:(中国)XXX億円/年、全社売上高の内:XX.X%、海外売上高の内:XX.X%)
10年程度の中期的な観点から中国ビジネスを考えると、事業環境の変化(法整備及び改正、人件費高騰等)に伴い、事業移転・撤退、パートナー企業との企業再編(合弁、持分買収・譲渡他)等の継続的な事業戦略の見直しが必要になると私は推測しており、今後は中国ビジネスに精通した人材の活躍する機会が一層増加すると私は考えています。(尚、本質的な問題を発見し、問題解決する能力を持っているビジネスパーソンであることが前提です)
2.目的
中国ビジネス情報(政治、経済、法律他)の収集・発信力を強化していくことを目指し、基礎となる中国語(文法、発音)を集中的に学習し、中国語の学習能力向上を早めるため。
3.計画
(1)学習すること
中国語の「文法力」「発音力」を集中的に勉強すること。(よって、中国語資格試験の合格を目標としない)
(2)なぜ上記を学習するのか
言語は、「①話す」「②聞く」「③読む」「④書く」の4つの能力に分かれ、「①話す」「②聞く」という能力は、「単語力」「文法力」「発音力」の3要素、「③読む」「④書く」は、「単語力」「文法力」の2要素が基礎となっています。上記4つの能力は、3要素を向上させ、トレーニングを継続することで身につけることができます。
長期的な学習能力を考えると、「単語力」は業務を行いながら日々学習できますが、特に言語のルールである「文法力」については4つの能力のすべてに影響するため、集中的に早く学習する必要があると考えています。発音が難しい中国語において、「発音力」を集中的に見直すことも重要だと考えています。
(3)具体的な計画
別紙ご参照。
4.ご参考
(1)現在の私の中国語レベル
私の中国語は、英語と比較して、4つの能力共に高い。理由は、トレーニング時間(中国駐在3年)の圧倒的な差異のため。但し、基礎要素の「文法力」に関しては、英語に比べ、中国語は弱い。(2008年:TOEICXXX点)
(2)過去の学習歴
2002年9月~2003年1月、上海財経大学の中国語短期研修に参加。以降、自主学習を続け現在に至る。
(了)