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イオンモール蘇州新区、日系小売り企業のオールスターズ集まる!

蘇州新区にオープンしたイオンモール蘇州新区。地下鉄3号線の始発駅となる予定地であるものの、いまのところアクセス面で不便という面は否定できない。将来を見越して、中国に進出する日系小売り企業が総ぞろいしたショッピングモール。

1.蘇州市内から少し離れたイオンモール

2019年ごろに地下鉄も開通予定!

2016年1月15日、蘇州市高新区にオープンしたイオンモール蘇州新区。2014年開業のイオンモール蘇州呉中、2015年のイオンモール蘇州園区湖につづいて、蘇州市内で3番目のイオンモールとなった。イオンモール蘇州新区への交通アクセスは現在のところ不便であるものの、2019年ごろには地下鉄3号線(未開通)の始発駅がイオンモール前に開設されることが予定されている。

先行してオープンしているイオンモール蘇州園区湖は、目の前にある地下鉄1号線の鐘南街駅から徒歩1分の好立地。たくさんの顧客は駅から徒歩でイオンモールを訪れている。イオン蘇州新区も同様に、地下鉄3号線の開通後の集客力アップが期待できる。それを見越したイオンモールの出店というところか。  なお、イオンモール蘇州新区は中国で最大の敷地面積(13.9万㎡)を持ち、駐車場は約3,200台も収容可能だ。

(写真1)2016年1月にオープンしたばかりのイオンモール蘇州新区

(写真1)2016年1月にオープンしたばかりのイオンモール蘇州新区

2.蘇州新区のイオンモールのなか

イオンモールらしい開放感のあるデザイン!

イオンモール蘇州新区は開放的なデザインが特徴的だ。大連万達集団の展開する万達広場(Wanda Plaza)がライバルになる。イオンモールは日系企業らしい細かいところまでこだわったショッピングモールで万達広場との差別化は随所にみられる。イオンモールのトイレの前にはアルコール消毒液が設置されていたり、注意深くみると、さまざまなところに日系企業らしい気配りを発見できる。

中国の大都市、中規模都市では百貨店やショッピングモールのテナント入居店の不足に悩まされている。その背景には中国の不動産価格(土地使用権含む)の高騰にともない、テナント料の水準が驚くほど高くなっているからだ。そのテナント料を負担できず、短期間で撤退するお店も少なくない。上海では「Coming Soon(まもなく開店)」と書かれた空きテナントがならぶショッピングモールを見ることが少なくない。

(写真2)開放感のあるイオンモール蘇州新区

(写真2)開放感のあるイオンモール蘇州新区

中国進出の消費者向け日系企業オールスターズ!

イオンモール蘇州新区の飲食店エリアで、はなまるうどん(花丸烏冬面)発見。はなまるうどんは、2010年から中国市場に進出している。はなまるうどんは牛丼の吉野家ホールディングスの傘下にあり、吉野家が51%を出資している。中国のはなまるうどんは、日本の商品ラインナップとは大きく異なるので注意が必要だ。かなり中国人向けにアレンジされている。

日本の味をそのまま持ってきても中国人には受け入れられないということだろうか。上海市の四川北路(壱豊広場)に2012年に出店した、はなまるうどんの店舗はすでに閉店している。食文化の違う中国では、ローカライズしていく工夫が求められる。日本では自分で並んで、うどんを手にして会計をするが、中国では従業員が席まで注文を取りにくる。日本的なオペレーションを取り入れている丸亀製麺とは大きな違いだ。

(写真3)はなまるうどん(花丸烏冬面)、日本のものと味は異なる

(写真3)はなまるうどん(花丸烏冬面)、日本のものと味は異なる

がってん寿司(合点寿司)!日本では寿司~とんかつまで!

日系企業の株式会社RDCが事業展開する、がってん寿司(合点寿司)を発見。RDCは日本国内で、回転ずしチェーン店を中心に、とんかつ、和食、ハンバーグなど数多くの外食レストランを展開している企業だ。中国で運営している回転寿司チェーン店であれば、日本の東証に上場している元気寿司も有名だ。

(写真4)すき家の隣に出店している、がってん寿司(合点寿司)

(写真4)すき家の隣に出店している、がってん寿司(合点寿司)

Body shop(ボディショップ)ではなくFace shop!

ロレアルが出資するThe Body Shop(ザ・ボディショップ)ではなく、韓国の会社が運営するThe Face Shopを発見。The Face Shopは2008年から中国市場に参入しており、中国人のあいだでフェイスパックが人気だ。ただ、The Body Shop(ザ・ボディショップ)に雰囲気が似ているのは気のせいか。

(写真5)2008年から中国に参入している韓国系のThe Face Shop

(写真5)2008年から中国に参入している韓国系のThe Face Shop

洋服の青山!スーツカンパニーの登場も期待したい

中国のショッピングモールであまり見かけない紳士服(スーツ)のお店。イオンモールで青山商事が展開する「洋服の青山」を発見。かなりカジュアルな服装で出勤する人が多い中国で、どこまで紳士服専門店は中国人に受け入れられるだろうか。個人的には同じ青山商事が日本で運営するスーツカンパニーの中国出店も期待したい。

中国では女性向けのスーツを扱うお店がそれほど多くない。中国では外回りの営業職でもスーツを着こなす女性が少ないため、スーツを着る女性は多くない。ただ、時代の流れが変わればスーツをきて出勤する女性も増えて来るかもしれない。20代~40代の女性向けのスーツを扱うお店が出てきたら面白いかもしれない。

(写真6)イオンモール蘇州新区内にある「洋服の青山」

(写真6)イオンモール蘇州新区内にある「洋服の青山」

ウエルシアHD(櫻工房)、中国で化粧品販売!

日本の日用品や化粧品を大々的に宣伝する櫻工房。よく見ると、ドラッグストア大手のウエルシアHD(welcia)が運営している中国版のドラッグストアだ。2012年に中国市場に参入したウエルシアHDは当初、中国の小売り大手の百聯集団と合弁会社を運営していたものの、現在では資本割合も変更して積極的に中国市場で拡大を進めている。

現在のところ、蘇州などのイオンモールには必ず入店している日系小売りオールスターズの一員だ。中国では大衆薬や化粧品の許認可がむずかしく、日本のようなドラッグストアの運営がむずかしいと言われてきた。中国当局の規制緩和などあれば、ウエルシアHDの事業は一気に拡大する可能性も見込まれる。

(写真7)イオンモール蘇州新区の櫻工房(ウエルシアHD)のお店

(写真7)イオンモール蘇州新区の櫻工房(ウエルシアHD)のお店

百聯集団とは?
百聯集団は、百貨店やスーパーを中心に事業を行う上海市拠点の大型国有企業。上海一百集団、華聯集団、友誼集団、物資集団が2003年に合併した巨大企業。聯華超市、華聯超市、世紀聯華、快客便利、東方商厦など小売り事業が有名。百聯集団傘下のいくつかの子会社は、上海証券取引所や香港証券取引所に上場している。

イオンモールの出店あわせて中国で拡大中のニトリ!

ここ最近、イオンモールの出店するところに必ずと言っていいほど入店している家具・雑貨専門店のニトリ。店内に入ると、けっこう中国人顧客でにぎわっている。鍋なども販売されていて、インターネット通販よりも安い。

(写真8)イオンモール蘇州新区のニトリ

(写真8)イオンモール蘇州新区のニトリ

イオンモールは2014年ごろから中国の出店を加速している。杭州でも蘇州でも、少し郊外に出店することが多いが、これから数年後の郊外のベッドタウンとしての発展を期待しているのかもしれない。イオンモール周辺にマンションが立ち並び、地下鉄が開通すれば、かなり賑わうのではないだろうか。(了)

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