中国の若者たちに人気、チェーン店のカップ型ミルクティ!
中国の繁華街を歩くと、どこでも見かけるテイクアウト型ミルクティー専門店。日本人で進んで購入する人はそれほど多くないかもしれないが、10代、20代の中国人の若者たちには人気のドリンク。過熱する価格競争で低価格化の方向に。
1.乱立するテイクアウト型のドリンクバー
台湾発祥の都可茶飲(CoCo)が市場を引っ張る!
中国の街中で見かけるテイクアウト型のドリンクバー。そこで販売されているのは主にカップ型のミルクティーが主力だ。ミルクティーまたはハーブティーなどのベース飲料に、タピオカ(イモのデンプンからつくられた弾力ある粒)、プリンなどを加えたテイクアウト専用のドリンク。販売価格は10元(約160円)前後が主流だ。
そのテイクアウト型のドリンクバー市場を引っ張っているのは、台湾発祥の都可茶飲(CoCo)。全世界で1600店舗ほど展開している巨大チェーン店だ。中国の中規模以上の都市の繁華街では、どこでも見かけると言っても過言ではないほどだ。
中国定番のタピオカミルクティー(珍珠奶茶)!
都可茶飲(CoCo)にかぎらず、テイクアウト型ミルクティーの一番人気は台湾から流行したタピオカミルクティー(またはパールミルクティー)だ。中国語では「珍珠奶茶」とよばれている。タピオカは餅(もち)よりも弾力があり、ソフトキャンディーのような食感だ。
タピオカは一般的にキャッサバとよばれる芋(いも)のデンプンから作られているため、カラダに害はない。うどん、菓子などの食感調整にも利用されている。ちなみに、中国語でタピオカは粉圓(フェンユエン)と呼ばれる。
10代、20代の若者にはボトル・缶飲料よりも人気!
これらミルクティーの主なターゲット層は10代~20代の若者だ。価格帯は6元~15元(100円~220円)。スターバックスコーヒーの価格帯が30元~40元(約450円~600円)のため、スターバックスとはターゲット層はまったく重ならない。
中国の若者はなぜコンビニなどで販売されている低価格のボトル・缶のミルクティー(4元~6元)よりも、カップ型ミルクティーを選択するのか?カップ型ミルクティーは、それほど高くなく、温かい飲料も可能で、甘さ・具材を自分の好みに調整できることが大きな理由だ。
2.ドリンクバーの参入障壁は低い
フランチャイズ展開で乱立する中国のドリンクバー!
カップ型ミルクティーの市場は大きいものの参入する企業・お店も多い。都可茶飲をはじめとする巨大企業がフランチャイズ展開するだけでなく、数多くのローカル中小企業が参入している。中国人の起業意識も高いため、5万元~10万元(約80万円~160万円)で出店できるカップ型ミルクティーのお店を出す個人も少なくない。
ちょっとした繁華街を歩くと、カップ型ミルクティーのお店をあちこちで見かけるはずだ。情報交換サイトの58同城などでは店舗売却の情報も多く、大手加盟店以外の店舗は利益を出し続けることに苦戦しているはずだ。
1リットル近いビックサイズで13元(約200円)!
蘇州市内にある世界茶飲(World House)のビックサイズは1杯1リットルほど。ほかの競合と違いを出すためか、とんでもない容量(サイズ)で特長を出している。消費者にとっては割安に感じるだろう。
テイクアウト型ミルクティーは基本的にテイクアウト専門。基本的に飲食スペースを設けていない。店舗賃料が上昇する中国で、賃料をおさえて数多くのドリンクを販売して利益を積み上げるビジネスモデル。(了)